環境特集:各国で急拡大する太陽光利用、風力発電も存在感増す
[東京 10日 ロイター] 携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」で世界の市場を席けんしたパソコン大手の米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)。今度は、パソコンなどに接続せずに充電できるソーラーパネルを開発、特許を申請し、環境シフトでも業界の先陣を切る。
松坂大輔投手らが在籍する大リーグ「レッドソックス」も、本拠地であるボストンのフェンウェイパークに太陽光を用いた給湯装置を設置した。球場で使っているお湯の燃料となっているガスの3分の1を太陽光に置き換える計画だ。
環境に優しいエネルギーとして大きな可能性を秘めながら、これまで何十年も化石燃料の脇役に甘んじてきた太陽光の利用が大きな広がりを見せている。同様に、風力発電も3年ほど前から着実に実用化が進んでおり、米グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)では、「異星人」ような風力タービンが林立する。原油をはじめとする化石燃料の高騰や地球温暖化への懸念が広がる中で、かつては夢だった新エネルギーの利用が身近な世界に浸透しつつある。
<2010年に太陽電池と半導体設備の投資が並ぶとの試算>
これまで太陽光の利用は、ソーラーパネルの値段や屋根に取り付けるコストがかさみ、石炭など従来のエネルギー源と価格面で競争できなかった。しかし、アナリストや科学者の間では、化石燃料の価格がこのまま上昇すれば、太陽エネルギーは今後2―5年以内に十分なコスト競争力が得られるとの見方が高まってきた。
リーマン・ブラザーズのアナリスト、ビシャル・シャー氏は「今後2―3年以内には、世界の多くの地域で競争力が付くだろう」と指摘する。北米最大の太陽電池メーカー・サンパワーSPWR.Oのトム・ワーナー最高経営責任者(CEO)は、米国や他の地域で太陽光と火力発電のコストが同じになる「グリッド・パリティー」は「約5年以内、早ければ2010年までに実現する」とみる。
米国では、25の州およびワシントンDCで、今後5―15年以内に、風力や太陽光などクリーンなエネルギー源による発電量を全体の最大30%に引き上げることを義務付ける法律が成立した。2003年にそのような規制を定めていたのは、わずか10州だった。すでに米国の太陽光発電市場はドイツ、日本、スペインに次いで世界4位。2007年には発電能力が前年を45%上回る750メガワットに達すると予想されている。これは約55万戸の家庭に電力を供給できる量だ。
太陽光発電市場には、民間企業の参入意欲も高まっている。インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)やIBM(IBM.N: 株価, 企業情報, レポート)が太陽光発電事業に乗り出す方針を明らかにしたほか、ゼネラル・エレクトリック(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)は太陽光エネルギー事業の年間売上高が今後3年程度で10億ドルに達するとの見通しを示した。米ハイテク調査会社のアイサプライは、全世界の太陽電池の生産設備への投資が増加し、投資額は2010年までに半導体製造設備への投資と並ぶと予測している。 続く...












