UPDATE1:「骨太方針2009」を閣議決定、歳出改革に後退感
[東京 23日 ロイター] 政府の経済財政運営の指針となる「骨太の方針2009」が23日、閣議決定された。最優先課題として経済の底割れ防止と確実な底入れ・反転の実現を掲げる一方、少子高齢化や格差拡大による構造問題に対して社会保障の機能強化や雇用を軸とした生活安心保障の再構築など中長期的な取り組みを打ち出したのが特徴。社会保障制度を持続可能なものとするために、債務残高対国内総生産(GDP)比を2020年代初めに安定的に引き下げる新たな財政健全化目標を明記し、中・長期的な財政再建スタンスに揺るぎがないことも強調した。
しかし、2010年度予算編成に関して、与党調整の過程で、社会保障費の自然増を年2200億円抑制してきた方針が棚上げされることが決まった。政府原案の「『基本方針2006』等を踏まえ、歳出改革を継続しつつ、安心と活力の両立を目指して現下の経済社会状況への必要な対応を行う」に「安心安全を確保するために社会保障の必要な修復をする」を加筆し、「昨年度とは異なる概算要求基準を設定」する方針を明記した。
歳出・歳入一体改革の指針となってきた「骨太の方針2006」は辛うじて残ったが、2007年度以降進めてきた歳出改革の後退感は否めない。
<公共事業削減目標は当然踏襲、与謝野財務相は歳出改革の緩みを否定>
これに対して閣議後に会見した与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は「『骨太09』の歳出改革は『骨太06』の精神を全面的に引き継いでいる」と強調。「歳出改革が緩んでいることはあってはならないし、またあり得ない」と路線転換を否定。
社会保障の自然増には「借金であっても予算上手当てしなければならない」と述べ、赤字国債を発行してでも必要な予算はつける考えを示したが、一方でジェネリック(後発)医薬品など社会保障分野の効率化による節約の重要性も強調。「無理のない範囲で最大限の抑制をする。(骨太06で定めた)2011年度までに累積で1兆1000億円抑えることについては変わっていない」と語った。
公共事業関係費について、前年度比1%─3%減の削減目標は「当然やる」と断言。社会保障以外の分野別削減目標を堅持する考えも繰り返した。
<歳出改革の遅れ、将来の増税幅にも影響か>
今回の「骨太」では、世界的な金融危機による景気後退による税収減の影響で、政府が掲げてきた財政健全化目標の2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化も正式に断念。新たに「10年以内のプライマリーバランス黒字化」と、「5年を待たずに国・地方のプライマリーバランス赤字の対GDP比を少なくとも半減させる」目標を設定し、財政健全化の取り組みを明確にした。
しかし、新たな健全化目標の中核に置いた債務残高対GDP比が安定的に低下し目標が達成されるのは、世界経済が急回復するか、順調回復下で消費税を12%に引き上げる場合。歳出改革が遅れれば、消費税増税幅が12%以上に拡大する可能性も否定できない。来年度予算編成では、社会保障費の伸びの2200億円抑制撤回でどのような社会保障機能強化が行われるかが一段と注目される。政府は「骨太の方針」を踏まえ、来週中の概算要求基準(シーリング)とりまとめを行う。
*「骨太の方針2009」の骨子は[nTK0274077]を参照下さい。
(ロイターニュース 吉川 裕子)
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