Reuters logo
焦点:米株ファンドは上昇続きで高リターンに、選別相場の兆しも
2013年11月5日 / 06:52 / 4年前

焦点:米株ファンドは上昇続きで高リターンに、選別相場の兆しも

[ニューヨーク 4日 ロイター] -米ファンド調査会社モーニングスターによると、ことしは米国のアクティブ運用ファンドのうち57%がベンチマークをアウトパフォームしている。このパフォーマンス比率は例年の37%を大きく上回り、2009年以来最高である。

11月4日、米ファンド調査会社モーニングスターによると、ことしは米国のアクティブ運用ファンドのうち57%がベンチマークをアウトパフォームし、2009年以来最高となっている。ウォール街で10月撮影(2013年 ロイター/Carlo Allegri)

株式ファンドが好調なのは、4年以上にわたる足並みをそろえた上昇相場のためだが、主導株と出遅れ株への分裂は始まっている。米企業の四半期決算発表シーズンを迎えたここ数週間は、こうした線引きが一段と鮮明になっている。

第3・四半期の決算が予想を上回った企業は69%近くに上る。これは平均並みの数字だが、今回は市場予想を下回る企業が特定業種に集中せず、どの業種にもやや目立つ業績悪化企業が存在する。

ハイテク企業を見ればそれが分かる。トムソン・ロイターのデータによると、現時点でハイテク企業55社の84%が予想を上回る決算を発表した。それでもIBM(IBM.N)は弱い決算内容を受けて2年ぶりの安値に落ち込み、複数の半導体メーカーが失望的な業績予想を発表した後に売られた。

キャンター・フィッツジェラルドの調査ノートによると、個別株のパフォーマンスが株式指数にどれだけ連動するかを示す指標は、2011年にピークをつけた後に07年以来の水準まで低下している。つまり、大半の銘柄のリターンが株式指数のリターン近辺に集まるのではなく、個別株のパフォーマンスには幅広く格差が見られるのだ。

言い換えると、投資家は勝者か敗者のいずれかを選んでいることになる。S&P500種で2009年3月の安値から170%近く上昇した強気一辺倒の相場には、そろそろ陰りが出始めていることを示唆している。S&P500種は07年の安値以降、33回にわたって高値を更新してきた。今となっては大きく売り込まれて、急反発するチャンスが残された銘柄は数少ない。

ファンドマネージャーたちはセンセーショナルな割安銘柄を探し回るのではなく、持続的な強みがある企業や、相場の下落期にも失われなかった企業価値がまだ表面化していない銘柄に焦点を当て始めている。

リッジワース・ラージキャップ・グロース・ファンドのマネージャー、マイケル・サンソテラ氏は「最終的には回復の勢いが衰えるにつれて選別プロセスが始まる。良好な業務を取り行う企業の方が、多くの注目を集めやすい」語った。

<決算シーズンで明らかになったこと>

企業のパフォーマンスの格差拡大にはいくつかの理由がある。過去3年間、企業は上昇相場の流れから恩恵を受け、業績に魅力のない企業でも株価を引き上げるために自社株の買い戻しや増配を実施できた。米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和策で超低金利が続いたため、企業は低コストで債務の借り換えが可能になり、質の悪い財務状況の企業が良好に見えるという効果もあった。

今回の第3・四半期の決算発表では、どの企業の売上高や利益率の見通しが良いか悪いかという点が明らかになった。選別色の強い投資マネージャーは、良好な見通しの企業を選び、さえない見通しを示した企業に背を向け始めている。

例えば、米ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL.N)は10月24日、コスト高と搭乗率の低下を背景にアナリスト予想を下回る決算を発表し、株価は4%も下落した。JPモルガンとレイモンド・ジェームズ、エバーコア・パートナーズの各アナリストは、同業他社が増収を記録する中で弱めの決算を発表したユナイテッドの業績予想を下方修正している。

デルタ航空(DAL.N)やサウスウエスト航空(LUV.N)は、ビジネスクラス客の増加や競争環境の低下で株価の上昇が続き、デルタは年初から123%高とユナイテッドの45%高を大きく上回っている。

衣料品業界では、「ティンバーランド」や「バンズ」、「ザ・ノース・フェイス」などの自社ブランドの強い需要を受けて決算が予想を上回ったVFコープ(VFC.N)が、10月21日に5%高の最高値をつけた。

VFコープの年初来の上昇率は42%だが、ギャップやラルフ・ローレン、アバクロンビー・アンド・フィッチは売上高が目標に達せず、新学期シーズンに大幅な値引きに頼ったことから市場平均を下回っている。ギャップの株価は年初来19%の上昇にとどまり、アバクロンビーは22%下落した。

<「困難な」銘柄選択>

最も有望な企業がすでに割高で、明らかに割安銘柄が見当たらない中、ファンドマネージャーは「隠れた宝石」を探し出すのがますます難しくなっていることに不平を漏らす。

「相場が上昇し、成長に対して割高な対価を支払うことは避けたいので、選択が難しくなっている」と、T・ロウ・プライス・ブルーチップ・グロース・ファンド(TRBCX.O)のポートフォリオ・スペシャリスト、クレイグ・ワトソン氏は指摘した。

ワトソン氏のファンドは、年初から43%上昇しているアマゾン・ドットコム(AMZN.O)を組み入れた。強固な経営管理体制と利益拡大の可能性が理由という。

ワトソン氏は「われわれのような長期的視点を持つなら、今割高に見える企業も2、3年後にはそうは見えないだろう。その会社がしっかりと経営されているからだ」と話した。

ジョン・フォックス氏が共同運用する9億0200万ドルのFAMバリューファンド(FAMVX.O)は年初から28%上昇し、S&P500種を2ポイント上回った。フォックス氏によると、見返りを求める投資家が株式に向かったことでバリュエーションは低下した。42銘柄を組み入れたファンドがことし新規に追加したポジションはわずか4銘柄だ。「2011年の秋には数週間のうちに12銘柄を購入したのに」と同氏は振り返った。

(David Randall記者)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below