UPDATE3: ソフトバンク<9984.T>が無議決権優先株の発行へ定款変更、資金調達の多様化目指す
* 孫社長の会見を踏まえて再構成しました。
[東京 8日 ロイター] ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)は8日、議決権がない代わりに配当が普通株より高い優先株(無議決権優先株)を発行できるよう定款を変更する議案を今年6月の株主総会に付議することを取締役会で決議したと発表した。これにより同社は、高い配当を求める個人株主を安定的に確保できるようになるほか、資金調達の手段を多様化する体制を整える狙いがある。
ソフトバンクは、6月25日開催予定の定時株主総会で定款の一部を変更する議案を付議する。総会の特別決議で了承されれば、無議決権優先株を発行できるようになる。発行可能な種類株の総数は18億株。
無議決権優先株が発行される際ソフトバンクは、普通株を持つ既存の株主に対し、無議決権優先株を一定の割合で無償で割当てる。普通株と無議決権優先株の両方を保有することになる株主は、その後、無議決権優先株を保有し続けても売却しても自由で、最終的に株主に選択肢が与えられることになる。
無議決権優先株の配当が普通株に比べてどの程度高くなるかなど詳細は未定。ただ、ソフトバンクは、無議決権優先株の配当は、普通株の期末配当に対し200─500%の範囲にすると定款に明記する予定で、実際はこの範囲内で無議決権優先株の配当の水準が決まることになる。
発行により調達する資金の使途は、現時点で決定していない。
無議決権優先株をめぐっては、2007年に伊藤園(2593.T: 株価, ニュース, レポート)が発行し、すでに東証に上場している。しかし、流動性の低さなどが問題になっている。
ソフトバンクは、実際に無議決権優先株の発行で資金を調達する場合は、流動性を確保するため、同優先株が東証株価指数(TOPIX)に組み入れられることを前提に準備を進めている。このため、孫正義社長は「TOPIXに(同優先株が)組み込まれないようなら発行しない」と話した。
また、孫社長は同日の決算会見の後、記者団に対し「無議決権を使って(企業)買収するなど道具を調える」とも語り、M&A(合併・買収)を視野に入れた調達手段のメリットを強調した。
東京証券取引所は、今年7月をめどに無議決権優先株式を含む種類株の上場規則を整備する予定で、ソフトバンクはこの規則を活用する格好となる。
議決権のない株式を、議決権のある株式と同様に株価指数の対象にすることに異論を唱える声もある。ただ、伊藤園が発行した無議決権優先株は、TOPIXなどの主要株価指数に組み入れられなかったため、普通株で運用するパッシブ運用担当者らは、無償割当された伊藤園の無議決権優先株を売らざるを得なくなり「本来の伊藤園の無議決権優先株の価値が定まらないところで、上場直後に売り圧力にさらされるという結果を招いた」(大手証券)との指摘が出ている。
TOPIXなどの対象銘柄になれば「テクニカルな需給要因による不要な需給の乱れが起こらなくなる」(同)との見方もある。
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(ロイターニュース 江本 恵美記者、平田 紀之記者)
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