UPDATE2: 日経平均は1万0500円視野、米銀クレジット問題の最悪期は09年=草野GF代表
[東京 14日 ロイター] 草野グローバルフロンティア代表の草野豊己氏は、12
日に都内で行われたセミナーで、ヘッジファンドなど海外勢による先物売りの次のターゲ
ットは、日経平均.N225で1万0500円付近になりそうだと語った。米金融機関のク
レジット問題は2009年にかけて一段と悪化するとみており、株価の先見性を考えても
日本株が戻すのは早くて来年夏になると予想している。
<米金融機関クレジット問題の最悪期は09年、大恐慌研究試されるFRB議長>
草野氏は、米住宅価格の下落を懸念している。10%の下落で2兆2000億ドルの含
み損が生じ、逆資産効果として米国の消費を圧迫するほか、米金融機関のクレジット問題
を悪化させるためだ。草野氏によると、米国では担保割れの住宅を抱えた住宅ローン債務
者向けに、破産してローンから開放されるためのノウハウを教えるインターネットサイト
すらある。
住宅ローンのこげつき急増の可能性に加え、ヘッジファンドなどによる証券化商品の投
げ売りも加速している。商業用不動産ローンやレバレッジドローンの悪化による損失が顕
在化しつつあるほか、景気後退による企業の倒産確率上昇の可能性はCDS市場に徐々に
響いていくとみられ、売り手として参加しているヘッジファンドの財務悪化がこれに拍車
をかける。「米金融機関のクレジット問題は、今後も悪化するだろう。最悪期は2009
年になる」(草野氏)と予想している。
草野氏は、米連邦準備理事会(FRB)の政策スタンスが、昨年12月に入札型ターム
物貸出(TAF)を導入して以降一変したという。金融不安による実体経済への影響に対
する危機感を強めており「経済調整のレベルはITバブル崩壊やS&L危機を超え、比較
対象は1929年の大恐慌までさかのぼることになりそうだ。バーナンキFRB議長はか
つて大恐慌について研究しているが、今、この研究成果を試されている」(草野氏)と述
べた。
<ヘッジファンドは先物にシフト、海外長期投資家は日本株圧縮>
草野氏によると、ヘッジファンドの運用成績は大きく悪化しており、過去10年間で最
悪となっている。とりわけ株式ロング/ショート型など現物市場で運用するファンドの低
迷が目立つ。このため資金は比較的成績のいい先物を手掛けるヘッジファンドにシフトし
ており「現物市場の枯渇と先物市場のパワーアップにつながっている。今後はますます先
物主導の色合いが強まり、ファンダメンタルズを反映しなくなるだろう」(草野氏)とみ
ている。
さらに「先物を手掛けるヘッジファンドの動きは、これまで日経平均を3000円程度
下げさせては2000円程度戻すという動きを繰り返している。今回の戻り局面は
1万3500円付近まで戻したことで、ほぼ終了した。次のターゲットはざっくり
1万0500円程度になるだろう」(草野氏)とみている。
また、ヘッジファンドだけでなく、海外年金などの長期投資家の間でも日本株を避ける
動きが強まっており、日本株をめぐる需給には構造変化が起きているという。「長期投資
家は世界的に株式のポジションを圧縮しており、パフォーマンスの悪い日本株をとりわけ
圧縮したがっている。このため、運用会社では日本株チームの解散が続いており、証券会
社への日本株に関する注文は売りばかりが目立っているようだ」(草野氏)という。
こうした最終投資家のスタンス変更を受けて、ヘッジファンドの解約は今も続いている
という。このため6月末解約分の売りが出てくる5月中旬は、需給が悪化しやすいと予想
している。「日経平均は5月中旬にかけて下げるだろう。その後もさらにオーバーシュー
トがある。日本株が戻すのは早くて来年夏になるだろう」(草野氏)という。
一方で、これが需給に基づく極端な価格形成であることも指摘。「いずれ景気が回復す
れば株価は戻る。下値で拾うのは投資戦略として有効だ」(草野氏)としている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子記者)
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