温暖化対策G8関連フォーラム、オバマ米大統領の主導権の試金石に

2009年 07月 2日 16:39 JST
 

 [ワシントン 2日 ロイター] オバマ米大統領は、今月9日にイタリアのラクイラで開かれる温暖化対策のための主要経済国フォーラム首脳会合(MEF)の議長を務める。

 米国では下院が前週、温暖化ガスの排出削減目標を盛り込んだ温暖化対策法案を可決したばかり。その勢いに乗り温暖化対策を最重要政策課題に掲げるオバマ大統領が、国際舞台で温暖化対策で主導権を握れるか、MEF首脳会合は試金石となる。

 MEFは日米などの主要国(G8)に加え、中国、インド、ブラジル、南アフリカなどの途上国を含む全16カ国と欧州連合(EU)が参加。参加国による温暖化ガス排出量は世界全体の75%に上るため、MEF首脳会合での合意は、12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締約国会合で合意を目指す、「京都議定書」に続く新たな国際的な温暖化ガス削減目標の青写真となる可能性がある。

 MEFはオバマ大統領の主導のもと今年に入り再編成された後、温暖化対策で議論を重ねてきたが、これまで主だった成果は上げていない。

 温暖化対策をめぐっては、途上国は先進国に対し温暖化ガス排出量を2020年までに1990年水準比25─40%削減するよう求めている。一方で先進国は途上国に対し環境に配慮した上で経済成長を追及するよう求めるなど、議論がかみあっていない。イタリアでのMEF会合は、各国首脳がこうした問題について初めて議論を交わす舞台となる。

 ワシントンの米戦略国際問題研究所のシニア・フェロー、ヘザー・コンリー氏は、欧州勢は「この機会を利用し、米国から大幅な温暖化ガス排出量削減の確約を得るために最大限の努力をする」と述べ「欧州各国は、今回の会合が12月のコペンハーゲンでのUNFCCC会合へ向けた大切な一歩となることを良く理解している。そのため、対外的には努力を評価する態度をとり、水面下では圧力をかけるという戦術に出るだろう」と述べた。

 民主党のオバマ大統領はブッシュ前共和党政権から路線を切り替え、「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれる二酸化炭素などの温暖化ガスの排出権取引制度の導入を準備するなど、温暖化ガスの排出削減に努めている。前週に米下院が可決した温暖化対策法案は、大企業は温暖化ガスの排出量を2020年までに2005年水準から17%、2030年までに42%、2050年までに83%削減することを求めており、オバマ政権の環境対策実現に弾みがついた。

 世界自然保護基金(WWF)の気候変動に関する国際交渉担当のディレクター、ケヤ・チャタージー氏は、先進国各国はこれまで、温暖化対策に消極的だったブッシュ前米政権を隠れ蓑にして、排出ガス削減目標の確約を避けてきたと指摘。「昨年まではカナダ、ロシア、日本などの各国は、ブッシュ前米政権の後ろに隠れていられた。しかしもはや隠れ蓑はない」と述べた。

 イタリアのラクイラで開かれる今回のMEF首脳会合で採択される予定の声明文の草稿によると、温暖化ガスの世界全体の排出量を2050年までに半減させる。ただし、基準となる年については明記していない。

 
 
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