〔クロスマーケットアイ〕金利上昇に天井感出ず、株高限定でも円債買いに慎重
<東京市場 10日>
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日経平均 |国債先物12月限| 国債303回債 |ドル/円(13:00) |
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9970.10円 | 137.45円 | 1.470% | 89.90/91円 |
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+161.11円 | +0.07円 | 変わらず | 90.00/04円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。
[東京 10日 ロイター] 週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁
会議が欧米市場で材料視され、前日に反応薄だった日本市場でも一日遅れで株高となった。
ただ、海外勢の動きは鈍く、日経平均は1万円を回復できていない。一方、株価の反発力
が鈍い中でも長期金利は上昇含みが続いている。国債増発がテーマとなっているだけに、
金利上昇に天井感が出ず、国内の投資家も買い見送り姿勢を変えていない。
<欧米市場に追従>
日経平均は続伸。G20財務相・中央銀行総裁会議の景気刺激策を継続するとの方針を
受けて、低金利継続の期待から欧米株価が大幅高となったことを好感し幅広く買いが入っ
た。
日経平均は1万円にとどかず、年初来高値を更新した米ダウ.DJIに比べ出遅れ感が強
まったが、とりたてて逆張りスタンスをとる投資家もみられず、先物を中心に買いが優勢
な展開になった。
市場では「13日のオプションSQ(特別清算指数)算出前の思惑的な売買を除けば、
フローは細い。海外株高を好感しているが、海外勢の動きが鈍くなっているため上値は重
い」(大手証券トレーダー)との声が出ていた。買いは短期マネーや国内年金勢とみられ
ている。
日本株の出遅れ要因として、増資への警戒感や金利上昇が挙げられているが、前場の値
上がりセクターの上位は証券、不動産、銀行と懸念が一番強い業種が並んだ。「通常、増
資は相場環境が好転した後に行われる。個別株が希薄化懸念で短期的に重くなる場合もあ
るが、基本的に相場全体が増資で崩れたケースはない」(外資系証券ストラテジスト)と
いう。
中国など新興国経済の拡大が日本株の下支え要因となっている。コマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)は年初
来高値更新、スズキ(7269.T: 株価, ニュース, レポート)は2日間(10日前場まで)で7.9%の上昇となった。
みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏は「中国株は政府の引き締め策で下落した
が、バランスのとれたハンドリングから足元では持ち直している。中国経済は政策効果が
出て成長期待を維持している。オバマ大統領の訪日、訪中が迫っているが、米中首脳会談
では、友好関係を演出しながら通商問題が最大のテーマになるだろう」と指摘している。
<リスクテーク、一部で慎重さも>
為替市場ではドルが90円をはさんで一進一退。G20で低金利政策や景気刺激策が継
続されることが確認されたとして、再びリスクテークの方向に傾いており、基調として
のドル安は続いている。ただ、クロス円は伸び悩み、前日上昇が顕著だったユーロ、英ポ
ンド、豪ドルなどの騰勢は弱まった。年末や期末を控えていることや商品などに高値警戒
感もあることから、慎重さを増している、との声もある。
市場では「90円にはそれなりの大きなオプションがあると聞いている。これをにらん
で上がれば売る、下がれば買うという取引が中心で、ドル/円に方向感が出づらい」(都
銀)との意見も聞かれる。
「G20で確認された低金利政策と景気刺激策の継続を足場に、ある程度はリスクを取
るという方向が定まり、その中でドル安が進行している」と三菱UFJ証券・為替課長の
塩入稔氏は指摘したうえで、「米国株は政府の刺激策というお膳立てがあっても、この程
度のパフォーマンスかという弱気派もいて、多少株が売られただけでユーロが売られるな
ど、振れやすい環境になっている」と述べる。
<アク抜け感出にくい>
円債市場では、国債先物が小反発する一方、長期金利は一時、1.5ベーシスポイント
高い1.485%と、6月16日以来約5カ月ぶりの高水準を付けた。
国債増発への警戒感がくすぶる中で日米で供給イベントが迫り、下値不安を払しょくで
きない状況が続いている。多くの参加者がロングポジションを持ち、含み損を抱えており、
国内勢の投資マインドは冷え込んだままという。
ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏は「前日の海外市場で米債券相場が
底堅い展開だったこともあり、ひとまず押し目買いが入ったのではないか。ただ、長期金
利がじわり上昇する過程で、なかなかアク抜けしない状況が続いている」と指摘する。
外銀の運用担当者は「主にヘッジファンドが取引する日本国ソブリンの保証料を巡り、
一部邦銀がヘッジをしにきているとの話もある。金利先高観はなお根強い」と話す。
相場が切り返すかどうかは12日実施の5年利付国債の入札結果が試金石になりそうだ
が、「5年債入札後もトレンドが変わらなければ、12月1日の10年利付国債入札まで
こうした傾向が続きかねない。年度末の補正予算や来年度予算に伴う国債発行計画に対
する不透明感が、当面は残存することになりそうだ」(ドイツ証券の山下氏)との見方も
ある。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者:編集 宮崎亜巳)
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