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インタビュー:米国債券投資、大統領選後から再開=ゆうちょ銀副社長
2017年2月16日 / 12:25 / 7ヶ月前

インタビュー:米国債券投資、大統領選後から再開=ゆうちょ銀副社長

 2月16日、ゆうちょ銀行の佐護勝紀副社長は、ロイターとのインタビューに応じ、米国大統領選後に米国債の利回りが大きく上昇したことを受け、昨年初めから手控えてきた米国債券への投資を少しずつ再開していると明らかにした16日都内で撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 16日 ロイター] - ゆうちょ銀行(7182.T)の佐護勝紀副社長(最高投資責任者、CIO)は16日、ロイターとのインタビューに応じ、米国大統領選後に米国債の利回りが大きく上昇したことを受け、昨年初めから手控えてきた米国債券への投資を少しずつ再開していると明らかにした。

また、大統領選を控えた9月末から10月初旬というタイミングで、ドルのロングポジションを大きく増やしたことが奏功し、その後の「トランプラリー」でドル高となった局面で既に利益を確定したと述べた。

約210兆円の運用資産を持つゆうちょ銀行は、超低金利環境が続くなか、2015年6月にゴールドマン・サックス証券から迎え入れた佐護CIOの指揮のもと、投資収益の向上を目指して従来の国債中心の運用からリスク性資産の積み増しを積極的に進めている。

主な一問一答は以下の通り。

――米大統領選後の急速な金利上昇で、債券評価損に泣いた金融機関も多いと聞くが。

「為替はもともと金利との見合いでドルロングポジションをある程度持ってるが、実はそれを9月末から10月初頭というタイミングでかなり増やした。ドルを買い進めた結果、ヘッジ比率も3%ほど低下した」

――3%と言えば、外国証券等の残高からみて1兆5000億円程度か。

「大体そうなる。ただし、その後それらは全部再ヘッジして利益を確定した」

――トランプ相場を予期できたのか。

「それはない。トランプ氏が勝つとも思わなかったし、トランプ大統領でリスクオンになると想定したわけでもない」

「ファンダメンタルズを考えれば、ドル円が100円近傍という水準はドルに弱気すぎると感じたことが1つ。また9月に金融政策の変更があり、日銀がイールドカーブ・コントロールを導入したことがもう1つ。さらに為替のヘッジコストが異常な水準にいき始めており、リスク・リターンの観点からも、為替リスクを増やしていいとの判断に至った」

――大統領選後の投資行動について。

「2016年の年明け直後あたりから金利ヘッジを開始していたが、トランプ氏勝利後の大幅な金利上昇を受けて、再び金利リスクを取り始めている。まだたくさんヘッジは持っているが、さすがに1.3─1.5%の時にヘッジしたものの一部は外していいと考えた」

――2017年の相場展望は。

「ベースシナリオとして、米10年国債利回りは年末にかけて3%を目指して緩やかに上昇、それを受けて為替も緩やかに円安というイメージ。年末時点で120円程度に行く可能性は十分ある」

「米国株については割高感がある。金利上昇や企業のコスト増加が重しとなり、年内に10%程度の調整はあり得るとみている」

「ただその場合も、日本株は、円安効果と米株安とが相殺し合うため、横ばいから若干の上昇と考えている」

――日銀の金融政策については。

「ドル円が120円台に乗ってきたら、時期的には秋ごろにも、日銀は(金融政策の新たな枠組みでの)長期金利0%というターゲットを上げてくるのではと考えている。その後、あるいはそれと同時に、マイナス金利を解除する可能性があるとみている」

――トランプ政権について。

「トランプ政権については、実はマスメディアで報じられるよりもポジティブにみている。特に金融規制改革に期待している。議会のねじれが解消されたこと、またゴールドマンで一緒だった顔ぶれも含め、ビジネス界・金融界の出身者が多く登用されていることもあり、その実行力や業界との調整力には大いに期待している」

「基本的に、金融機関の体力が落ちていく中で、経済が強いということはあり得ないと思う。ここまでシリコンバレーががんばって米経済をけん引してきた側面はあったが、金融機関が規制でがんじがらめのままでは、なかなか勢いのある景気回復にはならない」

「国境調整税に注目している。これは為替レートには相当なインパクトがある話。本当に導入されたり、導入される見込みが高まった時には結構なドル高円安になるだろう」

――運用の高度化に関連し、オルタナティブ投資の進捗は。トランプ大統領は大規模なインフラ投資計画も掲げているが、対米インフラ投資への関心は。

「オルタナ投資については、今後5─10年で、プライベートエクイティ(PE)、不動産、ヘッジファンドのいずれの資産についても『兆円』規模を目指して進めている」

「インフラについては、デュレーションが長い年金や生保にとっては取り組みやすいと思うし、市場規模や機会が拡大するのは、われわれも歓迎する。ただし、当行にとってはデュレーションがやや長過ぎることもあり、オルタナのメニューの1つではあるが、PEや不動産の方が収益性は高い気がする」

インタビュアー:植竹知子、佐野日出之 編集:吉瀬邦彦

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