〔情報BOX〕日銀政策委員の景気や金融政策に関する最近の発言
[東京 4日 ロイター] 日銀が全員一致で現行の金融政策維持を決めた2月14・15日の金融政策決定会合以降の、日銀政策委員の景気および金融政策に関する主な発言は以下の通り。3月6・7日の決定会合でも、米サブプライムローン(信用度が低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した景気悪化の行方を見極めるため、政策金利は現状維持となる見通し。
◎福井総裁(2月15日):(定例会見で)「中小企業にプロフィット・スクイーズ(利潤圧縮)が起きていることに注目している。そこからさらに家計部門へ還元する過程において、中小企業の方が大企業に比べて鈍いということも認識している。これらが消費者マインドにかげりをもたらす1つの要因となっているとすれば、生産・所得・支出の循環メカニズムにおける最終段階、つまり支出の段階にも影響が及んでいるとみられる。従って、生産・所得・支出の好循環メカニズムは基本的に維持されているが、足許ではそのメカニズムが若干弱まっていると認識しており、今後ショックをうまく吸収しながら再びリズム感をもう少し良くしていく方向に、うまく運営していかなくてはならないと認識してる」
「米国における経済・金融の調整がわが国経済に全く無縁で済むかというと、そうではなく、株式市場などは非常に大きなマグニチュードで影響を受けていますし、それ以外の面でも当初の予想を上回る影響が出てきていることは否めない。従って米国におけるダウンサイドリスクが顕現化すればするほど、他国への影響の心配が高まっていくと考えておいた方がいいと思う。デカップリングを当然の前提とするのは少し甘い考え方ではないかと思う」
「CPIの前年比がゼロ近傍にあった時点から0.8%まで上がってきたわずかここ数か月の間に、実質的な緩和度合いが、今ご指摘の計算方法ほどに急速に増しているとは言えないのではないか。いずれにせよかなり緩和された状態が続いているということだけは明確に言える」
◎福井総裁(2月20日):(衆院財務金融委員会で)「(日本経済は)世界の経済・金融の調整から無縁ではなく、日々かなりのショックが及んできていると感じている。幸い生産・所得・支出の前向き循環メカニズムを何とか維持している。これを壊さないよう次の局面にもっていかなければならない」
「金融政策としては適切な金利水準を設定するだけでは不十分で、金融市場が不安定な状況にあるため、金融市場の要であるマネーマーケットに必要な流動性をきちんと供給する」
◎福井総裁(2月22日):(都内の講演で)
「世界経済は、全体として拡大を続けていますが、国際金融市場の変動や米国経済の下振れの程度によっては、新興国など他の地域の経済も影響を受ける可能性があり、注意が必要」
「米国はかなり思い切った金利引き下げをやっているが、あれとまったく同じタイミングで同じ幅の金融政策をやることが世界経済にとって最適だとは考えられない」
「シナリオを狂わせるリスクが高まり、そのリスクが顕現化する度合いが感じられるようになった場合にはやはり必要な政策を早めに打って、将来のダメージを小さくしながら、極力芳醇的なシナリオを保全していく政策が採られていく」
◎水野審議委員(2月28日):(大分県金融経済懇談会で)
「わが国経済は、現在、内憂外患に直面しているため踊り場的な状況にあり、幾分長引く可能性もある」「下振れリスクに鑑みれば、わが国経済は07年度、08年度と2年にわたって潜在成長率を下回る可能性を否定できない」「今後点検していくべきポイントとして、(イ)各種制度変更や原材料価格の上昇が企業部門、とりわけ収益、設備投資動向にどのような影響を与えるか、(ロ)今年前半の米国の実質GDP成長率が限りなくゼロ近傍で推移する可能性も指摘されるなかにあって、生産が当面横ばいで推移した場合、輸出を起点とする前向きの循環メカニズムに変調が起きないか、を意識している」
「金融環境は十分緩和的。過去10年以上にわたり、超低金利政策を続けてきたこともあり、わが国経済は金利感応度が低い経済体質になっており、利下げをしても追加的な景気下支え効果は不確実。現在のような緩和的な金融環境が続く中にあって仮に利下げを議論するならば、その副作用についても十分検討する必要がある」
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