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インタビュー:資源配分にメリハリ、ボトム収益底上げ=高島・三井住友銀頭取
2017年3月31日 / 15:23 / 6ヶ月前

インタビュー:資源配分にメリハリ、ボトム収益底上げ=高島・三井住友銀頭取

 3月31日、三井住友銀の頭取に就任した高島誠氏は、世界的な金融規制の強化や、国内での低金利などを踏まえると、自己資本を確保しながらビジネスを展開していく必要があるとし、当面はボトム収益の底上げを目指す方針を示した(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループ(8316.T)傘下の三井住友銀行頭取に就任した高島誠氏は、ロイターとのインタビューで、世界的な金融規制の強化や、国内での低金利などを踏まえると、自己資本を確保しながらビジネスを展開していく必要があるとし、当面はボトム収益の底上げを目指す方針を示した。

高島新頭取は「国内の金利環境や海外の環境を考えると、残念ながら大きく収益を伸ばせる環境ではない。さらに規制強化もあり、こうした観点からボトムラインをどのように引き上げていくのかが課題だ」と語った。

その上で、4月から始まる中期経営計画では「これまでインオーガニック(買収)でやってきたことの実を刈り取っていきたい。今後3年間の戦略展開としては、既存のものを次のステージにもっていくことが重要になる」と語った。

高島氏は、国際業務が長く経営企画部長、国際業務担当役員を経て4月1日付で頭取に就任した。

――頭取として取り組むべき課題は何か。

「トップとして、1番考えなければならないのは、現在の環境下でいかに収益性を上げていくかだ。残念ながら、国内の金利環境や海外環境を踏まえると、収益を大きく伸ばせる状況ではない」

「もう1つ大きいのは規制だ。規制強化の中で、まだバーゼル委員会も新規制の最終案を出しておらず、最終的にはより多くの資本や流動性を確保したうえで、どういう業務をどのように展開していくのかを考えなければならない。これは極めてチャレンジングだと覚悟している」

「可能な限り資源配分にメリハリを付けて、勝てると思う戦略は大きく展開したい。そのうえで、全体のボトムラインをどのように引き上げていくのかが課題だ」

――捨てないといけない分野が出てくるのか。

「言い方は難しいが、いかんせんわれわれの経営資源には限界がある、確かに地方にも優れた会社や付き合うべき個人顧客もたくさんいる。かと言って、おしなべて全てのサービスが提供できるかというとそうではない。他行に劣る部分も出てくるだろう。その結果として、顧客サイドがわれわれよりも他の金融機関を選択するというかたちで、選別が起きるのはやむを得ない」

――米銀など海外での買収戦略をどのように考えているか。

「米国に限らず、インオーガニック(買収)という手段は、戦略の本質ではない。あくまでもオーガニック(成長)で、いかに自分たちの戦略に基づいた展開をするのかが基本中の基本だ。しかし、どうしてもそれでは補えない、あるいは時間が掛かるという場合に、選びに選んでやるのがインオーガニックだ」

「確かに買収のチャンスは、旺盛に研究している。しかし、米銀の場合、マーケットが先読みして金利やイールドカーブの上昇を織り込んで値段が上がっている。今、買収するとなれば、かなりののれんを覚悟しないといけないし、現在のわれわれの資本の状況を考えると、傷みが伴う買収になり得る」

「グローバルに業務拡大する中で、ドル調達をいかに多様化して安定的なものにするかは極めて重要で、調達の多様化の最後に残った源泉は本源的なリテール預金ではある。しかし、預金も潤沢に集まっており、現時点では優先順位が高いとはいえない」

――4月からの中計では何を目指すのか。

「これまでインオーガニック(買収)でやってきたことの実を刈り取っていきたい。4月からの3年間で、戦略展開としては既存のものを次のステージに上げていく。新しいものを外から大きく持ってくるという中計にはならない。とんでもなく新しいものに取り組むということにはならないだろう」

「欧米では日興証券の債券関連ビジネスや、アドバイザリー業務の能力を上げてクロスセルを進めて収益を上げる。アジアでは、主要な顧客といかに複合的な関係を作っていけるか。これが王道だ。これに加えて、インドネシアでは出資した現地の銀行を育て、フルラインの銀行業務を展開する第2の三井住友銀行を作る。これは10年の計で進める大きな目標だ」

――新頭取として、どのような色を出したいか。

「顧客との接点で、いかに価値ある銀行に見えるのかということにとことんこだわりたい。それなりの大きな図体の銀行になったので、内部にいろんな手続きがあるのは確かだが、それを可能な限り簡略化して内向きなエネルギーを可能な限り少なくする」

「現場や顧客、市場のある最前線にいかにきちんと接しているのか。それ以外のことは気にする必要はないという組織にする。基本的なことだが、得てして大きな金融機関ではなかなか徹底していない。私が育った国際金融の世界で、日々しのぎを削っているのはそういうところだ」

布施太郎 編集:田巻一彦

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