レバレッジドローン関連損失、米銀・米経済を一段と圧迫する可能性
[ニューヨーク 11日 ロイター] レバレッジドローン(低格付けの借り手を対象としたローン)に絡んだ損失によって再び米銀の評価損計上が相次ぎ、結果として銀行貸し出しが縮小、米経済成長を圧迫するリスクが浮上している。
米銀は既にリスクの高い住宅ローン関連証券へのエクスポージャーによって打撃を受けているが、ローンの価値の急落による新たな損失に直面している。
ローンの価値は先週、厳しい低下圧力にさらされ、11日にも一段と低下した。ロイター・ローン・プライシング・コープによると、流動性の最も高いレバレッジドローン100件を指数化したSMi100指数は11日に87.93となり、1週間前の91.13から下落、2003年の指数導入以来の最低水準を付けた。
こうしたローンでの損失が既に与信基準を厳格化している銀行にさらなる圧力をかける可能性がある。米連邦準備理事会(FRB)が先週発表した調査では、米銀が企業・消費者双方に対する貸出基準を厳しくしていることが示された。
バンク・オブ・アメリカは先週8日、リポートで、レバレッジドバイアウト(LBO)向けのローンおよび債券の価値急落によってローンを抱えている米大手投資銀行7行が最大150億ドルの追加評価損を計上する可能性があるとの見方を示した。
銀行の貸し渋り傾向が強まれば、銀行融資への依存をますます高めている住宅建設会社のような企業がさらなる窮地に追い込まれる恐れがある。
ギミー・クレジットのアナリスト、ビッキー・ブライアン氏はリポートで11日、大半の住宅建設会社は銀行との融資契約の修正を迫られ、融資枠の圧縮や一段の制限に直面していると指摘。「信用リスクは驚くべき率で上昇している」と述べ、住宅市場が好転しない限り、住宅建設会社の財務状況は2008年に悪化する一方だろうと予想した。
他方、住宅価格下落と株式市場急落の直撃を受けている消費者も、融資を制限される可能性がある。個人消費の減速は次に小売りセクターへの逆風となり、結果として米経済をリセッション(景気後退)に追い込みかねない。
<銀行による一段の評価損計上>
10日付のゴールドマン・サックスのリポートによると、昨年11月以来、引き受け手のないレバレッジドローンについてはほとんど進展がなく、約1480億ドルが売却待ちの状態で、そのほとんどを大手の銀行や証券会社が抱えている。
バンク・オブ・アメリカの分析では、第1・四半期にレバレッジドローン関連で最も多額の評価損を被る可能性が高いのはシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)とゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)という。
シティとゴールドマンがレバレッジドローンのエクスポージャーをヘッジしておらず、第4・四半期末時点のエクスポージャーに対して10%の損失を計上すると仮定すれば、評価損はそれぞれ43億ドル、36億ドル程度になる可能性があるとバンク・オブ・アメリカでは試算している。
ローン担保証券(CLO)などの仕組み金融商品で清算を必要とするトリガーが発動され、ローンの価値が急落すれば、銀行の損失は一段と拡大する恐れがある。
マークイットによると、米レバレッジドローン・デリバティブ指数(LCDX)は11日に1ドルにつき90.95セントに下落しした。同指数が導入された昨年10月の水準は同99.74セントだった。
クレジットサイツのアナリストはリポートで11日、「CLOがトリガー水準を割り込み、既に軟弱な市場での売りを余儀なくさせたことによってローンの価格低落傾向が加速している」と指摘した。
他の仕組み金融商品も売りが優勢となっているため、銀行の評価損計上はレバレッジドローンにとどまらない可能性がある。
クレジットデリバティブの指標となる指数は先週末から11日にかけ、資産担保証券(ABS)などの仕組み金融商品も、清算を強いられるトリガー水準に達するのではないかとの懸念が強まり、厳しい下げ圧力に見舞われた。
アナリストはさらに、格付け会社によって最上級のトリプルA格付けを見直されているMBIA(MBI.N: 株価, 企業情報, レポート)やアムバック・フィナンシャル・グループ(ABK.N: 株価, 企業情報, レポート)などの金融保証会社(モノライン)が格下げされれば、こうした金融保証会社によって保証を受けている証券類の償却による新たな損失計上が相次ぐのではないかと懸念している。
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