〔情報BOX〕金融サミット:金融市場改革のための行動計画
[ワシントン 15日 ロイター] ワシントンで開催された緊急首脳会合(金融サミ
ット)は15日、首脳宣言において金融市場改革の共通原則として、透明性および説明責
任の強化、健全な規制の拡大、金融市場における公正性の促進、国際連携の強化、国際金
融機関の改革を挙げ、これらの原則を実行するための行動計画をとりまとめた。行動計画
は、各項目について2009年3月31日までに行う短期的措置と中期的措置で構成され
ている。短期的措置の詳細は以下の通り。
●改革のための原則を実行するための行動計画
本行動計画は、改革のための5つの合意原則を実行するために、包括的な作業計画を定
めるものである。われわれの財務大臣は、本行動計画で設定された課題が、完全かつ精力
的に実行されることを確保するよう努める。財務大臣は、国際通貨基金(IMF)や拡大
された金融安定化フォーラム(FSF)、基準設定主体を含む関連する主体による進行中
の作業に基づくこれらの提言の策定と実施に責任を持つ。
<透明性および説明責任の強化>
○2009年3月31日までの当面の措置
・世界の主要な会計基準設定主体は、特に市場の混乱時における複雑な流動性のない商品
の価格評価も考慮に入れて、証券の価格評価のガイダンスを強化するための作業を行う。
・会計基準設定主体は非連結特別目的会社のための会計および開示の基準に関するぜい弱
性に対処するための作業を大きく進展させる。
・規制当局および会計基準設定主体は、市場参加者に対する金融機関による複雑な金融商
品の義務的開示を強化する。
・金融の安定を促進する観点から、特に透明性、説明責任、およびこの独立主体と関係当
局との適切な関係を確保するために、その構成員の見直しを含め、国際会計基準設定主
体のガバナンスをさらに強化する。
・私募ファンドおよびヘッジファンドに関するベスト・プラクティスを既に策定している
民間団体は、一連の統一されたベスト・プラクティスの提案を提示する。財務大臣は、
規制当局、拡大されたFSFおよびその他の関連機関の分析に基づき、これらの提言の
適切性を評価する。
<健全な規制の拡大>
規制枠組み
○2009年3月31日までの当面の措置
・IMF、拡大されたFSFおよびその他の規制当局・主体は、景気循環の増幅効果(プ
ロシクリカリティ)を緩和するための提言をとりまとめる。価格評価とレバレッジ、銀
行の自己資本、役員報酬、引当金に関する慣行が景気循環のトレンドをいかに増幅させ
得るかについての検討を含む。
健全性に関する監督
○2009年3月31日までの当面の措置
・規制当局は、信用格付会社が証券監督当局の国際機構の最も高い規範を満たすこと、ま
た、信用格付会社が利益相反を避け、投資家および発行体への開示を強化し、複雑な金
融商品に関する格付を区別することを確保するための措置をとる。これは、信用格付会
社が偏りのない情報および分析を市場に提供するという重要な役割を果たせるよう、適
切なインセンティブと適切な監督を得られることを確保することに資する。
・証券監督当局の国際機構は、信用格付会社による規範の採用とその順守を監視するメカ
ニズムの採用を検討する。
・当局は、金融機関が信認を維持するために十分な量の資本を維持することを確保する。
国際基準設定主体は、銀行の仕組み金融や証券化業務について、より厳しい資本要件を
設定する。
・監督当局および規制当局は、いくつかの国においてクレジット・デフォルト・スワップ
(CDS)のための清算機関が間もなく開始されることを踏まえ、CDSおよび店頭
(OTC)デリバティブ取引のシステミックリスクを低減させるための努力を加速し、
市場参加者がCDS契約のための取引所取引または電子取引基盤を支持するよう要求し、
OTCデリバティブ市場の透明性を向上させ、さらに、OTCデリバティブのためのイ
ンフラが、増加する取引高を支えられるものとなるよう努める。
リスク管理
○2009年3月31日までの当面の措置
・規制当局は、銀行のリスク管理の慣行を強化するため、国際的なベスト・プラクティス
