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マイナス金利で債券市場不安定化=木内日銀委員
2016年2月25日 / 06:57 / 2年前

マイナス金利で債券市場不安定化=木内日銀委員

[鹿児島市 25日 ロイター] - 日銀の木内登英審議委員は25日、鹿児島市内で会見し、1月の金融政策決定会合で日銀が導入を決めたマイナス金利政策は、すでに低下している金利水準をさらに押し下げる効果が大きくない一方、債券市場の不安定化を招いていると批判した。各種金利の基準となる翌日物金利が不安定化したためだ。

 2月25日、日銀の木内登英審議委員は、鹿児島市内で会見し、1月の金融政策決定会合で日銀が導入を決めたマイナス金利政策は、すでに低下している金利水準をさらに押し下げる効果が大きくない一方、債券市場の不安定化を招いていると批判した。写真は都内の日銀本店前で2014年12月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

木内委員は1月会合でマイナス金利導入に反対した4人の委員の1人。

木内委員は「グローバルに予想物価上昇率が下がっている」ため、マイナス金利導入による「実質金利の低下幅は小さい」との見解を示した。同日意見交換した鹿児島県の経済界の声も「金利低下が企業の設備投資増に結びつきにくい印象」と引き合いに出した。

一方、マイナス金利の副作用を多数列挙。地方の金融機関は東京よりも収益環境が厳しく、「マイナス金利による収益圧迫で、貸し出しが慎重化する可能性がある」ほか、「金融システム対応などいろいろな問題で不確実性が高まった」と指摘した。

特に利回り曲線の起点として、債券市場の金利全体に影響の大きい翌日物短期金利が、金融機関のシステム対応の問題などから、定まりにくくなっていることから「利回り曲線が不安定化している」とし、債券市場全体の変動幅が大きくなったと批判した。

<有事はドルスワップ強化も>

金融市場で大きなショックが生じた場合は、金融機関の外貨調達が課題になるため「ドル確保のため、必要であればドル・スワップの貸し出し期間や頻度の見直しもあり得る」と述べた。

長期的な経済低迷に突入した場合は「金融システムの安定確保と国債の保有残高維持」が重要とし、「副作用が効果を上回る選択肢しか残っていないのならば、何が何でも金融政策で追加的対応が必要ではない」と強調した。

<「日銀の政策は日本のため」、外債購入を否定>

追加緩和の選択枝として取りざたされる米国債の購入には「米国の金利は下がり米経済にはプラスかもしれないが、日本経済にはプラスではない。日銀の金融政策は日本経済・日本国民の利益のためにやるもの」とし拒否した。

為替相場は「安定が重要で今よりさらなる円安が経済にプラスかは不明」と指摘。仮に為替市場が不安定な場合は「政府の判断による為替介入もある」とした。

<さらなるマイナス金利政策の効果に「不確実性」>

日銀が年間80兆円の国債買い入れを続けるには、金融機関から、償還前の国債を買い入れる必要があるが、マイナス金利で「金融機関が日銀に国債を売るインセンティブを低下させた」とし、「国債市場が流動性の低下で不安定化し、株式や為替市場の安定性も損ねる可能性がある」との懸念を示した。

木内氏は、1月会合で、マイナス金利政策を導入するほど経済が危機的状況ではないと判断したが、この政策の効果が出るのは「初回」なので、今後、危機的状況が起きた場合、改めてマイナス金利政策を強化しても、効果については「不確実性が高まった」との見解を示した。

*内容を追加します。

竹本能文

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