UPDATE1: 依然厳しい経済状況に変わりない、デフレ傾向を懸念=GDPで菅担当相
[東京 16日 ロイター] 菅直人副総理兼国家戦略担当相・経済財政担当相は16日午前、7─9月期国内総生産(GDP)の発表を受けて記者会見し、事前の市場予想を上回る高成長になったが、日本の景気は依然として厳しい状況にあるとして、2009年度2次補正予算の本格検討に着手することを明らかにした。
菅担当相は名目成長が依然としてマイナスになっている点を指摘、日本経済はデフレ的傾向が強まっていると警戒感を示し、これ以上デフレ傾向が強まらないよう日銀と十分意思疎通をとっていくと述べた。
<GDP、手放しで喜べない>
2009年7─9月期実質国内総生産(GDP)は前期比プラス1.2%、年率換算プラス4.8%となり2四半期連続のプラス成長となった。
市場の予想を上回る高い成長となったが、背景について菅担当相は、1)世界経済の改善を背景に輸出・生産が持ち直してきたこと、2)経済対策効果で個人消費に持ち直しの動きが続いていること、3)設備投資の過剰感は高いが底打ち感が出てきたこと──などをあげ、「景気持ち直しの動きを反映した結果」と説明した。
先行きについては「海外経済の改善などを背景に景気持ち直し傾向が続くことが期待される」とした。ただ、雇用情勢に厳しさがあるほか、「海外景気の下振れ懸念や金融資本市場の変動の影響など景気下押しリスク存在していることには留意しなければならない」と指摘。
景気の現状について「依然として厳しい状況に変わりない」とし、市場予想を上回る結果になったが「手放しで喜べる状況ではない」と厳しさを強調した。
一方、名目成長率が実質成長率を2四半期連続して下回り、菅担当相は「デフレ的状況に入りつつあるのではないかとの懸念をもっている」とデフレ懸念への警戒を強めた。
<2次補正予算、本格的検討へ>
厳しい景気認識を踏まえ、菅担当相は「今年度の2次補正を本格的に検討していきたい。そして本予算につないでいく」と表明。「早ければ、きょう明日にも、(2次)補正予算・(来年度)本予算をめぐっての方向性を出したい」と述べた。
補正予算では雇用・環境・景気を柱に、また、2010年度予算では「雇用・環境・景気・子供・科学技術を柱に、日本を景気回復から成長への方向につなげたい」との考えをあらためて示した。
2次補正予算の規模については、1次補正の執行停止でねん出された2.7兆円を基本とする考えについて「きょうの結果で、それを小さくすることは考えていない。影響されない」と述べた。
<デフレ的傾向強まらないよう、日銀とは十分意思疎通>
一方、デフレへの対応では、「デフレ的傾向がこれ以上強まらないよう日銀とも意思疎通をきちんととっていきたい」と述べ、日銀の金融政策に関しては「全体としては、金融緩和の現状を変えることはまだしないとのニュアンスを受け止めている」と語った。
<経産相によるGDP事前公表、報告聞いたが経緯の説明受けていない>
一方、会見では、直嶋正行経済産業相が今朝の石油連盟の会合でGDPの数値を事前に公表していた事実の認識があるかとの質問が飛び出した。正式発表前に閣僚からこうした数値が事前に漏れることの市場への影響を問われたが、菅担当相は「報告は受けたが、本人からも経緯説明を受けていないので、この時点で、あれこれ言うのは早い」と述べるにとどめた。
経済産業省関係者によると、直嶋正行経済産業相は16日午前8時から都内のホテルで行われた石油連盟との懇談会で、7─9月期国内総生産(GDP)の数字を同日午前8時50分の公表前に漏らしていた。共同通信によると、直嶋経済産業相は、前期比1.2%増、年率換算4.8%増で、いい数字だと発言したという。
(ロイターニュース 吉川裕子 伊藤純夫)
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