に沿って、強化されたガイダンスを策定するとともに、金融機関が内部管理を再検討し、
より強力な、健全なリスク管理のための指針を実施することを促す。
・規制当局は、強力な流動性緩和策の策定によることも含め、金融機関が流動性リスクを
より良く管理するための方針を実施することを確保するための手続きを策定し、実施す
る。
・監督当局は、金融機関が商品や地域ごとに、リスクの集中や大規模なカウンターパーテ
ィ・リスクに関するポジションを適時かつ包括的に計測するための手法を策定すること
を確保する。
・金融機関は、ストレス時に備えるためのリスク管理モデルを再評価し、その取り組みを
規制当局に報告する。
・バーゼル委員会は、必要に応じて金融機関の新たなストレス・テスト・モデルの必要性
を調査するとともに、その開発を支援する。
・金融機関は、安定を促進するための内部的なインセンティブを持つとともに、報酬体系
が過度に短期的な利益追求またはリスク・テイクに報いるようなものとならないよう、
自主努力または規制措置を通じて必要な措置がとられる必要がある。
・銀行は、仕組み商品および証券化について有効なリスク管理およびデュー・デリジェン
スを行う。
<金融市場における公正性の促進>
○2009年3月31日までの当面の措置
・各国および地域当局は、地域および国際レベルでの規制上の協力を強化するために協働
する。
・各国および地域当局は、市場の安定に対する国内あるいは国境を越えた脅威に関する情
報交換を促進するために行動し、各国(あるいは場合により地域)の法規定が、これら
の脅威に対処するために十分なものであることを確保する。
・各国および地域当局は、また、特に相場操縦と詐欺行為から市場および投資家を守るた
め、公正取引規制を見直し、不正を行う主体から国際金融システムを守るため、国境を
越えた協力を強化する。不正に対しては、しかるべき制裁制度が存在する。
<国際連携の強化>
○2009年3月31日までの当面の措置
・監督当局は、国境を越えて活動する金融機関のサーベイランスを強化する取り組みの一
環として、国境を越えて活動する主要な金融機関のすべてに監督カレッジを設置するた
めに協力する。国際的に活動する主要な銀行は、監督カレッジと定期的に会合し、金融
機関の活動と直面するリスクに対する評価について、包括的な議論を行う。
・規制当局は、相互に、また他の適切な当局と協力、連絡するといった国境を越えた危機
管理体制を強化するために必要なすべての対策を講じる。また、包括的なコンタクト・
リストを作成し、状況に応じ、シミュレーションを実施する。
<国際金融機関の改革>
○2009年3月31日までの当面の措置
・FSFは加盟国をより広く新興市場国に拡大する。
・IMFはサーベイランスに焦点をあて、拡大されたFSFは基準設定に焦点をあてて協
働を強化し、規制上および監督上の対応をマクロ健全性政策の枠組みに組み入れるとと
もに、早期警戒を実施する。
・IMFは、その普遍的なメンバーシップと中核的なマクロ金融上の専門性にかんがみ、
FSFなどと緊密に連携しながら、その権限に沿って、現下の危機から教訓を引き出す
ために指導的な役割を果たす。
・われわれは、IMF、世界銀行グループ、その他の国際開発金融機関の資金基盤が十分
であるかどうか見直し、必要な場合には、資金基盤を増加させる用意がある。国際金融
機関(IFI)はまた、引き続き加盟国のニーズを十分に満たすべく、その融資手法を
見直し、適応させるとともに、現下の金融危機にかんがみ、融資に関する役割を改変す
る。
・われわれは、新興市場国および途上国の信用へのアクセスを回復し、進行中のインフラ
投資を含め、持続的な成長と開発に決定的に重要な民間資金フローを再開させるための
方法を探求する。
・厳しい市場の混乱により、景気循環を緩和させるための財政政策に必要な資金へのアク
セスが制限される場合には、国際開発金融機関は、良好な実績と健全な政策を有する国
に対して必要に応じて支援を行う仕組みが整っていることを確保する。
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