UPDATE4: 日銀総裁人事案の再提示視野に民主が早期採決を要請、政府・与党は難色

2008年 03月 10日 21:07 JST
 
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*伊吹自民党幹事長、福田首相のコメントを追加し、再構成しました。

[東京 10日 ロイター] 政府が提案した日銀総裁・副総裁の候補者への国会での所信聴取が行われる11日を前に、与野党の政治的駆け引きが活発化してきた。民主、共産、社民、国民新党の野党4党は10日、幹事長会談を開き、日銀同意人事について意見交換。鳩山由紀夫・民主党幹事長は会談終了後、武藤敏郎・日銀副総裁の総裁昇格案への同意は厳しい状況であるとの見解を示すとともに、人事案の再提示を視野に早期の本会議開催を求めた。他方、福田康夫首相は10日夜、人選はベストで再提示を考える段階ではないと強調。町村信孝官房長官も、政府提案が同意されない場合でも、直ちに別の候補を提案するわけにはいかないとの見解を示し、野党側をけん制した。

 同意人事の可否を決める衆参本会議の開催日をめぐっても与野党の主張は平行線のままで、与野党間で神経戦が展開されている。自民党は、衆参両院の意見が異なる場合も想定して民主党に採決前の「両院協議会的対応」を働きかけているが、19日の福井俊彦総裁の任期切れを目前に控え、総裁空席リスクも懸念される展開になってきた。

 10日には日経平均株価が200円を超える下げとなり昨年来安値を更新。為替も急速に円高/ドル安が進み、一時101円台を付けた。福田首相は10日夕、株安・円高を受けて「そういうことがあるから早く日銀総裁を決めなければいけない」と強調し、市場安定のためにも新日銀総裁の迅速な決定が不可欠との認識を示した。

 

 <野党4党、武藤氏への反発強める>

 

 鳩山幹事長は10日、記者団に対して、最終判断は「あすの聴聞会を聞いて決める」としながらも、野党幹事長会談では共産党、社会民主党、国民新党それぞれの政党で「武藤氏に賛成する政党は1つもなかった」と述べ、武藤氏での同意について「厳しい状況ではないかと考える」と語った。

 野党幹事長会談に出席した亀井久興・国民新党幹事長によると、武藤氏の総裁昇格と伊藤隆敏東大大学院教授の副総裁就任案に対して賛成の意見はなく、元日銀理事の白川方明氏(京大大学院教授)を副総裁に充てる案については意見が出なかったという。

 鳩山幹事長によると、政府案に対して野党4党でできるだけ協力していくことも確認した。

 <政府・与党に手詰まり感>

 これに対し、政府・与党側は野党を強くけん制する発言を繰り返している。町村官房長官は10日午後の会見で、民主党が同意は厳しいとの認識を示していることについて「ベストの案を示した以上は、AさんがだめならすぐBさんという訳にはいかない」と指摘。野党の姿勢について「聴聞会という場をわざわざ設けてあるのに、それを聞く前から反対というのはいかがなものか」と述べた。

 しかし、武藤氏昇格への反発を強める野党との国会対策委員長会談などを通じても打開策を見出せない状況だ。

 自民党の大島理森国対委員長は民主の山岡賢次国対委員長に、衆参の意見が異なるような場合には採決前に「両院協議会的な対応」をするよう働きかけたが、山岡国対委員長は記者団に対し申し入れを拒否したことを明らかにしている。「審議の進め方についてすでに決めてあるのに、情勢がこうだから作り変えるというようなことは作為的。今ごろ急にそのような提案を持ち込むことは信頼を損ねる」(山岡国対委員長)と不快感を示した。

 

 <首相は再提示を否定>

 福田首相は10日午後の自民党役員会に出席し、日銀総裁人事について自民党幹部と協議した。伊吹文明幹事長によると、福田首相は日銀人事は困難だが克服しないといけないと述べるとともに、筋を間違えることなくやっていくとの決意を示したという。

 さらに福田首相は同日夕、武藤副総裁を総裁に昇格させる政府案について、野党の反対で不同意になる可能性を問われ、「ベストの人選と思い提出した。再提示を考える段階ではない」と言明。党首会談の可能性について「そういうことがよろしいとのことであれば、それに応じる気持ちは十分にある」と事態打開に向けて自らが交渉に臨む覚悟を繰り返した。

 

 <民主は早ければ11日夕の役員会で結論>

 国会ではあす11日に衆参両院で、総裁候補の武藤敏郎日銀副総裁と副総裁候補の白川方明・元日銀理事、伊藤隆敏・東大大学院教授から所信聴取を行う。民主党は両院の聞き取り終了後の午後5時半から役員会を予定しており、早ければ同日中に最終判断を決める見通し。

 これを踏まえて民主党は12日の衆参本会議の開催を主張。鳩山幹事長は「日銀総裁が空席になることは望ましくないと思っている。できるだけ早く判断を決め、賛成でない場合に次のステップに移れるような環境を作ることが大事だ」として、早期の本会議開催を求めている。

 一方、自民党と公明党の与党は「できれば衆参が同日に結論を出すことが望ましい」(大島・自民国対委員長)、「所信聴取の翌日に結論は出すのは無理」(公明幹部)──などとし、14日の衆参本会議の開催を提案している。野党は11日にも、参院本会議の12日開催を国会に求める方向で、与野党で折り合いがつかなければ、野党が過半数を占める参院が12日に不同意を決定し、14日の衆院本会議の開催を待たずに武藤総裁案が白紙に戻る可能性がある。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦 吉川 裕子 伊藤 純夫)

 
 

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