UPDATE2: 世界経済は下振れリスクやや強まる、日本経済は成長メカニズム維持=福井日銀総裁

2008年 03月 7日 19:08 JST
 
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 [東京 7日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁は7日、政策金利の据え置きを決めた金融政策決定会合後の会見で、足もとの日本経済について、生産・所得・支出の前向きの循環メカニズムは少し弱まっているが基本的には崩れてはいない、との認識をあらためて示した。

 ただ、米国を中心とする世界経済の下振れリスクや国際金融資本市場の不安定性がやや増している、と警戒感も示した。

 先行きについては、世界経済や国際金融資本市場で秩序立った調整が進めば、日本もかつてに比べショックを吸収する力が強くなっているため、次の良い局面につながっていく可能性は十分残っている、と強調した。

 

 <日本経済は足もと減速>

 

 日本経済はサブプライムローン(信用度が低い借り手向け住宅ローン)問題や改正建築基準法による住宅投資の落ち込みなどから、成長シナリオに黄信号がともっている。福井総裁は「足もと住宅投資の落ち込みやエネルギー・原材料価格高の影響などから減速しているのは事実だ」と指摘。その上で「米国を中心とする世界経済のダウンサイドリスクはやや強まっている。国際金融資本市場では2月末あたりを境にやや不安定性が増している」として、先行き慎重な見方を示した。

 

 景気メカニズムの起点となる生産については「昨年後半にやや強めに推移した反動もあり、このところ横ばい圏内の動きとなっている」としながらも、先行きは「当面横ばい圏内で推移するが、在庫と出荷がバランスの取れた状態にあることを考えれば、その後増加していく」との見通しを示した。

 ただ「海外の経済動向に左右される面もかなり大きいと思われるので、その影響については注意深くみていく必要がある」と警戒感も示した。

 こうした状況を背景に、福井総裁は「生産・所得・支出のメカニズムは完全に頑健かといえば、今は少し弱っている局面だと思っているが、基本的には崩れるとは思っていない」との判断を繰り返し、「今後、世界経済や国際金融資本市場が多少時間はかかっても秩序立った調整が進む環境があれば、日本もかつてに比べショックを吸収する力は相対的に強くなっているので、少し時間はかかるかもしれないが、次の良い局面につなげていける可能性は十分残っている」との見方を示した。

 

 <円高は交易条件もみる必要>

 

 為替市場や株式市場は世界的に振れの大きな展開が続いている。これについて、福井総裁は「投資家が従来に比べるとリスクをとる姿勢が消極的になっている。ポジションの形成の仕方をより安全な方へ調整している」と説明。

 円高の影響に関しては「昔に比べると、為替の変動については、単に輸出産業の競争力への影響だけではなく、交易条件の変化にどういう追加的な影響を与えるかということも、同じくらいのウエートをおいて吟味されるようになってきている」として、円高は単純にマイナスとはならないとの見方を示した。

 

 一方、原材料価格の高騰の影響については「油、1次産品を産出しない日本のような先進国にとっては、交易条件の悪化という形で、企業収益は非常に高い水準にあるが、さらなる収益の増加に対して若干かげりをもたらしている」と指摘した。

 

 <何が何でも上げるという台詞はない>

 

 19日で任期を迎える福井総裁は今回が最後の決定会合となる。市場では金利正常化道半ばでの退任との声も出ているが、福井総裁は「スチールカメラで撮影すれば(今の金利は)低過ぎるかもしれないが、なおこの金利水準を今は据え置くことが、将来に経済をどう持っていくかという観点から言えば、最適であると判断を下している」と強調。「常にスチールカメラを無視するわけでは決してないが、スチールカメラで撮った映像が金利が低すぎるから何が何でも上げねばならぬという台詞(セリフ)はない」と述べ、あくまで経済・物価情勢をみながら判断している、との姿勢を示した。

 

 *このほかの詳細は一問一答[nTK0098490]をご覧ください。

 

 (ロイター日本語ニュース 志田義寧記者)

 
 

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