〔クロスマーケットアイ〕読みにくい政局インパクト、株安でも円・金利動かず

2009年 07月 13日 13:52 JST
 
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<東京市場 13日>

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日経平均   |国債先物9月限 | 国債302回債  |ドル/円(13:30) |

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   9192.84円 | 138.85円 | 1.295% | 92.51/55円 |

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-94.44円 | +0.01円 | 変わらず | 92.48/52円  |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。

 [東京 13日 ロイター] 麻生太郎首相が衆院の解散・総選挙時期で与党と合意、

市場は株安で反応しているが、いまのところ大きなうねりにはなっていない。円相場や長

期金利は動きが止まっている。市場参加者は次期衆院選での政権交代をにらみつつあるも

のの、相場へのインパクトを読みかねている、という。取引材料としては米国経済や金融

問題への関心が高く、日本の政治を単独で取り出して売買するセンチメントにはなってい

ない。

 <解散報道で短期筋が株売り>

 東京株式市場では日経平均.N225が9日続落。為替が1ドル92円台後半と円高が一

服したことで、一時は反発する場面もあったが続かなかった。午後に入り、「7月21日

衆院解散─8月30日投票」とのニュースが流れると下げ幅をやや広げた。市場筋による

と、相場の展開が読みきれないため、押し目買いムードが一時的に後退、短期筋の売りに

押された。

 もともと朝方から様子見ムードが強く、「短期テクニカル的な売られ過ぎ感からリター

ンリバーサルの買いが入ったものの、短期資金が中心で実需勢は引き続き様子見姿勢だ。

資金の一部はリスク回避の観点からディフェンシブ銘柄にシフトしている」(コスモ証券

エクイティ部次長の中島肇氏)との声が出ていた。

 12日に投開票された東京都議会議員選挙で自民党が惨敗し、衆院選を控えた政局は一

段と不透明感を増しており、「売り方のショートカバー以外にマネーフローは見当たらず、

上値を買っていく状況でもない」(みずほ証券エクイティ調査部シニアテクニカルアナ

リストの三浦豊氏)という。

 このところの金融市場は総選挙後に民主党を中心とした政権が誕生する可能性をある程

度織り込みつつある。「民主党政権は国民の変革期待を表すものであり、株式市場にとっ

てポジディブ。家計支援策なども景気にプラス効果がある」(大手証券)との見方がある

一方で、クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジストの市川眞一氏は「あ

くまで政治的要因に限れば民主党政権誕生の場合、外貨準備の見直し観測からの円高や日

米関係の悪化、財政赤字の拡大懸念、労働力コストの上昇圧力などにより目先的には株式、

債券両市場においてマイナスの材料となる可能性がある」とみている。

 市川氏は「民主党がマニフェストに盛り込むと言われている大胆な政策決定プロセスの

改革も、将来に向けての大きな変化への期待感を高める一方において、足元の混乱をもた

らし、一時的に政策が停滞するおそれがある」と話している。

 

 <焦点はファンダメンタルズ>

 

 為替市場では、先週大幅に下落したユーロ円の買い戻しにつられ、ドルが一時93円に

迫る場面もあったが、株価がマイナス圏に戻ると、ユーロ円を含むクロス円の買い戻しが

一巡、ドルの上値の重さが改めて意識された。ユーロ円は安値から約1円高の

128.90円まで上昇。アジア系ファンドの買い戻しがみられたという。

  ニューヨーク・タイムズ紙は電子版で、公的資金を返済したばかりのゴールドマンが

巨額のトレーディング収益を計上する見通しと伝えた。「GSの決算が良いという話は先

週からあったが、きょう再び大幅増益と新聞で取り上げられたので、ドル買いにつながっ

ている」(邦銀)という。

 バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズ・メリルリンチは9日、ゴールドマン・サ

ックス・グループ(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)の投資判断を「バイ」に引き上げるとともに、第2・四半期の業

績予想も上方修正した。第2・四半期にトレーディング環境がよかったことで決算が予想

を上回る可能性があるためという。

 一方、次期衆院選の前哨戦として注目された東京都議会選の結果や解散・総選挙報道に

関しては、反応薄だった。

 「政治運営が経済に対してなんらかの影響を及ぼすには時間を要し、総選挙が都議選と

同様の結果になったとしても、為替相場が即座に反応する可能性は乏しい」とみずほコー

ポレート銀行・国際為替部のシニア・マーケット・ストラテジスト福井真樹氏は言う。

「日本の政治体制が相場で材料視されるとすれば、その変化が企業活力や企業の将来性に

対してどのような影響を及ぼすかという点に限定されるだろう」と同氏は言う。 

 JPモルガン・チェース銀行のチーフFXストラテジスト・佐々木融氏も「為替市場を

動かしているのはグローバル経済の動向だ。最近では回復期待が後退し、円とドルが買い

進まれる格好になっている。この環境で、日本の政治に反応して円だけ独自に動くという

ことは考えにくい」と話す。

 

 <分かれるシナリオ>

 

 円債市場はもみあい。12日に投開票された東京都議会選挙での「自民惨敗」、解散・

総選挙報道を受け、民主党政権に移った場合の青写真が浮かび上がったが、そうしたシナ

リオを織り込みにいく動きは広がらなかった。

 国債先物は前週末終値付近でもみ合ったうえ、午前の取引量は目安の1兆円に届かず、

6700億円余りにとどまった。10年最長期国債利回りも1本値。

 政権交代後のシナリオが分かれていることも、主要投資家の動きを緩慢にした一因とい

う。

 大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏は「仮に民主党が政権をとった

場合、基本的に景気対策は大きなものにならざるを得ない。追加景気対策、国債の増発リ

スクなどを考えると、円債の上値が重くなる展開になることもあり得る」と展望した。

 みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、「マニュフェストで大風

呂敷を広げた分、財源を切り詰める方向に傾きそう。必ずしも民主党政権だから債券売り

と決め付けるのは合理的ではない」と話す。そのうえで、「むしろ外貨準備の運用問題で

米国債について購入に慎重な発言が一部民主党幹部から示された経緯もあり、為替の側

面から債券高になる可能性や、政局混乱に伴う株安/債券高のケースも念頭に置く必要が

あるのではないか」という。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集 宮崎亜巳)

(hiroshi.hashimoto@thomsonreuters.com;03-6441-1790;ロイターメッセージング

:hiroshi.hashimoto.reuters.com@reuters.net)

 
 

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