UPDATE2: 首相問責決議案が参院で憲政史上初の可決、福田首相は解散考えず
[東京 11日 ロイター] 参院本会議が11日午後に開かれ、福田康夫首相に対する問責決議案を民主党など野党の賛成多数で可決した。首相への問責決議案が可決されたのは、現行憲法の下で初めて。これに対して福田首相は問責提案の理由を重く受けとめるとしながら、衆院解散・総選挙について「考えていない」と否定した。自民党・公明党の与党は衆院に内閣信任決議案を提出、12日の本会議で可決する見通し。
野党が問責提出に踏み切ったのは、野党各党が提案した後期高齢者医療制度の廃止法案に自民、公明の与党が反対したことなどが主な理由。小沢一郎民主党代表はあらためて「国民の生活を視野に入れない自己利益の政治に陥っていることが今日の問題を引き起こしている」と現政権を批判した。参院本会議における票数は賛成131票、反対105票だった。
憲法上、参院での問責決議に法的拘束力はないが、野党側は参院において福田首相を信任しないと明確にした以上、参院での福田首相の答弁は認められないとの立場をとっており、通常国会は12日以降、空転する見通し。
与党側は15日に会期末を迎える通常国会を21日まで6日間延長する方針を決めている。東南アジア諸国連合(ASEAN)との経済連携協定(EPA)の批准などを目指すとしている。参院での審議が空転しても、条約は衆院の優越が憲法上認められており、会期延長によって自然承認される。
<与野党が揺さぶり>
参院での問責決議案可決後、福田首相は記者団に対して「(問責提案の理由を)一つ一つ重く受け止める」と述べたが、衆院解散については「そういうことを今考えていない」と否定した。また、内閣改造については白紙と語り、これまでの認識を繰り返した。
与党は問責可決に対抗し、衆院に内閣信任決議案を提出、12日の本会議で可決される見通しだ。
自民党の大島理森・国会対策委員長は問責決議可決後、記者団に対し「政局には何ら影響のない単なる問責決議だ」と強調。今後の対応については、あすの衆院本会議において内閣信任決議案を可決することで、「しっかりと(信任を)明確にして、粛々とこれからも国家・国民のために政府・与党一体として取り組んでいく」と述べた。
連立与党を組む公明党の北側一雄幹事長も今回の問責可決が福田首相の政権運営や解散・総選挙のタイミングなどの判断に影響を与えることはないとの見方を示しながら、「参院という国会の一院で(問責を)提出するにはそれなりの理由・根拠がなければならず、その意味では非常に残念。参院の良識が疑われる」と語った。
衆院で内閣信任案を可決させ対決姿勢を鮮明にする与党に対し小沢代表は「そのような姑息なやり方で国民の信頼を得られると思ったら大間違い」と一蹴。「最終的に決着をつけるには、総選挙によって主権者の判断を仰ぐ以外にない」と述べ、早期衆院解散・総選挙に揺さぶりをかけている。
首相への問責決議案が可決された例はないが、閣僚に対しては1998年に額賀福志郎防衛庁長官(当時)に対する問責決議案が可決され、1カ月後に辞任したケースがある。
(ロイター日本語ニュース 志田 義寧記者、伊藤 純夫記者、吉川 裕子記者)
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