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増税の前に日本がやるべきこと=リチャード・カッツ氏

2012年 04月 2日 17:31 JST
 
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「最終的に日本は増税しなければならない。だが、それは消費税においてではなく、かつその前にやるべきことがある」と米国でジャパンウォッチャーとして知られるリチャード・カッツ氏(オリエンタル・エコノミスト・アラート代表)は説く。

全3項目の提言は以下の通り。

<国民番号制度の導入、農地優遇税制の廃止>

消費税の増税は時期的に間違っている。日本経済の回復力はいまだ脆弱だ。今、大きな増税をすれば、(3%から5%への消費税率引き上げなどを実施したことで)深刻な不況を招いた1997年と同じ過ちを繰り返すことになるだろう。

野田佳彦首相は、日本が次のギリシャとならないよう早急に増税しなくてはならないと主張しているが、それは間違いだ。危機にひんしている全ての国は、財政赤字だけでなく、慢性的な経常収支の赤字や巨額の累積対外債務を抱えており、資本逃避が起きやすくなっている。経常収支が黒字であるドイツやベルギー、オーストリアなどの欧州諸国は、危機に陥っている国々と同じくらい大きな借金を抱えているが、危機には至っていない。

日本は2011年、主に東日本大震災やタイの洪水の長引く影響で貿易赤字に転落したが、それでも海外に保有する資産から得る収益のおかげで巨額の経常黒字を維持した。日本はおそらく2020年までに慢性的な貿易赤字国になる可能性が高いが、慢性的な経常赤字国になるまでには少なくとも10年の時間的猶予があるだろう。仮に慢性的な経常赤字国になったとしても、資本逃避リスクが高まった際には、海外に積み上げた資産が緩衝材の役割を果たすと考えられる。

もちろん、日本は最終的に増税しなくてはならない。だが、それは消費税においてではない。なぜなら、日本の大きな問題の一つとして、家計所得が伸びず、個人消費が下降している点が挙げられるからだ。

もっと良い方法がある。第一に、他の先進国のように日本も国民番号制度を導入することだ。国民一人ひとりにIDがあれば、所得の過少申告による脱税などを減らすことができる。それだけで消費税率を数%引き上げるのと同等の増収をもたらすとの試算もある。   続く...

 
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リチャード・カッツ氏は、オリエンタル・エコノミスト・レポート&アラート代表(編集長)。ニューヨーク州立大学ストーニブルック校の客員講師(経済学)、ニューヨーク大学スターンビジネススクール助教授、米外交問題協議会特別委員会委員などを歴任し、現職。日本に関する著作が多く、日米関係や日本の金融危機について米国議会で証言も。

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