〔クロスマーケットアイ〕金利正常化路線の棚上げで金利急低下、米緩和期待の変化で変動リスクも

2008年 04月 30日 18:52 JST
 
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<東京市場 30日>

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日経平均   |国債先物6月限 | 国債291回債  |ドル/円(18:30) |

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  13849.99円 | 136.15円  |  1.575%    | 104.09/13円 |

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-44.38円 | +0.55円   | -0.045%  | 104.04/07円   |

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注:日経平均、国債先物は大引け、現物の価格は午後3時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前日NY終盤。

 [東京 30日 ロイター] 30日の東京市場では金利低下が目立った。日銀が金利

正常化路線を一時棚上げしたことに加えて、30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)

声明では市場の金融緩和観測を残す表現になる、との思惑が広がり、金利上昇を見込んだ

ポジションを残していた内外の参加者から買い戻しが入った。ただ、金利だけではなく為

替市場でも一部参加者の間では、利下げ打ち止め感が出る可能性は無視できないとして、

ポジション形成には慎重な向きもある。仮に金融緩和の打ち止め感が前面に出るような声

明になった場合には、市場が急変動するリスクを抱えている。

 <FOMC声明次第で相場の流れに変化>

 米連邦準備理事会(FRB)はFOMCで0.25%の利下げを決定するとの予想がコ

ンセンサスだが、その後の声明文に関し、見方が一致しているわけではない。

 前週には一時、FRBは高まるインフレ圧力を重視して利下げの打ち止め感を出す、と

の見方から、ドル高/株高/債券安が進行したが、直近では、市場の緩和期待を残す表現

になる、との声も出ている。

 三菱UFJ証券・チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、景気下振れリスクをより重

視する現行スタンスから、インフレリスクもにらむ中立スタンスに移行する可能性があり、

その場合、打ち止め観測から日米の金利はあらためて上昇余地を探ることになるだろう、

としながらも「FRBは何らかの表現によって、保険的な追加利下げの含みを残すので

はないか」と読んでいる。

 「サブプライム金融危機はまだ終息しておらず、信用リスクがくすぶっているうえ、そ

の悪影響が今後とも景気の足を引っ張る見通しにある。少なくとも消費者段階のインフレ

が高進するような金融・経済状況ではない」と石井氏はいう。

 金融市場では、日銀の白川総裁が記者会見で金融政策運営について、2008年度は下

振れリスクに力点を置いていると発言したこともあり、金利が急低下した。ユーロ円金利

先物が騰勢を強めたほか、東証夜間取引(イブニング・セッション)では

国債先物<0#JGB:>が一段と買われた。ユーロ円金利先物・中心限月12月限JEYZ8は

14ティック高い99.045まで上昇、この2日の下げを取り戻した。国債先物は

日中終値を45銭上回る136円60銭まで買われた。

 「当面の金融政策に緩和バイアスがかかるとの思惑から、売り方の買い戻しを誘った」

(外資系証券)という。白川発言については「これまでに中期債利回りが急騰するなどし

ていたため、過度な利上げ期待を沈静化させる狙いではないか」(外資系金融機関筋)と

の解釈が聞かれた。 

 為替市場では、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBC)のヘッドオブFXス

トラテジー、山本雅文氏が「FRBが0.25%の利下げ後に金融緩和姿勢の継続を示唆

すれば、ドルは下落するだろう。逆に利下げサイクルの終えんを示唆した場合は、市場の

勢いがドル買いに傾く可能性がある」と予想する。

 ある都銀筋は「今回のFOMCで利下げ打ち止め感が出れば、全体的にマーケットはさ

らに修正するだろう。(米国に対する)悲観論が遠退いている」という。ドル/円<JPY=>

は105円を上抜ける可能性は十分ある、という。

 <海外勢の日本株スタンス、ニュートラルが限界か>

 一方、株式市場では日経平均.N225が小反落。やはりFOMCを控えて手控えムード

が強かった。一時は100円を超す下げ幅となったものの「海外勢から銀行株に買い戻し

が入ったのをきっかけに全般に下げ渋りの動きとなった。下値が予想外に固いため先物を

売買する短期筋も買い戻しを先行せざるを得ないようだ」(大手証券売買担当者)という。

 日経平均は1万4000円が強い抵抗線になっているが、みずほFG(8411.T: 株価, ニュース, レポート)や

松下(6752.T: 株価, ニュース, レポート)など主力株の中には年初来高値を更新する銘柄も出てきている。

「昨年後半から日本株をアンダーウエートに落としていた海外ファンドが最近の日本株の

動きの良さをみてニュートラル方向にウエートを戻している」(欧州系証券)という。

 野村証券エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏は「弱気派は最近の株価回復

をショートカバー中心で中身を伴っていないと指摘するが、ショートカバーも売り方のマ

インドが変わったということであり十分な変化だ。海外勢も買い越し基調が続いているよ

うだ」という。

 もっとも、2009年3月期の低調な企業業績見通しはある程度織り込んだが、新たな

成長ストーリーはみえてこない。国内の政治的な閉塞感などもある。「今のところ日本株

をオーバーウエートに引き上げるほどの材料は見当たらず、一定のウエート調整が終れば

上値は重くなる」(同)とみられている。野村の佐藤氏も「ここからもう一段の株価上昇

には年金や個人など、いわゆる実弾の買いが必要」と述べる。

 大和住銀投信投資顧問・上席参事の小川耕一氏は「株式市場はファンダメンタルズでは

なく需給だけで動いているようだ」とみている。「日経平均で1万4000円を上抜ける

にはショートカバーだけでは難しく、実需筋の参加が必要だ。需給相場からの脱却には、

ファンダメンタルズの改善が必要だが、原油価格の高止まりが実体経済の下押し圧力とし

て大きな障害となりそうだ。夏場にかけてスタグフレーションが健在化するようであれば

日本株は調整局面となるかもしれない」と小川氏は指摘している。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:田巻 一彦)

 
 

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