Reuters logo
ブログ:ロンドン・アングラ発の「グライム」、地上を席巻中
2017年7月7日 / 06:09 / 3ヶ月前

ブログ:ロンドン・アングラ発の「グライム」、地上を席巻中

 7月5日、イースト・ロンドン、午前3時。客の熱気に満ちた小さなナイトクラブで、アーティストのスリュー・デム・クルーが、早いビートに乗せて言葉を繰り出していた。写真は2016年9月、ロンドンで携帯をチェックする学生で「グライム」アーティストでもあるMCスクインツ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

[ロンドン 5日 ロイター] - イースト・ロンドン、午前3時。客の熱気に満ちた小さなナイトクラブで、アーティストのスリュー・デム・クルーが、早いビートに乗せて言葉を繰り出していた。人気急上昇中である英国発のこの新しい音楽「グライム」に夢中な客たちは、大盛り上がりだ。

昨年9月、ロンドンのナイトクラブで歌うスリュー・デム・クルーのクレイズ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

昨年9月、ロンドンのナイトクラブで歌うスリュー・デム・クルーのクレイズ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

ラップ音楽などから派生したグライムは、昨年9月に英アーティストのスケプタが英国とアイルランド最高峰の音楽賞「マーキュリー賞」を受賞し、さらに同じくロンドンを拠点とするストームジーが3月にグライムのアルバムとして初めてヒットチャート1位を獲得して、大ブレークしている。

(2017年 ロイター/Paul Hackett)

(2017年 ロイター/Paul Hackett)

グライムが暴力を称賛しているという批判もあるが、ロンドンの小さなナイトクラブやカフェ、独立系ラジオ局では、さまざまな賞の受賞や高まる評価の前に、そうした批判はかき消されつつある。

ラジオ出演を終え、街を歩くスリュー・デム・クルーのメンバー(2017年 ロイター/Paul Hackett)

ラジオ出演を終え、街を歩くスリュー・デム・クルーのメンバー(2017年 ロイター/Paul Hackett)

「批判する人に対しては、まだ十分にグライムを聞いていないからだと反論したい。そういう発言で自分たちをおとしめるのは、今のグライム・シーンにはクリエーティブな人たちがたくさんいることを分かっていないからだ」と、スリュー・デム・クルーのメンバーのレイジ(32)はロイターに語った。

「グライムは、世界中で受け入れられつつある。あらゆる人種やジェンダーの人が、グライム音楽を熱心に聴いたり、買ったり、作ったりしている」

作詞にスマホを使うスリュー・デム・クルーのクレイズ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

作詞にスマホを使うスリュー・デム・クルーのクレイズ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

確かに、グライムのアーティストが題材に取り上げるのは、ドラッグやカネ、リスペクト、グループの縄張り争いなどが多い。1分間に140のビートに乗せて、こうしたリアルなテーマを語りかけていく。

「グライムをやっている人の多くは、厳しい環境で育ち、つらい体験をしてきた。だから本気で書いた歌詞には暴力も含まれることもあるが、表現の一つにすぎない」と、スリュー・デム・クルーのもう1人のメンバー、クリプソンは言った。

 7月5日、イースト・ロンドン、午前3時。客の熱気に満ちた小さなナイトクラブで、アーティストのスリュー・デム・クルーが、早いビートに乗せて言葉を繰り出していた。写真は昨年9月、ロンドンのナイトクラブで歌うスリュー・デム・クルーのクレイズ(2017年 ロイター/Paul Hackett)
ラジオ番組出演中のレイジ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

ラジオ番組出演中のレイジ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

ステージ上のエネルギーには感染力があり、アーティストと聴衆が一体となった盛り上がりには、ライバル意識よりも、仲間としての連帯感がある。

「会場の雰囲気と、皆と一緒にパフォーマンスするのが大好きだ。皆、お互いを盛り上げようとしている。僕にとって、グライムは一体感が魅力だ」と、ザ・コレクティブのメンバーであるタイニーK(21)は言った。

「トラブルを連想する人もいるが、グライムは自分をトラブルから遠ざけてくれた」

ロンドンのコーヒーショップで友人と言葉を交わす、ザ・コレクティブのM3(2017年 ロイター/Paul Hackett)

ロンドンのコーヒーショップで友人と言葉を交わす、ザ・コレクティブのM3(2017年 ロイター/Paul Hackett)

英国レコード産業協会(BPI)は1月、グライムの早いリズムには「売り込む力がある」と評価。グライムは英国総選挙にも登場した。

野党労働党のジェレミー・コービン党首は、6月の総選挙前に、若い有権者に訴えるため、グライム・アーティストのJMEと面会した。

スリュー・デム・クルーのライブで踊る若者(2017年 ロイター/Paul Hackett)

スリュー・デム・クルーのライブで踊る若者(2017年 ロイター/Paul Hackett)

社会がグライムを受け入れようとしているが、アーティストたちは、取り込まれるのを良しとしていない。

「グライムは、アンダーグラウンドのものだ。そこでクリエーティブに、好きなものを好きなように表現するためのものだ」と、MCスクインツ(18)は言った。

MCスクインツ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

MCスクインツ(2017年 ロイター/Paul Hackett)

(写真:Paul Hackett 文責:Patrick Johnston)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below