UPDATE2: 日本でM&A助言など成長模索、みずほとの関係強化は詳細未定=メリルCEO
[東京 8日 ロイター] 米大手証券メリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)のジョン・セイン会長兼最高経営責任者(CEO)は都内で会見し、さらなる資本増強の必要はないとの認識を示したうえで、日本ではM&A(企業の合併・買収)のアドバイザリー業務や株式・債券などの資金調達業務、富裕層ビジネスなどで成長を模索する方針という。資本増強で優先株を引受けたみずほコーポレート銀行との関係については「現時点では詳しい話には至っていない」と語った。
セインCEOは2007年12月の就任以来、初めて日本を訪問した。今回は、日本の顧客を訪問し日本の現地法人を知ることなどが目的という。
昨年末から2度にわたる約128億ドル(約1兆2800億円・1ドル100円で換算)のメリルの資本調達について、セインCEOは「昨年の損失額を意図的に上回る規模の資本増強を行った」と説明。86億ドルの損失計上に対し40億ドル超を加算して資本を調達したと説明し「再度、株式市場における調達は必要としない」と述べた。
人員削減の計画については発表はしていないとしたうえで「ただ、この環境下で、経費に着目した経営を行うのはロジカル(論理的)なことだろう」と述べ、不採算業務の見直しなどで人員削減の可能性を示した。
<みずほとの関係、現時点で詳しい話に至っていない>
2度目の資本増強にあたる今年1月には、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)傘下のみずほコーポレート銀行(みずほCB)が優先株の引き受け先の一角に入った。みずほCBはメリルが発行した1300億円の優先株を引き受けた。
メリルはその発表資料の中で「みずほとの将来の協業は非常に生産性の高いものになるだろう」とコメントし、両社の提携関係の進展に期待を示していたが、今後のみずほとの関係についてセインCEOは「我々はみずほを(優先株に投資した)ファイナンシャル・インベスターとして歓迎する。みずほは重要な投資家であるとともに、重要な顧客だ」と語った。
一方、メリルの日本法人(メリルリンチ日本証券)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)(8306.T: 株価, ニュース, レポート)と合弁で富裕層向けのウエルスマネジメント業務を行っているが、メリルにとっての、MUFGとみずほとの関係のバランスについては「(MUFGとの合弁は)2年前に設立されたもので、ウエルスマネジメントに特化している。それと今回の資本調達プロセスは別のもの。みずほとは今後もちろん今以外の協業が考えられるが、現時点では詳しい話には至っていない」と述べ、具体的な内容には言及しなかった。
<日本ではM&Aなどを強化>
サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 問題に端を発する信用収縮の影響で損失を計上し、資本増強を迫られたメリルは、今後も「日本市場には強気の見解を変えず魅力的な成長機会があると考えている。クロスボーダーM&Aや株式・債券の資金調達ビジネス、個人向けのウエルスマネジメント業務などで成長を模索する。日本におけるチャンスは非常に大きい」(セインCEO)と強調。米国外のグローバルな戦略にも変わりはないと述べた。
米国の金融監督当局が流動性を供給することでベアー・スターンズBSC.Nを救済し、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)による救済買収を支援したことについて、セインCEOは「あのような救済措置は、金融のシステミックリスクを避けるための行為だった」とコメント。米当局の取った措置によって「マーケットに信頼を与えることができた」と評価した。
米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)によるベアー・スターンズ買収支援で290億ドルの融資を決め、実質ベアーを救済する措置が取られていた。
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