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新防衛大綱、中国にらみ機動力強化 輸出三原則見直しへ

2013年 12月 17日 11:01 JST
 
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[東京 17日 ロイター] - 政府は17日、「防衛計画の大綱(防衛大綱)」など中長期の安全保障の基本方針を閣議決定した。中国の海洋進出をにらみ、陸海空の自衛隊の一体運用と機動力強化を一段と鮮明にするとともに、その裏付けとして今後5年間の防衛費を増額。離島の防衛を念頭に、新型輸送機や無人偵察機、水陸両用車などを調達する計画を打ち出した。

さらに武器輸出三原則を見直す方針も盛り込んだ。一部の例外を除いて禁じてきた防衛装備品の輸出や他国との共同開発に道を開くことになる。

<過去5年から2.6%増額>

この日閣議決定したのは、外交と防衛の指針を初めて包括的にまとめた「国家安全保障戦略」と、およそ10年後の防衛力の姿を示す「防衛大綱」、今後5年間の自衛隊の装備目標を定めた「中期防衛力整備計画(中期防)」。

このうち具体的な装備計画である中期防で、今後5年間にかかる費用を約24兆6700億円と設定し、民主党政権が2010年にまとめた5年間の費用から約1兆2000億円積み増した。

ただ、調達改革などで7000億円ほど圧縮する方針で、実際の予算額は23兆9700億円程度に収める。今年度分を含む過去5年間の支出からは2.6%の増額となる。

国家安全保障戦略、防衛大綱とも、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる中国の動きや、北朝鮮のミサイル開発をにらみ、陸海空の自衛隊一体運用や機動力、警戒監視能力の強化を打ち出しているが、根底にある考え方は2010年に民主党がまとめた前大綱と大きく変わらない。

しかし、今回の中期防で防衛費を増額し、実質的にオスプレイを指すティルト・ローター機や、無人偵察機など最新装備の調達、水陸機動団の新設計画を示すことで、防衛力強化の姿勢を裏付ける。

一方、ストックホルム国際平和研究所によると、中国の国防費は過去20年で6倍に増大。現在は日本の3倍近い年間予算を計上している。日本は自前の防衛力を強化すると同時に、米国を中心に韓国やオーストラリア、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インドなどとの関係も強化していく。

<敵基地攻撃能力を検討>

閣議決定したいずれの文書も、武器輸出三原則の見直しに言及した。輸出や技術を移転する場合の審査や、目的外の使用、第三国への移転などについて、新たなルール作りを進める。

武器輸出三原則は、1967年に当時の佐藤栄作内閣が1)共産国、2)国連安保理決議で武器輸出が禁止されている国、3)紛争当事国やその恐れのある国──に輸出を禁じたのが始まり。

79年に三木武夫内閣がすべての国への禁輸を決めた。しかし、兵器の共同開発が世界的に主流になりつつあることなどから、日本政府は官房長官談話として個別に例外を認めてきた。

自衛隊の装備品受注額で上位に位置する日本企業は、三菱重工業 や川崎重工業 などの大手。こうした大企業には財務体力があるが、その下に連なる中小の下請けは専業者が少なくない。防衛費削減で生産設備の稼働率が低下しており、市場を海外に広げることで「防衛生産・技術基盤の維持・強化を早急に図る」(防衛大綱)という狙いがある。

このほか、北朝鮮の弾道ミサイルに対しては、ミサイル防衛システムを強化していく。発射基地を攻撃する能力について「対応能力のあり方についても検討の上、必要な措置を講ずる」(防衛大綱、中期防)と明記した。

  国家安全保障戦略には、安保政策を支える社会的な基盤として「わが国と郷土を愛する心を養う」との記述も盛り込んだ。 (久保信博 編集:田巻一彦)

 
 
 

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