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インタビュー:18年3月期増益必達、米がリスク=新日鉄住金副社長
2017年5月22日 / 17:40 / 4ヶ月前

インタビュー:18年3月期増益必達、米がリスク=新日鉄住金副社長

 5月23日、新日鉄住金の栄敏治副社長はロイターのインタビューで、18年3月期は増益は必達との考えを示した。写真は都内の同社前で2012年11月撮影(2017年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 23日 ロイター] - 新日鉄住金(5401.T)の栄敏治副社長はロイターとのインタビューで、2018年3月期は増益は必達との考えを示した。設備投資や設備修繕費などを継続的に賄うためにも、1トンあたり5000円の鋼材の値上げを実施、さらなるマージン改善に取り組む方針。

ただ、トランプ政権下での米国があらたなリスク材料になっていると指摘した。

インタビューは19日実施した。

原料価格や鋼材価格が不透明なことから、現時点では、2018年3月期の業績予想を開示していない。栄副社長は「増益は必達と思っている」と強調。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト15人の経常利益予測の平均値は3076億円となっている。前期実績は1745億円。

3月末にオーストラリアの原料炭輸出拠点をサイクロンが直撃したのを受け、複数の大手鉱山会社が不可抗力条項の発動を宣言し、原料となる強粘結炭の価格が急騰。本来は3月中に決着しているはずの4―6月期の原料炭価格は、まだ、決着していない。「イレギュラーだが、4―6月期の価格は、期中の需給の安定と価格の動向を見た上で決めることで合意している」という。

需給面からみた落ち着きどころを1トンあたり150―200ドルと想定する中、一時は300ドル超まで上がった価格は足元で160ドル水準まで下がってきている。栄副社長は「5月中には決めたい」との意向を示している。

一方、4―6月期の鉄鉱石は1トンあたり77ドルで決着。7―9月期も「70ドルを少し切ったところで決まる見通し」という。

マージンの改善には、引き続き取り組む方針。前期は、高騰する原料価格の鋼材への転嫁を進めたが「それだけでは不十分」と指摘。日本の鉄鋼業は高度成長期に作った設備の更新・修繕に費用が掛かるという。同社でも、設備投資3000億円、修繕費2500億円、年間5500億円規模の投資を継続的に行う必要があるとし「投資が継続できるようなマージンレベルではない。(1トンあたり)5000円程度マージンを増やさないと、今後、継続的な生産活動ができない」と述べ、5000円の鋼材値上げに取り組む姿勢を示した。

鉄鋼業界は、中国の過剰生産、中国による安価での鋼材輸出、国際市況の低迷に悩まされてきた。栄副社長は「今、中国の内需は強い。秋の共産党大会までは景気刺激策は継続する。年度前半は心配していない」という。

一方、米国の政権の動向をリスクとして挙げた。「この1―2カ月で変動が一番大きいのは米国。あたらなリスクとしてみている。地政学的リスクも含めて、経済のファンダメンタルズに与える影響が懸念される」としたほか「米国は保護主義的な動きが間違いなく加速している」と指摘した。日本から米国への鋼材輸出は粗鋼生産の2%に過ぎず、直接的な影響は小さい。しかし、例えば、中国から米国に向かう鋼材が減少すれば、行き場を失った鋼材が韓国や日本に向かい、アジアの市況が弱含むリスクをはらんでいる。

清水律子 大林優香

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