UPDATE2: 7月全国コアCPIは前年比+2.4%、目先ピーク付けたとの見方も

2008年 08月 29日 11:56 JST
 
記事を印刷する |

*文章を再構成し、エコノミストの見解を追加しました。

 

 [東京 29日 ロイター] 総務省が29日に発表した7月の全国消費者物価指数

(生鮮食品を除く総合、コアCPI、2005年=100.0)は前年比2.4%上昇の

102.4となった。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス

2.3%で、発表された数字は予測を上回った。6月の前年比1.9%上昇から加速し

た。前年比伸び率としては、1997年10月(2.4%上昇)以来の高い伸びとな

る。この時期は消費税率引き上げで物価が押し上げられた面があるが、それを除けば

92年6月(2.5%上昇)以来の高い伸び。食料、光熱費、ガソリンなどが上昇率を押

し上げた。

 エコノミストの間では、エネルギー価格の上昇が8月も継続していることから、上昇率

は高止まりするとみられている。ただ、9月以降はガソリン価格の前年比伸び率が鈍化す

るとの予想も多く、CPIの伸びは目先のピークを付けたとの見方も出ている。

 <先行指標の東京都区部コアは上昇幅縮小>

 

 全国の総合指数は前年比2.3%上昇した。食料(酒類を除く)およびエネルギーを除

く総合指数は前年比0.2%上昇だった。

 

 全国コアCPIの先行指標とみられている東京都区部コアCPI(生鮮食品を除く総合

2005年=100.0)は前年比1.5%上昇の101.6となった。7月は前年比

1.6%上昇だった。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス

1.7%で、発表された数字は予測を下回った。

 東京都区部の総合指数は前年比1.3%の上昇だった。食料(酒類を除く)およびエネ

ルギーを除く総合指数は前年比0.2%の上昇だった。

 

 <引き続きエネルギー・食料品が押し上げ寄与>

 

 7月全国コアCPIの上昇については、石油製品などのエネルギー、生鮮食品を除く食

料が引き続き寄与した。ガソリンなど石油製品の前年比上昇率は28.8%と6月の

23.9%から加速した。

 生鮮食品を除く食料の価格は、前年比3.8%と6月の3.5%から上昇幅が拡大。食

料で上昇幅が拡大したのはチョコレート(27.6%上昇)、食パン(20.1%)など

だった。一方、このところ上昇の目立っていたスパゲッティや即席めんは、6月よりも上

昇幅が縮小した。

 

 8月東京都区部コアCPIについても、エネルギーが押し上げに寄与したものの、伸び

率は鈍化し、石油製品は前年比26.8%と7月(28.9%)に比べ上げ幅が縮小し

た。また、これまで上昇が加速していた食品でも穀類が6.3%となり、7月(6.4

%)から伸びが鈍化した。

 総務省によると、東京都区部のガソリン価格は引き続き過去最高水準にあるが、前年比

の上昇率は鈍化した。ガソリン価格は前年後半から急速に上昇したことから、仮に今後ガ

ソリン価格が横ばい圏内で推移した場合「上昇幅が縮小していくのは年後半から」(総務

省)という。

 

 <8月はプラス2.3─2.4%で高止まり>

 

 発表を受けて金融市場からは「CPIの2%台はそれなりのインパクトがあるが、原油

市場が下落基調にあり、CPIは7─9月をピークに鈍化方向にある。マーケットのテー

マがインフレから欧米金融不安・景気後退に移行しているため、円債の反応が限られるの

ではないか。8月東京都区部CPIは市場予想を下回ったが、最終段階で消費が低迷し、

原材料高を価格転嫁できなかった影響があるのではないか」(大和証券SMBC・チーフ

マーケットアナリストの野村真司氏)との見方が出ている。

 

 8月分の全国コアCPIについてエコノミストからは、「前年比プラス2.4%」(三

井住友アセットマネジメント・チーフエコノミストの宅森昭吉氏)、「プラス2.4%の

まま、ないしプラス2.3%に鈍化」(みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野

泰也氏)などの予想があり、2%台で高止まりするとみられている。今後を占う上で「ガ

ソリン価格の8月に入ってからの値崩れが消費者物価にどう出るのか」(カリヨン証券チ

ーフエコノミストの加藤進氏)が注目点だが、「CPIの伸びは目先のピークを付けた」

(野村証券シニアストラテジストの冨永敦生氏)との見方が浮上している。

 

 詳細は以下の通り。

東京都区部消費者物価

     [単位:%]

━━━━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━

        │    東京都区部・総合   │  生鮮食品を除く・総合

        ┝━━━━━━━┯━━━━━━━┿━━━━━━━┯━━━━━━━

        │  前月比  │  前年比  │  前月比  │  前年比

━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━

08年 8月  | +0.1  | +1.3  | +0.2  | +1.5 

    7月  | ‐0.1  | +1.6  | +0.1  | +1.6  

    6月  | +0.3  | +1.5  | +0.2  | +1.3

━━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━

(注)2005年=100

 全国消費者物価

                                (単位:%)

━━━━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━━━━━━━

        │     全国・総合     │  生鮮食品を除く・総合

        ┝━━━━━━━┯━━━━━━━┿━━━━━━━┯━━━━━━━

        │  前月比  │  前年比  │  前月比  │  前年比

━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━

08年 7月  | +0.2  | +2.3  | +0.4  | +2.4

08年 6月  | +0.5  | +2.0  | +0.4  | +1.9

    5月  | +0.8  | +1.3  | +0.8  | +1.5

━━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━

(注)2005年=100

  

  (ロイター日本語ニュース 武田 晃子記者) 

(akiko.takeda@thomsonreuters.com; 03-6441-1833; ロイターメッセージング:

akiko.takeda.reuters.com@reuters.net)

 

 *総務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。

  here

 
写真
NY外為市場は円とドルが下落

9日のNY市場では、ドルが下落。円も最近の上げ幅を縮小。米新規失業保険週間申請件数が減少し、米景気懸念が幾分和らいだ。  記事の全文 | 関連記事 

 

編集長のおすすめ

  • ニュース
  • 写真
  • ビデオ
  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率

株価検索

会社名銘柄コード
 
写真

金融不安に対応した資金供給の反動による過剰流動性の台頭の可能性などを考慮すると、コモディティーに対する資金配分も高まりが見込まれる。   ブログ