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米法人税減税や規制緩和、過度な金融リスク許容招く恐れ=IMF報告
2017年4月20日 / 02:26 / 5ヶ月前

米法人税減税や規制緩和、過度な金融リスク許容招く恐れ=IMF報告

 4月19日、国際通貨基金(IMF)は世界金融安定報告書(GFSR)で、トランプ米政権が掲げる法人税減税や金融規制の緩和が、2008年の金融危機前にみられた過剰な金融リスクを許容する傾向に再び火をつける可能性があると警鐘を鳴らした。写真はホワイトハウスでスーパー・ボウル勝者のニュー・イングランド・パトリオッツトランプを讃える米大統領(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 19日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は19日公表した世界金融安定報告書(GFSR)で、トランプ米政権が掲げる法人税減税や金融規制の緩和が、2008年の金融危機前にみられた過剰な金融リスクを許容する傾向に再び火をつける可能性があると警鐘を鳴らした。

IMFによると、世界的に経済成長が加速していることや、金利上昇に伴って銀行の収益が改善したことを背景に、過去6カ月で金融安定を損ねるようなリスクは総じて低下した。一方で、既に高い水準でレバレッジを効かせている米企業は、共和党が提案している税制改革によって拡大するキャッシュフローを持続可能な成長を支えるような生産性の高い設備投資に投入できる状態にはないかもしれないと指摘した。

報告書によると、国際的な企業による海外収益の還流分を含む新たなキャッシュフローは、金融資産の購入や合併、配当などのリスクを伴う行為に回される可能性がある。こうした傾向はITとヘルスケアの業界で最も多くみられるだろうとの見方だ。

報告書は「税制改革に伴う新たなキャッシュフローは主に、これまでも大きな金融リスクを取ってきた部門に生じることになるだろう」とし「こうしたリスク許容は過去数十年間にわたり、金融システムに断続的で大規模な混乱を招いてきた」と強調した。

過去の主な税制改革はリスク選好度の高まりにつながることが多かったと指摘。1986年の税制改革や2004年に利益の本国還流に対する課税軽減期間の創設を例として挙げた。どちらの場合もレバレッジが高まり、90年と08年の景気後退につながった。

労働市場のスラック(需給の緩み)が少なく、米政権の掲げる減税や財政支出による景気刺激効果の実現につながらない場合には、物価と金利が想定よりも急速に上昇する可能性があるとした。これによって市場の混乱が高まり、既に厳しい財務状況にある企業は借り入れコストが増大するとした。

また、米国やその他の先進国の保護主義に傾倒することによって貿易が細ったり、資本の流動性が低下したりして、成長の鈍化や市場心理の悪化につながりかねないとも付け加えた。

その他、米国が金融規制を「微調整」する余地はあるとする一方、08年の金融危機以降に導入した銀行の資本要件を「大規模に緩和」することは危険だと釘を刺した。

報告書は、新興国市場の金融安定リスクは依然高いとの見方を示した。保護主義の高まりによって、新興国の輸出が減るほか、米国の物価と金利の上昇を背景に資本が流出し、対外債務の返済が難しくなるとした。中国の信用供与の急速な拡大にも改めて懸念を示した。

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