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焦点:中国のゲーム機「解禁」、任天堂やソニーにはジレンマも
2014年1月11日 / 02:42 / 4年前

焦点:中国のゲーム機「解禁」、任天堂やソニーにはジレンマも

1月10日、中国政府が外国製のゲーム機の販売禁止措置を一時解除したが、ソニーや任天堂、米マイクロソフトなどのゲーム機メーカーにとっては「試練」となる可能性も。湖北省武漢で9日撮影(2014年 ロイター/Darley Shen)

[北京/東京/サンフランシスコ 10日 ロイター] -中国政府は先に、外国製のゲーム機の販売禁止措置を一時解除した。ソニー(6758.T)や任天堂(7974.T)、米マイクロソフト(MSFT.O)などのゲーム機メーカーにとっては「商機」に見えるが、実際に待ち構えているのは「試練」かもしれない。

外国製ゲーム機の販売禁止措置は過去14年間にわたって続いていたが、北京市内でゲームショップを営むZhangYang氏は、ソニーの「プレイステーション」、任天堂の「Wii」、マイクロソフトの「Xbox」を5年前から店頭に並べてきた。

こうした販売業者の存在はこれまで、ゲーム機メーカーにとっては目の上のこぶのような存在だった。違法に輸入販売されるこれらのゲーム機は、正規ソフトの数十分の1の値段で売られる海賊版ソフトがプレーできるよう、改造されていることも多かったからだ。

知的所有権保護の環境が整備されていない中国では、海賊版ゲームが広く流通しており、ゲーム機メーカーはソフト販売から本来得られるはずの分厚いロイヤリティー収入を逃すことになる。中国の消費者の多くがパソコンや携帯端末での無料ゲームを好むことも、ゲーム機メーカーにとっては壁だろう。

ゲーム市場コンサルティング会社ニコ・パートナーズのマーネージングディレクター、リサ・ハンソン氏は「ゲーム機メーカーは、海賊版があふれる環境にビジネスモデルを合わせる必要に迫られるだろう」と指摘。「誰がゲームをするのか、彼らが何を求めているのかを理解する必要がある」としている。

<見えない戦略>

中国が外国のゲーム機販売を禁止したのは2000年で、その理由は、青少年の精神に悪影響を与えるからというものだった。同措置によって「プレイステーション」「Wii」「Xbox」を知らずに育った世代が生まれ、それ以外のゲームの人気を後押しする格好となった。

中国のゲーム市場は米国と日本に次ぐ世界第3位で、2013年には売上高が前年比で約40%増加した。ただ、ゲーム専用機の不在により、PCゲームが市場シェアの3分の2を占め、世界的な傾向と同様にモバイルゲームやブラウザーゲームの人気も非常に高い。

海賊版にビジネスを奪われるのを避けるため、ゲームメーカーは中国市場で、ゲーム自体は無料で提供し、ゲーム内でのアイテム取得などに課金する「フリーミアム」と呼ばれるビジネスモデルを採用している。

マッコーリー証券(東京)のシニアアナリスト、デビッド・ギブソン氏は「(フリーミアムは)基本的には中国が支えて作ってきたビジネスモデルで、一般的に海賊版のリスクも断てる」と述べた。

しかし、ゲーム機メーカーは異なるビジネスモデルを展開しており、それゆえに海賊版はより頭の痛い問題となる。ソニー、任天堂、マイクロソフトはいずれも、中国市場で海賊版問題にどう対応していくのか詳細を明らかにしていない。

ソニーの「プレイステーション」は競合機種に比べてセキュリティに優れ、違法ソフト向けの改造は比較的難しいため、同社のビジネスにとって海賊版問題はそれほど脅威ではない。

アナリストらによれば、ゲーム機メーカーはソフトメーカーから平均30%のロイヤリティー収入を得ている。2012年度の任天堂とソニーのゲーム部門では、売上高の約40%をソフト、サービス、ロイヤリティーが占めていた。

マイクロソフトはXbox事業の売上高の内訳を開示していないが、端末販売だけでなく、オンラインサービスのXboxライブからも利益を得ているとしている。

そもそもゲーム機メーカーにとって、端末自体の利益は非常に薄い。ソニーとマイクロソフトは、旧機種の「プレーステーション3」と「Xbox360」を何年間も原価並みの価格で販売していた。

中国ゲーム市場について、任天堂の広報担当者はロイターに対し、現時点で進出する計画はないと述べた。ソニー・コンピュータエンタテインメントの広報担当者も「(中国市場は)有望と認識しており、引き続き可能性を模索する」とコメントするにとどめた。

マイクロソフトも、中国ゲーム機市場に関する具体的な計画には言及していない。ただ、大中華圏部門のラルフ・ホープター最高経営責任者(CEO)は、現地メディア企業BesTVとの提携を強調。ロイターの取材に「BesTVとの提携は、両社が持つエンターテインメントとテクノロジーの強みを結び付け、中国での新たな開発エコシステムを育てる」と語った。マイクロソフトは昨年、BesTVとの提携に2億3700万ドルを投じている。

<違法コピーとの戦い>

中国政府は著作権違反の取り締まりを進めているが、高級ブランド品からソフトウェアまで、偽造品は依然として広く流通している。

違法ソフトの市場規模は、2011年時点で約90億ドルに上った。知的所有権の侵害を監視している業界団体ビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)が2012年5月に発表した報告書によれば、中国ではPCの77%に海賊版ソフトがインストールされていたという。

マイクロソフトは長年にわたって中国でソフトの不正コピーと戦ってきた。中国国営メディアによると、2012年には、複数の大手国有企業で使用されている「ウィンドウズ」の最大9割がライセンスを受けていない非正規品だとし、正式に不服を申し立てている。

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