7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)共同声明の要旨
[ワシントン 11日 ロイター] ワシントンで11日に行われた7カ国財務相・中
央銀行総裁会議(G7)の共同声明の要旨は以下の通り。
世界経済や国際金融システムに対する課題が継続する渦中において、われわれは本日、
会合を持った。
世界経済は、引き続き困難な時期に直面している。われわれの経済が長期的に回復力を
有していることを確信しているが、短期的な世界経済見通しは悪化した。われわれの経済
の状況は各々異なるが、現下の米国住宅市場の低迷、国際金融市場の緊張状態、原油およ
び一次産品価格高騰の国際的影響、そしてその結果としてのインフレ圧力によって、景気
見通しに対する下方リスクが残存している。新興市場国の経済成長が明るい点ではあるが、
これらの国々も同様に世界的な圧力からの影響は免れ得ない。
国際金融市場の混乱はいまだにチャレンジングであり、われわれが想定したよりも長引
いている。経済見通しが悪化する中で、金融市場はリスクの再評価や大きなレバレッジの
解消、カウンターパーティーリスクの管理、バランスシート調整、資本増強、そして主要
市場の流動性や機能の改善といった相互に関連する問題に直面している。われわれは仕組
み商品へのエクスポージャーや関連リスクの開示を改善し、資本を大幅に増強しようとす
る多くの金融機関の努力を歓迎する。
われわれは、持続的な成長を回復し、物価の安定を維持し、金融システムの円滑で秩序
だった機能を確保するために引き続き緊密に協働するわれわれの強いコミットメントを再
確認した。われわれは、資金調達市場の流動性減少に対応するための主要中央銀行による
協調を歓迎し、国際金融市場の混乱に対応するための協調行動の重要性を認識する。特に
いくつかの中央銀行において最近とられた、貸付制度へのアクセスの拡大と受入担保の範
囲拡大のための措置は、金融機関に流動性を供給し、市場機能の改善を支えることに寄与
している。さらに、われわれは、金融・財政政策を含め、経済活動を支援し、物価の安定
を確保するためにとられたその他の措置を歓迎する。われわれは、必要に応じて、個別に
あるいは共同して、それぞれの国内事情と整合的な措置を講じることに引き続きコミット
している。
われわれは、強固かつ安定した国際金融システムがわれわれの共通の利益であることを
再確認する。前回の会合以降、主要通貨において時として急激な変動があり、われわれは
これらが経済および金融の安定へ与え得る影響について懸念している。われわれは、引き
続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。われわれは、人民元の柔軟性を向上させる
との中国の方針を歓迎しているが、経常収支黒字が増加し、国内インフレが上昇している
ことに鑑み、人民元の実効為替レートのより速いペースでの増価を促す。
昨年の秋に、われわれは金融安定化フォーラム(FSF)に対して、金融市場の混乱を
引き起こしている国際金融システムにおける要因とぜい弱性を特定する報告の提出を要請
した。われわれは、市場と制度の抵抗力を強化するための詳細な勧告を盛り込んだ報告を
とりまとめたことについて、ドラギFSF議長、FSFメンバーに対して感謝。
われわれG7は、報告を強く支持し、勧告を実施することにコミット。FSF報告の迅
速な実行は、国際金融システムの抵抗力を長期的に強化するだけではなく、信認の維持と
市場機能の向上を支援するであろう。
FSF報告は、5つの主要な分野について、具体的かつ充実した勧告を行っている。わ
れわれは、その中で100日以内に実行しなければならない優先順位の高い勧告を以下に
特定した。
・金融機関は、複雑で流動性のない商品に関し、リスクへのエクスポージャー、償却お
よび公正価格(フェア・バリュー)の見積りを徹底的かつ即時に情報開示すべき。われわ
れは、金融機関に対し、次回の中間期決算において、FSF報告に示された先進的な事例
に倣って、リスクに関するしっかりとした情報開示を行うよう強く促す。
・国際会計基準審議会(IASB)およびその他の基準設定機関は、オフバランス関連
会社に対する会計および情報開示の基準を改善するとともに、特に市場が緊張下にある場
合の金融商品の評価について、時価評価会計のガイダンスを向上させるため、迅速に行動
を開始すべき。
・金融機関は、当局の監督を受けつつ、厳格なストレス・テストを含め、リスク管理の
