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アングル:マレーシア、マレー系への配慮で公共サービス縮小は困難
2013年10月16日 / 09:26 / 4年前

アングル:マレーシア、マレー系への配慮で公共サービス縮小は困難

[プトラジャヤ(マレーシア) 16日 ロイター] - 食料品・燃料に対する補助金の削減から新たな売上税まで、マレーシアのナジブ首相は予算案の策定を通じて、国債の格下げを回避するための対応策を打ち出す余地がある。

ただ、マレー系が多数派を占める公務員の反発を買う可能性があるため、財政の足かせになっているとしても公共サービス分野の縮小は実施できない。新興アジア諸国のうち、マレーシアの財政赤字はインドに次ぐ規模だ。

2018年まで次の選挙は行われないが、与党連合「国民戦線」は今後に向けて既に神経を尖らせている。5月に投開票された総選挙ではどうにか勝利をつかんだが、ナジブ氏が任期切れまで首相の座を守れるという保証はない。

ナジブ首相の統一マレー国民組織(UMNO)は今月、党幹部の選挙を実施する。保守系の勢力に対して、よりリベラルな路線のナジブ首相は支持集めに動いている。

マレー系の公務員の1人は「マレー系に手厚く配慮する必要がある」と語った。所属する労組は予算案に2カ月半のボーナスを盛り込むよう求めている。

こうした要求に直面するナジブ首相は、10月25日公表の予算案で別の分野から削減できる項目を見つけ出す可能性が高い。

世論調査機関ムルデカ・センターのイブラヒム・スフィアン所長は「国民戦線の政策がマレー系、もしくは公務員の反発を買うようなものであれば、次回は野党側に2─3%の票が流れ、選挙で敗北することになる」と指摘した。

優遇政策の影響で、公共サービスの分野はマレー系が独占する。賃金への支出は600億リンギ(187億8000万ドル)と、単独の歳出項目として最大で、全体の3分の1に相当する。

数カ月以内に米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小を決めることが見込まれる中、新興市場への投資に対する慎重姿勢が強まっており、財政に対する足かせや経常黒字の縮小といった要因からマレーシアは資本の流出にぜい弱になっている。

ただ、安定維持を狙う政策当局者は、民族構成への配慮を優先させる傾向にある。今回の選挙で国民戦線が辛うじて政権を維持したのも、マレー系の支持があったからだ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミスト、Chua Hak Bin氏は「食品や燃料に対する補助金が最も削減しやすい」と指摘。「公務員関連への支出削減は今のところ論外」と述べた。

代わりに、UMNOへの支持を得るための材料として、公共サービスに対する支出を拡大する可能性もある。

<歳出削減か格下げか>

総選挙の結果を受け、格付け会社フィッチ・レーティングスは7月、財政状況の悪化、経常赤字への転落といった事態になれば、マレーシアの国債格付けを引き下げる可能性があると警告。

Chua氏は、物品サービス税を引き上げれば歳入が増えることになるかもしれないが、政府の効率性が改善せず、官僚主義が広がり続ければ、わずかな増収の効果は薄いと指摘した。

一方、マレーシアの人的資源省の次官は、経済が発展すれば自然と民間に雇用が吸収されるため、公務員の規模は問題ではないとし「状況は自然に改善される。現段階で、政府の社会プログラムを提供するために、これらの公務員は必要だ」と述べた。

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