〔クロスマーケットアイ〕GDP上振れでも株価伸びず、ファイナンス懸念が顕在化
<東京市場 16日>
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日経平均 |国債先物12月限| 国債303回債 |ドル/円(11:44) |
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9782.69円 | 138.87円 | 1.335% | 89.61/66円 |
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+12.38円 | -0.01円 | 変わらず | 89.65/70円 |
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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。
下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。
[東京 16日 ロイター] 週明け16日午前の東京市場は、日経平均株価が小幅高
にとどまる一方、債券市場で国債先物が底堅く推移した。内閣府が朝方発表した2009
年7―9月期実質国内総生産(GDP)は前期比プラス1.2%と予想対比で上振れした
が、都市銀行など金融セクターの大型増資に対する警戒感が強まっていることを浮き彫り
にした。市場では、企業向け貸し出しが低迷するなかで調達資金は国債に向かうのではと
の観測もあり、今後、株安/債券高のマネーフローが増える可能性がありそうだ。
<GDPは「ポジティブ・サプライズ」の声>
内閣府が16日発表した2009年7―9月期国民所得統計1次速報によると、実質国
内総生産(GDP)は前期比プラス1.2%、年率換算プラス4.8%となり、4―6月
期の前期比プラス0.7%に続き、2四半期連続のプラス成長となった。伸び率は07年
1─3月期(年率プラス5.7%)以来の高い水準。内閣府の津村啓介政務官は「景気の
持ち直しの動きを反映した」と評価した。
市場でも好感する声が上がった。設備投資が前期比プラス1.6%と6四半期ぶりのプ
ラスに転じたほか、在庫の寄与度もプラス0.4%と3四半期ぶりにプラス転換したため
だ。「予想よりも上振れており、ポジティブ・サプライズ。設備投資などが予想よりも高
かった」(大和証券SMBC金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏)との声が広
がり、朝方の東京市場は株高/債券安で始まった。外為市場では若干の円高が進行した。
それでも取引一巡後は株価が値下がりする一方、債券市場で国債先物が買われる場面が
あったのは、大型増資への懸念が根強いことが背景にあると専門家は指摘する。
<外国人投資家は日本株よりアジア株を選好>
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)が、年内にも1兆円規模の公募増資を実
施する方針であることが14日、明らかになった。同社の時価総額は13日終値ベースで
5兆9173億円。発行株式数が約17%弱増えることになる。希薄化への懸念が優勢と
なり、16日の取引で同社株の下落率は5%に迫った。
野村証券プロダクト・マーケティング部マーケット情報課長の佐藤雅彦氏は「GDP自
体はポジティブサプライズだが、株式市場はGDPの上振れを好意的には受け入れないだ
ろう」と話す。
国内企業の決算発表は悪くない。しかし「先行き不透明感があることや増資による希薄
化懸念のほか、民主党政権に関して財政赤字拡大の懸念が払拭できないなど政策の方向性
が不明確といったことなどが背景にあり、外国人投資家が日本株よりもアジア株を選好し
ている」と、同氏は指摘する。
<国債先物は、節目の139円に迫る場面も>
債券市場でも大型増資が意識された。国債先物は安寄り後に139円の大台に迫り、中
心限月12月限が前週末終値より6銭高い138円94銭に浮上する場面があった。「こ
れまでも大手行の大型増資が想定されてきたためアク抜け感も出そうだが、それでも株式
需給の重しになることに変わりない」(国内証券)との見方が先行したという。
こうした動きが長期金利の潜在的な低下圧力になるとの読みもある。三菱UFJ証券・
チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、1)単純な株安/債券高というマネーフロー、
2)大手行が調達した大型資本の運用先として国債を選択することを挙げる。
同氏は「最終的には中小企業向け等の貸し出しに振り向ける必要はあるが、資金需要が
全般的に乏しいとみられるうえ、銀行はリスク・アセットを極力抑制する必要に迫られ、
国債保有のインセンティブが一段と高まっていきそうだ」とみている。
(ロイター日本語ニュース 山口 貴也記者 ;編集 宮崎亜巳)
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