慣行を強化すべき。金融機関はまた、必要に応じ、その自己資本を強化すべき。
・2008年7月までに、バーゼル委員会は、流動性リスク管理に関する改訂ガイドラ
インを発出し、証券監督者国際機構(IOSCO)は、格付会社のための行動規範を改訂
すべき。
われわれは、FSFの以下の勧告を2008年末までに実施することを支持する。
・資本、流動性、リスク管理についての健全性監督強化
バーゼルIIの自己資本規制を適時に実施する必要。バーゼル委員会は、複雑な仕組み
商品およびオフバランス関連会社に関して所要自己資本を引き上げ、追加的なストレス・
テストを要求し、モニタリングを強化すべき。
・透明性および価格評価の向上
バーゼル委員会は、オフバランス関連会社、証券化商品へのエクスポージャー、流動性
コミットメントに対する情報開示を銀行が強化するために、銀行の価格付けプロセスの監
督上の評価を改善するさらなる指針を発出すべき。
・格付けの役割および利用法の変化
投資家は、格付けの利用に際しデュー・ディリジェンスを改善する必要。格付会社は、
その業務における潜在的な利益相反の問題に対処し、仕組み商品に対する格付けを債券の
格付けと明確に区別し、格付手法の情報開示を改善し、証券化商品のオリジネーター・仲
介者・証券発行者により提供される情報の質を評価するため、(改訂されたIOSCOの
行動規範と整合的な)実効ある行動をとるべき。
・リスクに対する当局の対応の強化
監督当局および中央銀行は、金融の安定に対するリスクの評価を含めて、協力と情報交
換をさらに強化すべき。国際的に活動する大手金融機関ごとに、監督当局で構成される国
際的なグループを設置することが重要。また、市場監視当局は、詐欺、市場操作および相
場操縦について調査し処罰するために、協力して迅速に行動すべき。
・金融システム危機への対応強化
中央銀行は、金融システムが緊張している期間、効果的に流動性を供給できる必要があ
り、当局は、体力の低下した銀行に国内外で対処するための枠組みを見直し、必要に応じ
強化すべき。
われわれは、FSFおよびその作業部会に対し、報告書の勧告の実施を積極的にモニタ
ーするよう依頼する。バーゼル委員会、IOSCO、IASB、ジョイント・フォーラム
を含むFSF参加機関が、2008年末までに作業を終えるよう作業計画を加速させるこ
と、また、FSFの勧告が十分かつ効果的に実施されることが重要。われわれは、6月の
大阪会合におけるアップデートおよび秋のG7会合における包括的なフォローアップの報
告を期待。われわれは、金融の安定に対する主要なリスクについて早期に警告する能力を
高める、FSFとIMFの間の協力の強化を歓迎。
われわれは、民間セクター参加者が金融システムをより良く機能させることに資する提
案の作成に努力していることを歓迎。
現在の金融市場の混乱は、金融セクターの適切な規制枠組みに関する広汎な政策問題も
惹起(じゃっき)した。われわれは、金融システムが将来可能な限り効率的かつ安定的で
あることを確保するために変更が必要かどうか検討するため、規制枠組みを見直す重要性
を再確認した。
われわれは、国際金融の安定を確保するためのIMFの重要な役割を再確認。この観点
から、IMF改革に関する顕著な進展を支持。
・クォータとボイスの改革についての合意を歓迎。これは、低所得国の発言力を増大さ
せつつ、新興市場国を中心とするダイナミックな国々の世界経済における比重が拡大して
いることを捉えた重要な一歩。
・為替レートを含むサーベイランスの新しい枠組みの重要性を再確認し、着実かつ公平
な適用を慫慂(しょうよう)。
・年間1億ドルの歳出削減を含む、持続可能なIMF財政への進ちょくを歓迎。予算規
律の維持が必要。保有金の一部の売却収入による投資プールの創設を含む新たな歳入源を
支持。
これらの重要な改革は、IMFの正統性、実効性、信頼性を向上させるであろう。
開かれた貿易・投資体制を維持することは、世界経済の繁栄を実現し、保護主義と闘う
上で決定的に重要。ドーハ開発ラウンドの成功裏の妥結が喫緊に必要であることを強調。
われわれはまた、投資の開放性に関するOECDの作業、および10月の総会までにSW
Fの最良慣行(ベスト・プラクティス)を策定するとのIMFのコミットメントを賞賛。
アブダビ、シンガポール、米国により提示された政策原則は、これらのプロセスに対する
有益なインプットとなろう。
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総裁選や代表選、問われる成長と停滞の岐路

