〔金利ウォッチャー〕注目される白川総裁の政策スタンス、長期金利は当面こう着か

2008年 04月 10日 18:45 JST
 
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 4月に入り実施された10年・5年と続いた主要年限での国債入札がいずれも低調な結果となり、円債市場における投資家の慎重な姿勢が確認された。内外の景気先行きに不透明感が増す中、政府が9日に任命した白川方明日銀総裁の政策姿勢を見極めたいとの思惑も浮上。30日に公表される展望リポートまで10年最長期国債利回り(長期金利)は1.3─1.4%を中心にしたレンジでこう着感を強めるとの見方が出ている。

 <5年債入札が過去最大のテール幅、リスク許容度低下で応札慎重>

 10日に行われた5年利付国債入札(表面利率0.8%、第70回債と銘柄統合)の結果は、最低落札価格が99円81銭(最高落札利回り0.840%)、平均落札価格が99円93銭(平均落札利回り0.814%)となった。5年債は今年度から発行額が1兆9000億円と前回から1000億円減額されたにもかかわらず、最低落札価格と平均落札価格の開き(テール)は12銭と2000年2月の発行開始以来、最大となった。応札倍率は2.34倍と前月債(2.53倍)を下回り、2006年8月債以来の低さ。4月1日の10年債に続いて、主要年限の国債入札が低調な結果となったことで「入札に対するプレミアムが発生。低い利回りでの応札に慎重になっているのではないか」(みずほインベスターズ証券・マーケットアナリストの井上明彦氏)との指摘が出ている。

 円債市場は3月にかけて、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に絡んだ損失拡大をきっかけにした欧米金融機関の信用不安が強まり、相対的に安全な資産とされる国債を選好する動きが活発化。特に流動性が高い国債先物には投機筋の買いが入った。

 しかし、4月に入ると、期初の利益確定売りが出て国債先物が急落した。期初の売り一巡とともに、相場はいくらか落ち着きを取り戻しているとはいえ「投機的な動きが強い国債先物と現物の相関が弱まっているため、入札に備えて国債先物でヘッジ(損失回避)をしにくい状況になっている」(みずほインベの井上氏)という。

 5年利付国債入札の大口落札先は、JPモルガン証券1984億円、みずほ証券1875億円、野村証券1871億円、三菱UFJ証券1711億円、モルガン・スタンレー証券1462億円、リーマン・ブラザーズ証券1359億円、日興シティグループ証券1074億円などで、上位はいずれも平均的に落札。「しばらく、入札でテールが流れやすい状況が続くのではないか」(国内証券)との声もある。

 <日銀は景気判断を下方修正、一部に利下げの思惑>

 5年債入札では、平準的に買いを入れる年金勢や銀行勢など一部国内勢の買い需要が見られたが「0.8%台で買いが入っても、0.8%を割って買っていくムードは見られなかった」(国内証券)といい、慎重な投資家の姿勢を確認された。

 市場が警戒しているのは、政府が9日に任命した白川方明日銀総裁の政策姿勢だ。ユーロ円金利先物市場では、中心限月08年6月限が99.255と中心限月ベースで07年12月以来の水準に下落。「今週になり、白川総裁なら利下げが遠退くとの思惑から海外勢が売っている」(国内金融機関)との声も聞かれている。イールドカーブは過度に織り込んでいた利下げ期待のはく落で「短いゾーンを中心に金利上昇圧力がかかり、フラットニングしやすい」(国内金融機関)との声が出ている。

 ロイターが9日に実施した緊急アンケート調査によると、日銀金融政策の一手が利上げとする回答が44人中31人、割合で70%を占めた。「3月まで利下げ期待を手掛かりに債券買いが進んでいたことを考えると、利上げとする回答が7割という割合は高すぎる印象だ」(国内金融機関)という。

 もっとも日銀は9日に公表した金融経済月報で景気判断を下方修正。先行きについて「当面減速が続くものの、その後緩やかな成長経路をたどる」として、これまでの「当面減速するものの、その後の緩やかな拡大を続けるとみられる」との判断から修正した。市場では「金融緩和・枠組みの変更の可能性も十分ありえる。決算期と重なる4月30日の展望リポート公表をきっかけとした金利低下があるのではないか」(モルガン・スタンレー証券・債券ストラテジストの伊藤篤氏)との見方が出ている。日銀金融政策に対する思惑が交錯するなか「展望リポートまでは、1.3─1.4%を中心にしたレンジ相場が続く可能性が高い」(国内証券)としてレンジ相場が継続しそうだ。

 (東京 10日 ロイター)

 (ロイター日本語ニュース 星 裕康記者;編集 田巻 一彦)

 
 

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減税などの対策で国の借金が増えるようであれば逆効果。「安心実現」とは言いがたい。
不十分。政府にはもっと予算をつぎ込んで追加的景気対策を講じて欲しい。