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焦点:米株大幅安で調整入り不安も、トランプ政策の綻び表面化
2017年3月22日 / 01:11 / 6ヶ月前

焦点:米株大幅安で調整入り不安も、トランプ政策の綻び表面化

 3月21日、米国株が、昨年の米大統領選以来で最大の下げ幅を記録した。NY証券取引所で撮影(2017年 ロイター/Lucas Jackson)

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国株が21日、昨年の米大統領選以来で最大の下げ幅を記録した。トランプ大統領の政策遂行能力に対する投資家の不安が表面化し、市場は調整局面に入りやすくなっている。

経済成長を重視するトランプ氏の政策への期待から、S&P総合500種.SPXは11月8日の大統領選以来10%近く上昇していたが、21日は10月11日以来で初めて1%以上も下げた。

株価は過去10年間で最も割高な水準に達しているため、投資家はたとえ明確なきっかけがなくても調整局面は訪れると予想していた。

トランプ大統領は医療保険制度改革(オバマケア)の改廃を最初の手柄にしたい意向で、21日には法案が通過しなければ「政治的な問題」が起こると述べて共和党議員らに支持を訴えた。これに反応して米国株とドルは下落し、米国債と金の価格は上昇した。

チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「トランプ氏の政策課題が平手打ちを見舞われたような感じだ」と言う。

23日にも予定されるオバマケア改廃法案の採決について、投資家は減税や規制緩和、インフラ投資など、成長促進策の審議の行方を占う試金石と位置付けている。

この法案の行方が不透明なことが、一連の政策の見通しにも暗雲を広げているとタズ氏は指摘した。

不安に追い打ちをかけるように、米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は、昨年の大統領選を巡りトランプ陣営とロシアが共謀していなかったか捜査していることを確認した。捜査には数カ月を要するという。

リバティビュー・キャピタル・マネジメントのリック・メクラー社長はコミー長官の発言について「政界で多くの抗争が延々と繰り広げられ、企業が喜ぶ政策の可決が遅れる可能性を示している」と述べた。

S&P500種は3月1日の過去最高値から約2%下落しており、メクラー氏は今後数日中にさらに1.5─2%下げた場合には調整局面入りするとみている。

S&P500種の予想株価収益率(PER)は大統領選当日の16.6倍から18倍に上昇し、2004年以来で最も割高になった。配当利回りは2%強で、10年物米国債利回りに比べて見劣りする。

<おじけづく投資家>

21日の米株下落に先立ち、他の市場は既にトランプ政権の政策実行の遅れを織り込む展開となっていた。

1月に過去最安値に沈んだメキシコペソは先週、米大統領選以来の最高値を付けた。

円は6営業日連続でドルに対して上昇。米ジャンク債(高利回り債)の投資家も今月に入っておじけづき、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの米高利回り債指数と米10年物国債利回りのスプレッドは3月1日に底を打って以来、約40ベーシスポイント(bp)拡大している。

米10年物国債利回りは21日に2.43%を割り込み、約3週間ぶりの低水準となった。年内は財政刺激策が見込めないとの見方から、トレーダーが米経済に対する楽観論を後退させていることが一因だ。

ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「共和党は医療制度改革よりも税制改革を優先させるべきだった。彼らは物事を実行に移せる党というよりも、有象無象の寄せ集めと化している」と語った。

(Rodrigo Campos記者)

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