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インタビュー:20年改憲日程の実現、厳しく=自民・船田氏
2017年7月12日 / 11:15 / 2ヶ月前

インタビュー:20年改憲日程の実現、厳しく=自民・船田氏

 7月12日、自民党憲法改正推進本部・本部長代行の船田元衆院議員は、安倍首相が掲げる2020年中の憲法改正実施に向けた日程に関して、状況はより厳しくなってきたとの認識を示した。自衛隊朝霞駐屯地で2016年10月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 12日 ロイター] - 自民党憲法改正推進本部・本部長代行の船田元衆院議員は、ロイターとのインタビューで、安倍晋三首相が掲げている2020年中の憲法改正実施に向けた日程に関して、状況はより厳しくなってきたとの認識を示した。

安倍首相への国民の信頼低下によって、憲法改正への賛成比率も低下したとし、急げばかえって逆効果になる可能性があると述べた。また国民投票で過半数の賛成を得られない場合は、政権へのダメージが大きいと語った。

安倍首相が掲げる9条に自衛隊の存在を認める文言を挿入することについては、党内で9条2項の「戦力不保持」と「交戦権を認めない」という文言を残すか、なくすかで議論があると指摘した。

インタビューの詳細は以下の通り。

ーー安倍政権の支持率が低下している中、2020年中の憲法改正実施という安倍首相の掲げる日程の実現見通しは。

「当初の目標に向けて努力していくと言ってきたが、状況は厳しくなってきた。目標は現状では変わらないが、達成するための努力はより必要になってきた」

「憲法改正への賛成比率が低下しているのは、(支持率低下に)ひきずられているためだと思う。9条改正そのものへの信頼というよりも、安倍首相そのものへの信頼が下がってしまったというのが主な原因ではないか。安倍首相が総理にふさわしくないと思っている人が増えており、その安倍首相が言っている憲法改正もふさわしくないと(思う人がいると)いうことがあるだろう。首相の信頼の問題が大きい」

「ただ、我々としては長い間、憲法改正を追求してきた。目先の数字のことで一喜一憂せずに、改正に向けた努力と、野党との話し合い・説得、国民への丁寧な説明は、支持率あるいは憲法改正の賛成反対にこだわらず、着実にやっていく」

「我々としては、安倍首相のために憲法改正するわけではないのだが、都議選でのひどい負け方と絡めて、憲法改正時期を議論されると困ってしまう」

ーー 首相は、なぜ低支持率下でも憲法改正を急ぐのか。

「自分が総理の間に憲法改正に手を付けた、できれば成功したという気持ちの方が、先行しているということだ」

「スケジュールを見ると、来年9月に自民党総裁選で自らの3選を確実にすること、同年12月の衆院議員の任期満了が近づけば、追い込まれ解散(となりかねないこと)を恐れていることがある。それらより前に憲法改正の発議をしたいということ」

「少なくとも公明党と一緒に改正案を国会に提出するには、話し合う期間が必要だ。急ぐと逆効果となることはあるかもしれない。あまり(思い描いている日程通りの)憲法改正に力を入れ過ぎると、できることもできなくなってしまう」

「来年の自民党総裁選前までに間に合わせるには、遅くとも来年の通常国会の早い段階、できれば冒頭が望ましい」

ーー最終的に国民投票での過半数の賛成が必要だが、得られなかった場合にはどうなるのか。

「国民投票というのは大変な危険を伴う。世論調査などよくみて、タイミングを図らないとといけない。もし失敗したら、同じ状況での再提出はできないし、それよりも政治的なダメージの方が大きい」

「憲法改正を日程通り進めるには、支持率を上げなければならないが、内閣改造をしても効果は限定的だ。やはり心を入れ替えないとだめなのではないか」

「一番の問題は、首相の答弁の姿勢など、国会における話し合いの態度がやや欠けていた点。それがボディーブローのように支持率を下げてきた大きな原因の1つだと思っている」

ーー安倍首相が今回掲げた9条の改正において、自衛隊の存在を明記することについて、自民党内で相違点はあるのか。

「一番の相違点は、9条2項(戦力不保持と交戦権を認めないとの規定)を残すか、なくすかという点。大方の意見は2項を残しつつ、その9条の2を新設して自衛隊の存在を明記するというものだ」

「その意味は、これまでの解釈と同じで、自衛隊は戦力未満という位置づけで、違憲な存在ではないということ。私もそれに賛成する。自衛隊の存在を認めない政権が誕生してしまったら、一晩で自衛隊が違憲になってしまう。自衛隊の士気にもかかわる」

「一方で、 自衛隊は国際的にみて戦力だと言われているし、それにきちんと答えて軍隊として位置付け、自国を守ることを完璧にしたい(だから2項は廃止する)という人が、自民党内にはかなりいる」

ーー教育無償化はどのような位置づけになるのか。

「これは国民にとって悪い話ではないが、実現は難しい。無償化することへの努力を促すという、プログラム規定という位置づけにし、あくまで努力目標とする方向だ」

中川泉 リンダ・シーグ 編集:田巻一彦

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