[東京 15日 ロイター] -株価上昇をもたらしたアベノミクス相場が始まって1年が経過し、外食市場にも大きな変動のうねりが押し寄せている。
「280円」の価格に代表される牛丼では、「低価格」に対する消費者の感応度が下がってきているのに対し、2000円前後のステーキや相対的に価格の高い焼肉などに人気が集まる傾向が鮮明になっている。来年4月の消費増税を前に外食各社は、商品構成や価格設定をより柔軟に変更し、消費者の「プチぜいたく」志向に対応しようとしている。
<円安・光熱費上昇、安値維持に打撃>
「牛めし(牛丼)280円という価格は大変なことだし、儲からない」―――。松屋フーズ(9887.T)の緑川源治社長はため息交じりに語る。原料となるコメや牛肉の仕入れ価格が高止まりするなか「適正価格は330―350円だと思うが、そこまで上げることはできない」と頭を悩ませている。適正価格への引き上げどころか、14年4月の消費増税への対応も慎重に検討している段階だ。
デフレ下で成長し、価格競争を繰り広げてきた牛丼各社。円安や原材料高騰、電気代上昇などのコスト高に見舞われるものの、「ウリ」にしていた低価格を止める決断にはなかなか踏み切れない。
ただ、企業体力を削ってまで提供する「280円」では、消費者は踊らなくなっている。松屋も期初の既存店の入店客数計画は前年比1.0%減だったが、中間決算時には同3.2%減に引き下げた。
2010年3月期に過去最高の売上高・利益を記録した「餃子の王将(王将フードサービス(9936.T))」も苦戦している。既存店売上高は今年6月に5カ月ぶりに前年同水準まで戻したものの、再び4カ月連続のマイナス推移となっており、今年に入って前年比増は2カ月だけという状況だ。
牛丼の「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(7550.T)の小川賢太郎社長は、牛丼チェーン苦戦の理由について「マクロ経済環境も一要因」と話す。アベノミクスで7000円台だった日経平均株価.N225は、2倍の水準に上昇。「プチ資産効果」を享受した個人株主も多く「株式売却益が出て、牛丼を食べに行こうということにはならない」と分析する。
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