〔クロスマーケットアイ〕調整色強まる株式市場、サミットめぐる不安が追い討ち
<東京市場 6日>
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日経平均 |国債先物9月限 | 国債301回債 |ドル/円(13:10) |
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9661.27円 | 138.54円 | 1.310% | 95.51/54円 |
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-154.80円 | +0.10円 | -0.010% | 96.06/07円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替はLDN終盤。
[東京 6日 ロイター] 6日の東京市場は株安、円高、債券高と、予想以上の悪化
となった米雇用統計の影響を引きずっている。加えて、主要国首脳会議(ラクイラ・サミ
ット)を前にして緊急避難的な財政・金融政策の解除やドル基軸通貨体制に関する発言も
警戒されており、売買は手控えムードが強い。株式市場では海外勢の売りが意識されてお
り、次第に調整色が深まりつつある。
<海外勢、資源株・海運株に売り>
株式市場では日経平均.N225が続落。前週末3日の米市場が休場で手がかりに乏しい
なか、現物の小口売りや先物売りに押された。海外勢から資源株や海運株などにバスケッ
ト売りが出たと観測されている。「休場明けの米市場の動向や今週から始まる米企業決算
を確かめたいとして基本的には様子見ムードだが、買いの手がほぼ引いており、一部の海
外勢などの売りに押されている」(準大手証券エクイティ部)という。
買いの手を引かせている背景のひとつは8─10日に開催されるラクイラ・サミットで
景気刺激策の出口戦略の時期や世界の準備通貨に関する議論が出るかもしれないと警戒さ
れていることだ。「米金利上昇につながりかねない出口論は、これまでの景気回復ムード
に水を差しかねないだけに市場は過敏な状態だ」(証券ジャパン調査情報部副部長の大谷
正之氏)という。
準備通貨に関する議論についても「サミットでは、SDR債の発行によるドル基軸体制
の見直し論が浮上する可能性もある。中国がイタリアに対してそうした主張を展開してい
るようであり、こうした話題はドル安につながるだろう」(国内ファンドマネジャー)と
みられている。
世界的な金融危機に議題を絞った20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)
の4月と9月の会議に挟まれたラクイラ・サミットでは、大きな動きはないとの見方もあ
るが、市場は要人の一言一句に神経を尖らせている。
ただ実際の景気は依然厳しく、実際の「出口」には距離があるとの指摘もある。立花証
券・執行役員の平野憲一氏は「週末にバイデン米副大統領が、6月の失業率が1983年
8月の水準に並ぶ9.5%に上昇したことについて、『誤算だった』と発言したと一部で
報じられた。景気対策の効果の目算が外れた形で、高速鉄道などのプロジェクトが9月以
降始まるとはいえ、それまでに米国景気の回復期待感がもつかどうかはわからない。7月
は日米ともに決算シーズンということもあり、株価は世界的に調整・様子見の色合いが強
まっている」と述べている。
<当局者発言に振らされる>
為替市場ではドル/円、クロス円がともに小幅下落。日経平均などのアジア株、米株先
物の下げがリスク回避の円買いを誘発した。クロス円では、ユーロ建て債が近くまとまっ
て償還を迎えるため円買いにつながりやすいとの思惑も広がった。ドルは早朝の高値から
70銭近く安い95円半ばまで、ユーロ/円も50銭超下落し133円半ばまで下落した。
市場では当面、株価や経済指標などに一喜一憂する展開が続きそうだとする声が多い。
最近の取引では、株価の上昇や予想を上回る経済指標は投資家の投資センチメントを向上
させるとして低金利のドルや円が売られる一方で高金利通貨などが上昇、反対に株価が下
落したり指標が足元景気の苦戦を示せば、リスク回避姿勢が強まるとしてその逆に値が振
れている。株価の上昇などを通じてある程度の景気回復を織り込んだものの、現在は今後
の方向性をめぐって「ファンダメンタルズなども含めて見極めの段階。まだ答えが出てい
ないからこそ、値動きはレンジになる」(都銀)という。
また、為替市場でもラクイラ・サミットを控えて、ドルをめぐる発言に神経質になって
いる。早朝の取引では、中国の何亜非外務次官が「米ドルは依然として最も重要かつ主要
な準備通貨。この状況は今後長年にわたって続くと信じている」と発言したことがドル買
い手掛かりとして話題となった。
このほか、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は5日、「米国が強いドルが国益に
かなうと表明していることは極めて重要だ」とあらためて表明。ロシアのメドベージェフ
大統領も5日、イタリアメディアとのインタビューで、「ドル体制、もしくはドルとユー
ロに基づくシステムには欠点がある。ただ、ドルやユーロに代わるものは現時点ではない
ということを、理解している」と発言している。
ただ市場では「ドルの急落が困るのは中国などの新興国も同じ。発言を受けて多少ドル
安に振れることはあっても、準備通貨をめぐる議論がドラスティックなトレンド(として
のドル売り)になるとは思えない」(別の都銀)とする声が上がっている。
<円債には潜在的な買い需要>
円債市場は底堅く推移した。株安だけではなく、日銀短観を受けて景気の弱さを再確認
したことや10年債入札を無難にこなし需給不安が後退したことで、地合いは良好だ。余
剰資金を抱えている投資家が多く、潜在的な買い需要は根強い。10年債長期国債利回り
(長期金利)は前週末比1.5ベーシスポイント低い1.305%まで低下し、約3カ月
ぶりの低水準をつけた。
足元の動きについて、みずほインベスターズ証券・チーフマーケットアナリストの井上
明彦氏は「地合い優先となり一本調子に金利低下が進んだ後だけに、高値警戒感も強く、
スピード調整の動きがいつ出てきても不思議のない状況にある。織り込み済みながらも、
あらためて国債増発の記事をみると、上値追いには慎重になるとみられる」といい、長期
金利1.3%での利食い・戻り売りが上値を抑える、とみている。
もっとも、先行きに関しては金利を低下方向と見込む声は多い。ある外資系証券の債券
トレーダーは「長期金利は1.4%をあっさりと抜け、いいペースで1.3%前半まで低
下してきた。さすがに(1.3%という)大台を前にいったんは抵抗感も出てくるが、足
元、債券市場を取り巻く材料はほぼプラス要因のみといっていい」と話しており、需要中
心で長期金利の一段の低下を予測している。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集 宮崎亜巳 )
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