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市場の関心は五輪からFOMCに、議長人事含め予断許さず
2013年9月13日 / 07:22 / 4年前

市場の関心は五輪からFOMCに、議長人事含め予断許さず

9月13日、市場の関心は、東京五輪から来週17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に移ってきた。写真は都内で3月撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 13日 ロイター] - 市場の関心は、東京五輪から来週17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に移ってきた。量的緩和第3弾(QE3)縮小の決定はほぼ織り込まれており、資産買い入れ額の縮小幅やフォワードガイダンスの修正が焦点になっている。

総合的にタカ派的な内容でなければ安心感が広がり、リスクオンになるとの見方が多い。ただ、次期議長人事で、量的緩和政策に批判的なサマーズ氏が有力との一部報道も出ており、リスクオフに傾くシナリオも否定できず、FOMC後の市場動向は予断を許さない。

<様子見の機関投資家>

日本株市場は上値追いに欠かせない売買ボリュームが低下している。東証1部売買代金は、東京五輪決定を機に今週前半の9─11日は、連日2兆円を超えたが、前日12日は1兆7449億円に減少。13日は2兆7297億円だが、SQ(特別清算指数)算出に伴う売買が約8400億円あるとみられており、実質的には2兆円割れペースが続いている。

「東京五輪を材料に個人投資家の売買が活発となったが、それも一服。国内外の機関投資家はFOMCを警戒し、ほとんど動いていない。FOMCで不透明感が払しょくできるかが焦点だ」(岡三証券・投資戦略部シニアストラテジストの大場敬史氏)という。

為替市場でもFOMCを前にポジション調整が進んでいる。米国経済の相対的な強さから、FOMC後にドル高基調が再開するとの見方は多いが、米雇用関連指標がやや弱いことから、いったんドルロングを解消する動きが出ているという。ドル/円は99円台で上値が重くなっており、日本株の圧迫要因にもなっている。

野村証券・金融市場調査部チーフFXストラテジストの池田雄之輔氏は、ドル/円相場について「日本側の要因としては、5兆円を超える経済対策や2014年度にも法人税率が引き下げられる予想など、投機筋にとって円安的な材料が出てきている。ただ、ヘッジファンド勢は目下、米金利など米国側の要因を強く意識しており、日本側の要因のみで円安が進む環境ではない」と話す。

<縮小幅とフォワードガイダンス>

決め打ちできる材料がそろっているわけではないが、市場では、17─18日のFOMCでQE3縮小が決定されるとの見方が、ほぼコンセンサスになっている。ロイターが前週の8月雇用統計発表後に実施したエコノミスト調査では、そうした見方が69人中ほぼ4分の3を占めた。

QE3縮小決定を前提として、市場が注目するのは買い入れ額の縮小幅だ。米連邦準備理事会(FRB)はQE3の具体的な実施手段として毎月、450億ドルの国債と400億ドルのモーゲージ担保証券(MBS)の計850億ドルを購入している。これをどこまで減らすかで、FRBの政策スタンスを推し量ろうとしている。

前出のエコノミスト予想における削減幅は100億ドルが多く、現在の市場の予想は100─150億ドルというのが一般的だ。バーナンキ議長は来年半ばまでにQE3を終了する意向を示しており、来年6月までに850億ドルを縮小するとすれば、月100億ドル程度ずつ減らしていくペースになるというのが、予想の背景となっている。

ただ、縮小幅の多寡だけでは市場は動かないとみられている。いわゆるフォワード・ガイダンスを変更してくるかが、もう1つの焦点となっているためだ。

現在、FRBは失業率が少なくとも6.5%に低下するまで事実上のゼロ金利政策を継続するとしているが、これを6%に引き下げるか注目されている。引き下げられれば、QE3縮小が始まったとしても金融緩和環境は長期化するとの期待が広がる。

三菱東京UFJ銀行・金融市場部戦略トレーディンググループ次長の今井健一氏は「縮小幅が100億ドルで失業率目標を6.0%に引き下げなら、ハト派的なトーンが強くなり株買い・債券買いになろう。市場予想通りだとしても、安心感が広がるためリスクオンの展開になりやすい。一方、縮小幅が200億ドル以上でフォワードガイダンスにも変更がなければ、株売り・債券売りだ」との見方を示している。

<FRB議長人事に警戒感>

議長会見を含め、縮小幅とフォワードガイダンスには、いろいろな組み合わせがありうるため政策スタンスの判断は難しくなる可能性もある。さらに次期FRB議長の人事にも大きく影響されるため、不透明感が払しょくされるかは、まさに「不透明」だ。

次期FRB議長にサマーズ元財務長官が指名された場合、米上院で承認を得られないリスクも指摘されており、この面でも不確定要素が増えることになる。バーナンキ議長とイエレン副議長が去ることになれば、ハト派的だったFRBが大転換する可能性も出てくる。

サマーズ氏が指名されれば、米金利上昇要因であり、その点ではドル高・円安の材料だ。しかし、金融引き締め懸念が強まり、リスクオフの株安が進めば、円買いにつながりやすいため、日本株にとってもネガティブ材料になる可能性がある。

市場では「現在の金融緩和策に否定的とみられているサマーズ氏が就任すればフォワードガイダンスさえ反故(ほご)にされかねない」(三菱東京UFJ銀行の今井氏)と警戒感が強まっている。

伊賀 大記 編集:田巻 一彦

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