〔焦点〕米金融規制改革、金融消費者保護庁の創設に業界は懸念

2009年 06月 18日 15:45 JST
 

 [ワシントン 17日 ロイター] オバマ政権が金融規制改革案の一環として発表した金融消費者保護庁の創設について、業界や既存の規制当局が結束して抵抗する可能性がある。また銀行の健全性を損なうほか、金融商品の価格やサービス料引き上げにつながるとの懸念もでている。

 オバマ大統領が消費者をリスクのある金融商品・サービスから保護するために創設を提示した金融消費者保護庁は、金融商品に関するルールを定め、商品設計などにも介入ができるほか、住宅ローンやクレジットカード業務などを手がける全ての機関の健全性を精査したり罰金を課す権限を持つ。

 法律事務所ポール・ヘイスティングの弁護士で元貯蓄機関監督庁(OTS)法律顧問のケビン・ペトラシック氏は「良いことをするための金融消費者保護庁という機関の創設だが、規模が大き過ぎて責任がはっきりしていないという点で危険だ」と述べた。同氏は、新たな省庁創設は規制対応コスト増加につながり、結果的にそれが消費者に転嫁されると指摘、金融商品やサービスの革新を妨げ消費者の選択肢が狭まる可能性があるとの見方を示した。

 サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した金融危機の再発防止のためにオバマ大統領が創設を目指す金融消費者保護庁は、今回の金融規制改革案の柱のひとつ。ただ、銀行規制当局は、金融機関の監督当局と金融商品やサービスを提供する機関を監督する当局を分けることで、銀行の安全かつ健全な業務展開を徹底させれうことに影響が出ると指摘する。

 例えば、銀行のクレジットカードのリスクベースでのプライシングは、銀行の効果的な業務展開に役立つとの評価があるが、新たな機関はこれを制限する可能性がある。また、金融機関が金融消費者保護庁と従来の規制当局の間にはさまれ、振り回されることになるとの見方もある。

 さらなる規制を望んでいない金融業界からも懸念の声があがっている。全米商工会議所の資本市場市場競争力センター(CCMC)のプレジデント、デビッド・ヒルシュマン氏は「重複や屋上屋を架すことになり懸念している」との見方を示した。

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