UPDATE1: 利下げだけで経済への効果を評価できず=白川日銀総裁代行

2008年 03月 21日 20:31 JST
 
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 [東京 21日 ロイター] 白川方明日銀総裁代行は21日の就任会見で、総裁不在という異例の事態の中でしっかりと任務を遂行していくとの決意を述べた。現在の政策金利について、大きな緩和方向に力を発揮しているとの認識を示した。世界経済の減速傾向や金融市場の不安定さの中で利下げという選択肢があるかについて、米国では利下げを行っても信用スプレッドが大きく拡大しているとして、経済への効果は短期金利だけでは評価できないとの考え方を強調した。そのうえで、金融政策の基本的考え方として、効果の波及に時間がかかることや予断を持たないことなどを挙げた。

 <足もとの景気は不確実性高く、かなり減速している>

 白川総裁代行は足もとの日本経済について「内外に多くの不確実性を抱えている」として、景気の見方は3月の日銀金融経済月報とほぼ同じだとした。その上で「サブプライム問題に端を発した国際金融市場の動揺に適切に対処することが最優先課題」との認識を示した。

 西村清彦副総裁も「日本経済は足もとかなり減速しているが、基調としては緩やかに拡大を続けている」としたが、「先行きに多くのリスク要因がある」として「極めて注意深い金融政策運営が必要だ」と述べた。

 <金融政策効果波及にタイムラグ>

 白川総裁代行はこれまでの経験から金融政策について得た教訓として、効果の波及に長い時間がかかるため「足元の経済情勢も大事だが、少し長い目でみて物価の安定や持続的な成長が実現できるのかということが大事だ」と強調。2つ目として「経済が変化するときは上にも下にも大きく変化する。そのため、常に予断を持ってはいけない」こと、3つ目として「この20年近く、資産価格と実体経済の複雑な相互依存関係がいろいろな形で経済の変動を引き起こすことがわかった」ことを挙げた。

 西村副総裁は、金融政策の基本について「数字となった経済データだけではなく、さまざまなデータを組み合わせ、トレンドに何か変調はないか、小さな兆しにも注意を払いながら、場合によっては柔軟かつ機動的な政策を行うこと」を挙げた。

 <経済への効果は短期金利だけでなく中長期金利などの影響も考慮>

 

 白川総裁代行は、足もとの経済について非常に不確実性が高いとの見方を示した。

 現在の政策金利について「実質短期金利は概ねゼロだ。潜在成長率は1%台半ばなので、そういう意味では政策金利は現在大きな緩和方向の力を発揮している」と述べた。ただ「金融政策が経済に影響を及ぼす程度は短期金利だけではなく、中長期金利やクレジットスプレッドを加味した金利などを総合的に含めた金融環境を見るべき」だとの考えを示した。

 その関連として、最近の米金融政策について、大幅な利下げを行ってもクレジットスプレッドは大幅に拡大しているとして、経済への効果を短期金利だけで評価できないとも述べた。

 また流動性の問題が引き金になって金融機関のソルベンシーが悪化していくことは避けなければいけないとして、今回、米国金融当局がベアースターンズBSC.Nへ流動性を供給したことは適切だったと評価した。しかし、一方で「流動性供給だけでは問題は解決しない」とも述べた。

 為替相場については、現在の金融市場の動揺を背景にしたドルの減価に弾みがつくと国際金融市場全体にとっても米国経済にとっても悪影響があり、そのあたりも意識しながら米国は対応をとろうとしていると述べた。

  (ロイター日本語ニュース 中川泉記者;編集 内田慎一)

 
 

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