長期金利0.950%中心、30年債入札一部に不安な見方も=来週の円債市場
[東京 13日 ロイター] 来週の円債市場では、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りは、0.950%を中心としたレンジ相場を形成する見込み。相次ぐ欧州の国債入札結果が注目されるが、基本的な流れとして欧州債務問題は収束に向かい始めているとの見方が増えている。欧州不安による株安から質への逃避が進んできた円債市場は新たなステージを迎え、今度は欧州債務問題が収束に向かうことで、日本の財政事情を前面に押し出されることが和らぎ、買いやすくなるとみられている。17日に財務省が実施する30年利付国債の入札は波乱はないが、入札の好不調を示すテールがやや広がるとの見方が一部に出ている。
国債先物3月限の予想レンジは142.50円─142.85円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは0.970%─0.930%。
欧州で相次ぐ国債入札に一喜一憂する場面もありそうだが、基本的に欧州債務問題は収束の方向になるとみられている。欧州中央銀行(ECB)が昨年12月に初の3年物流動性供給オペを実施して以来、欧州の国債入札は全般にわたって順調に消化されており、「2月末にも3年物流動性供給オペの実施が予定されているので、安心感が出てきている。欧州債務問題がひとまず落ち着けば、欧州の長期金利は低下方向となり、米国、日本の債券にも同様な流れが発生しやすい」(みずほインベスターズ証券・落合昂二チーフマーケットエコノミスト)との見方が出ていた。イタリア国債の好転が明確になると、これまでフランス国債やドイツ国債にまで悪影響が飛び火しかねない状況にあったが、「その可能性が薄まることで、日本の財政事情を前面に押し出されることが和らぐことが想定できる」(国内証券)との声が聞かれた。
ボラティリティの低い状態が続く見込みで、イールドカーブが順イールドのときに見られる時間の経過による金利低下効果(ロールダウン効果)によるキャリー・ロールダウン収益に着目した買いの動きが長期セクターに向かいやすい地合いに変化はないとみられている。
もっとも、流動性を高めることで欧州債券市場が落ち着くというロジックは「同時に株高も生む可能性が高く、金利の一方的な低下は考えにくい」(同国内証券)との指摘が出ていた。
財務省は17日に30年利付国債(7000億円、2041年9月20日償還)の入札を予定している。9月債(35回債)のリオープン発行で、クーポンは2.0%になる。市場では「日本の経常収支が赤字になる不安や、政治の混乱から債務問題がなかなか解決しないという懸念が残る限り、超長期ゾーンは重たくなる可能性がある。入札そのものに大きな波乱はないが、入札の好不調を示すテールはやや広がることも考えられる」(外資系証券)との見方があった。また、財務省は19日にも5年利付国債(2兆5000億円、2016年12月20日償還)の入札を予定している。12日に入札を実施した10年利付国債が好調な結果となったため、5年債入札を不安視する声は少ない。市場では「3月決算期末をにらんだ国内金融機関を中心とした円債の残高積み増し需要を背景に順調な入札結果を予想している」(同外資系証券)との声が聞かれた。
(ロイターニュース 伊藤 武文)
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