〔クロスマーケットアイ〕GM救済シナリオ描けず気迷い、新興国のカントリーリスクも警戒

2008年 12月 1日 14:49 JST
 
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<東京市場 1日>

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日経平均   |国債先物12月限| 国債296回債  |ドル/円(14:00) |

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   8345.83円 | 139.42円 | 1.395% | 95.33/36円 |

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-166.44円 | +0.04円 | +0.005% | 95.50/56円  |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 1日 ロイター] 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)の救済

をめぐる動きが今週、最終盤に入る。金融市場では、米連邦破産法11条(チャプター1

1)の適用申請による再建という「ハードランディングシナリオは捨てきれない」として、

リスクポジションを取る動きが広がらない。インドやタイなど新興国のカントリーリス

クが高まる中で、仮にチャプター11申請という事態になれば「第2のリーマンショック」

とも言えるような動揺が走るおそれもある。

 <株式市場には利益確定売り、内外にリスク>

 株式市場では日経平均.N225が反落。前週安値からの上昇幅が約1000円となった

ことで主力株を中心に利益確定売りが先行している。「今晩にも明らかになる感謝祭後の

クリスマス商戦の結果を見たいとの気分が強く、様子見ムードが支配している。時間外取

引で米株式先物が軟調なことも上値を抑える要因になっているようだ」(東洋証券・シニ

アストラテジストの児玉克彦氏)という。

 新光証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏は「感謝祭後の金曜日、ブラック・フ

ライデーの米小売販売が予想外に好調だったと伝えられているが、今週発表される米IS

M製造業景気指数や米雇用統計などマクロ指標は厳しい数字が予想されている。悪い数字

が出れば素直に売られるとの予想が多い」と話している。きょうの動きについては、ドレ

ッシング買いの反動も面もある、という。

 地合いが慎重になる中で、インドやタイなど新興国のカントリーリスクの高まりや、国

内的にも、上場からわずか9カ月でモリモト8899.Tが民事再生手続き開始の申し立てを

行うなど不動産業界への懸念が一段と強まっており、買いの手は引き気味だ。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は11月27日、インドのソ

ブリン格付けについて、ムンバイで発生した同時攻撃の影響はない、としながらも「短期

的には為替や株式への悪影響を想定しているほか、観光客数は減少する見通し」と述べて

いる。

 タイに関してS&Pは9月の段階ですでに「政局混迷が深まり、政権支持者と反政府団

体の衝突がエスカレートした場合、ソブリン格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」

に引き下げる可能性がある」と警告している。

 <GM破たんなら、米国株以上の影響か>

 米自動車大手の再建策が不透明なことも見送り材料にされている。2日の米自動車ビッ

グスリーによる経営再建案の提出を受けて、5日に米下院金融委員会が自動車業界救済に

ついて公聴会を予定している。

 ちばぎんアセットマネジメント専務の安藤富士男氏は「米自動車大手の経営問題は米国

株以上に日本株の重しとなっている」と指摘する。「救済に向けた米議会での審議が進ま

ず再建断念となれば、雇用に影響し、米個人消費にとって打撃だ。輸出依存度の高い日本

企業への影響は大きい。直接的にはビッグ3向けの部品を供給している国内自動車部品メ

ーカーの収益が悪化しそうだ」と懸念している。

 また、明和証券シニア・マーケットアナリストの矢野正義氏は「GMが救済されるかど

うかは、現時点では可能性はまだ五分五分ではないか。米国の大きな問題となっていたの

はシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)とGMだが、シティが救済されても、一般事業会社であるGMの

救済については別の意味でモラルハザードが意識されるかもしれない」と話している。

 関係筋によると、GMの取締役会は11月30日に会合を開き、コスト削減や米政府か

らの最大120億ドルの緊急融資獲得を目指したリストラ計画の見直しを行った。GMの

スポークスマン、トム・ウィルキンソン氏は「事業計画の提出に向けて進んでいる」と述

べた。

 <円債市場でも、期待感と警戒感が交錯>

 GMの問題は株式市場だけではなく、為替、債券、クレジットなどあらゆる市場に波及

するため、きょうの円債市場でも、再建策への期待感と警戒感が交錯している。

 三菱UFJ証券・チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、つなぎ融資など緊急避難的

な金融支援によるソフトランディングなのか、それとも連邦破産法適用などによるハード

ランディングなのか、市場の見方は分かれている、という。

 石井氏は、結論は新年に持ち越しになりそうで、その間、世界の株式市場は先行き不透

明感から下値不安がくすぶり続け、金融市場では「質への逃避」の動きが加速、イールド

カーブのブル・スティープ化が進行する場面がありそうだ、とみる。

 ただ、早期の決着の可能性もあり、「経営破たんとなれば、やはりネガティブ・サプラ

イズが避けられない」という。

 GM問題のほか、今週は、米国で重要な指標発表が相次ぐため見極めたい、とのムード

が強く、きょうの相場は方向感が出ていない。

 国内金融機関の債券担当者は「12月に入った初日から日経平均が下落し、前週までの

株価に対する楽観ムードが消えた。米国に続いて欧州でも、年末に向けて金融不安が一段

と深刻化する兆しが見え始めている。年末に向けて日米欧とも流動性が枯渇し、破たんは

金融機関だけではなく、一般企業にも波及する可能性がある。キャッシュや短期債を選好

する流れが強まる」と指摘している。

 また、短期金融市場で日銀が量的緩和解除後で最大となる総額5兆円の国債買い現先オ

ペを実施、レポ金利の低下に向けた日銀の大量供給の継続に期待する声も聞かれた。

 <ユーロに弱さ、ドルも買えず>

 為替市場も大きな動きはないが、ややユーロの売りが目立った。

 欧州の実体経済の悪さが再認識され、4日の欧州中銀(ECB)理事会では利下げ幅が

75ベーシスポイント(bp)に拡大するとの観測が浮上、ユーロ/円は、朝方から輸出

企業や短期筋によるユーロ売り/円買いが断続的に出て120.17円まで下落した。

 ユーロ/円の値動きはドル/円にも影響。短期筋を中心にドル/円、ドル/スイスフラ

ンでドル売りを進め、一時きょうの安値95.17円に下落した。しかし、アジアネーム

の買いなどにより下げ渋った。

 ただ、今週末の米雇用統計や米自動車業界救済に関する公聴会も注目されており、「ド

ルを積極的に買う展開ではない」(国内金融機関)という。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:田巻 一彦)

 

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