〔アングル〕欧米金融機関の信用不安で邦銀が運用手控え、日銀オペでも金利上昇に歯止めかからず
[東京 21日 ロイター] 欧米金融機関の信用不安の広がりが収まらず、邦銀が短期市場での資金運用に慎重になっている。日銀は21日、午前と午後の2回、計7000億円を即日供給したが、外資系銀行に資金が行き渡らず、翌日物金利は高止まりした。市場には、少なくとも年度末までは資金需給がひっ迫しやすい展開が続くとの見方が多い。
「このリザーブであれば確実に資金は余る。ただ、こうした資金が邦銀にまわる悪循環に変わりはない」――。
短期市場で資金運用を絞る国内の金融機関が増え、現金担保付き債券貸借取引(レポ)ではGC金利が高止まりしている。日銀が公表した東京レポレートによると、「トムネ」と呼ばれる24日スタート/25日エンドが0.672%、「スポネ」となる25日スタート/26日エンドは0.685%。市場参加者によると、0.7%を超える取引も成立した。
24日発行の政府短期証券(506回債、2008年6月20日償還)、25日には5年利付国債(70回債、2013年3月20日償還)や20年利付国債(100回債、2028年3月20日償還)の発行を控え、レポ金利の先高観が強まっている。こうした先高観は、無担保コール市場にも波及している。21日のコール市場で翌日物金利は誘導目標を大きく上回り、一部外国銀行の調達レートが0.6%に迫った。
国内金融機関の担当者は「邦銀がターム物での資金運用を積極化した結果、レポ市場に十分な資金が回っていない」と指摘する。欧州系銀行の関係者は「主に外銀勢がレポ市場で資金を調達しにくい状況が続いており、コール金利の上昇に跳ね返っている」と話す。
日銀が午前中に実施した共通担保資金供給オペ(本店、4000億円)の落札金利は0.600%、午後の共通担保資金供給オペ(本店、3000億円)は0.550%となり、運用レートに相当する落札レートはいずれも異例の高さ。「参加者の目線が0.60%付近にとどまり、オペが実施されてもさほど金利は下がらなかった」(別の国内金融機関)という。
証券会社や銀行協会、短資会社など非準預先の残高が19日、1兆5700億円に膨らんだことが資金繰り悪化の思惑につながり、運用姿勢の慎重さにつながったとの見方も出ている。ある市場参加者は「カネ余りでも資金の巡りにゆがみが生じており、即日オペの感応度が鈍っている」と話した。
欧米市場での資金繰り不安は根強い。米金融サービスのCITグループ(CIT.N: 株価, 企業情報, レポート)が20日、銀行の信用供与枠から73億ドルの資金を調達したと発表。債務返済のための資金調達に苦慮していることが浮き彫りになったと受け止められ、同日のニューヨーク証券取引所で同社株は急落。信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は急拡大した。
今週に入ってドル/円のベーシススワップが急騰。ひとまず改善に向かってはいるものの、「世界的な信用収縮の火種がくすぶり続けている状況に変わりはない」(外資系金融機関のファンドマネジャー)との声が残っている。
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が中小金融機関の破たんに言及してから3週間余り。換金売りとも受け止められかねない海外ファンドのポジション解消により、為替や株など金融・資本市場の値動きは激しさを増し、手元資金を確保しておきたい、との動機付けにつながっている面もある。
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