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アングル:インタビューの達人L・キング氏が語る人生の教訓
2017年3月20日 / 00:28 / 7ヶ月前

アングル:インタビューの達人L・キング氏が語る人生の教訓

[ニューヨーク 14日 ロイター] - 放送の歴史を完璧に知るには、公文書をあさる必要も、博物館に行く必要もない。ただ、ラリー・キング氏の話を聞けばいい。

 3月14日、放送の歴史を完璧に知るには、公文書をあさる必要も、博物館に行く必要もない。ただ、ラリー・キング氏(写真)の話を聞けばいい。カリフォルニア州で2013年8月撮影(2017年 ロイター/Gus Ruelas)

現在83歳、放送人の象徴ともいえるラリー・キング氏は、1957年5月1日にラジオの仕事を始めて以来、60年にわたりこの道を歩んできた。そのあいだにインタビューした相手は、エレノア・ルーズベルト(本当の話だ)から現大統領まで多岐にわたる(100回以上ではないかとキング氏は言う)。

今もオーラ・テレビで「ラリー・キング・ナウ」という番組を持ち、変わらずに仕事を続けているキング氏は、ロイターの「人生の教訓」シリーズのために、これまで経験した数万人とのインタビューから得られたいくつかの英知を披露してくれた。

──米ニューヨーク市ブルックリンで育ったということだが、あなたに最も大きな影響を与えたのは誰か。

「父からの影響は大きかった。しかし父は私が9歳のときに亡くなった。これは大きな打撃で、とても悲しかった。父が私を捨ててしまったかのように感じた。けれども私はその思いを、何とか前に進むために使った。結局、23歳のときにブルックリンを離れたが、ブルックリンはその後もずっと私の心に残っていた。いつまでも私の一部であり続けるだろう」

──9歳のときに父親を亡くして、その後、ブルックリンでの家計の状況はどうだったのか。

「数年間、『救済』に頼っていた。今で言う『福祉』だ。母は私と弟の面倒を見なければならなかったから、働けなかった。週34ドル(約3900円)の給付金をもらっていた。査察官が家を訪れ、冷蔵庫をのぞいて、母に『どうして肉を買っているのか』などと尋ねていた。

ニューヨーク市は私にメガネまで買ってくれた。学校で黒板が見えなかったからだ。本当に貧しかった。私はいつも友達より小遣いが少なかったし、父親がいないのは友達のなかで私だけだった。こうしたことも前に進む力に変えていった。けれども、自分がどういう境遇だったかを忘れたことはない」

──最初の仕事は何か。

「ブルックリンの86番街の食料品店だ。自転車の前に付いている小さなカゴに食料品を入れて配達していた。その仕事で、初めて20ドル紙幣を目にした。本当だよ」

──ラジオで成功しはじめてから、それで稼いだ富とどう向き合ったか。

「実はしばらくは全然稼げなかった。最初は小さなマイアミのラジオ局で、週50ドルしかもらっていなかった。そこでの最後のころにはうまく行っていた。ラジオとテレビで番組を持ち、新聞のコラムも1本書いていた。しかし本当にしっかり稼げるようになったのは、1985年にテッド・ターナーが私をCNNに雇ってくれてからだ」

──その収入をどのように扱ったのか。

「実は給与明細を一度も見たことがない。すべてボストンにいる資産管理会社に送ってしまう。彼らが、住宅ローンやクレジットカードなど、全部処理してくれる。1978年から世話になっていて、私のことを全部把握してくれている。毎月の報告書は見るが、ビジネスやファイナンスは得意ではない。私はそういう方面では器用ではない」

──何かの慈善活動に時間とお金を投じているか。

「1987年に私は心臓発作に襲われた。(元医務総監の)C・エベレット・クープ氏から、あまり好ましくない容態であると言われ、すぐに数回のバイパス手術を受けた。だから今は心臓病予防のための財団を設立して、1日1人の心臓病患者を救おうとしている。父は46歳のときに心臓発作で亡くなったから、私の方が長生きしている。すべては現代医学のおかげだ」

──戻ってやり直したくなるような、人生における大失敗はあるか。

「もし1日やり直せるならば、17歳の、たばこを吸い始めた日に戻りたい。心臓発作に襲われるまでは1日3箱吸っていた。禁煙できるとは思わなかった」

──何人かお子さんがいるが、彼らに伝えたい人生の教訓は何か。

「自分に正直であれ、ということだけだ。かつてアーサー・ゴッドフリー氏から聞いたことだが、人生の秘けつは、自分自身であれということだ。人々がそれを気に入ってくれるかもしれないし、気に入らないかもしれない。彼らに強制することはできない。自分以外の誰かになろうとするのは無駄なことだ」

──実現したかったインタビューを1つあげていただきたい。

「J・D・サリンジャーだ。どうやら彼は私の番組を見ていて、とても詳しかったようだ。彼の妻は、出演を真剣に考えていたと言っていた。史上最高のインタビューになっただろうに」

*筆者はロイターのコントリビューターで、個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

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