原発存廃は化石燃料の健康被害踏まえて決断を=ワインスタイン教授

2012年 04月 3日 12:32 JST
 
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破局的な原発事故が起こる確率の低さを受け入れるか、それとも化石燃料利用による健康被害の水準を受け入れるか。原発存廃の判断は、日本人がそのどちらにより安心感を持てるかにかかっているとコロンビア大学のデイビッド・ワインスタイン教授は問題提起する。

提言は以下の通り。

●原子力なしで経済復興は本当に可能か

世界各地で起こった大災害の影響に関する経済学者たちの研究成果は、復興に関して次のことを強く明示している。

それは、人々だけでなく、産業もまた同じ場所に回帰する傾向があるということだ。(被災地における)生産や人口の永続的減少は、たいていの場合、見られない。こうした研究成果は日本にとって明るい見通しを与えるものだろう。

とはいえ、日本には、エネルギー供給不足という喫緊の課題がある。

昨年の夏については、電力利用量を減らしたことで、一般家庭は深刻な電力不足に見舞われずに済んだ。そのため、一部の人々は原子力エネルギーなしでも経済復興は可能だと信じているようだが、電力供給不足が国内生産活動に与える影響の大きさは明白だ。国内生産の完全な回復のためには、エネルギー生産の震災前水準への回復は欠かせない。

むろん、原発存廃の判断は日本が自分たちで下せばよい。そして、その決断は短期的には、破局的な原発事故が起こる確率の低さと、化石燃料利用による死亡率や疾病率など(健康被害の水準)のいずれに対して、日本人がより安心感を持てるかによるだろう。   続く...


 
 
 

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デイビッド・ワインスタイン氏は、コロンビア大学経済学部教授。同大学ビジネススクールの日本経済経営研究所(CJEB)の副所長。

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