特別リポート:中国で膨張する地方債務、経済の「地雷原」に
[成都/武漢/東京 20日 ロイター] 中国における地方債務の拡大が深刻化の一途をたどっている。景気対策の名の下に行われた野放図ともいえる建設ラッシュの結果、地方政府が抱える債務は2010年末で10兆7000億人民元(1兆6700億ドル)に達し、少なくとも3割近くに不良債権化の恐れが出ている。
中国経済の「地雷原」ともいえる借金バブルの膨張。だが、地方当局者の危機意識は薄く、投資収益が細る中で、事態がさらに悪化する懸念が高まっている。
リーマンショックが世界を覆った08年、中国・四川省の省都、成都市で、英ロンドンのウォータールー駅をモデルにした鉄道ハブを建設するという大胆なプロジェクトが動き出した。中央政府は金融危機による国内経済の悪化を懸念、各地方都市に積極的な景気対策の実施を指令していた。その命をうけ、本家のウォータールー駅をはるかにしのぐ成都市の野心的な建設計画には、膨大な資金がつぎ込まれた。
「実際にウォータールー駅を訪れた時には、ずいぶん小さいので驚いた」。成都新駅の建設を手掛けた成都交通投資集団の陳軍(Chen Jun)董事はこう振り返る。「成都の実情に合わせるには数倍大きな駅が必要になるだろうと思った」。
中国におけるインフラプロジェクトの例に漏れず、新駅の規模は計画に比べて2倍以上に膨れ上がり、国有銀行からの融資額は30億人民元に達した。さらに工事スケジュールも、わずか2年後の完成をめざすという異例のスピードだった。
だが、華々しく立ち上げられた新駅計画が国民からの称賛の的にはなっているわけではない。むしろ、他の多くの地方公共プロジェクトと同様、建設バブルの象徴として厳しい視線と批判にもさらされつつある。
<目算なき建設ラッシュ>
リーマンショック後の08年11月9日、中国政府は2年間で4兆人民元におよぶ景気刺激策を実施すると発表。世界経済が急速に悪化した局面でいち早く打ち出した大規模かつタイムリーな経済対策は、その後の中国の2桁成長をけん引したほか、世界経済の立て直しにも貢献した。 続く...











