インタビュー: 資生堂<4911.T>、中国市場での売上伸長率は市場の伸びの2倍を確保したい=社長
[東京 16日 ロイター] 資生堂(4911.T: 株価, ニュース, レポート)の前田新造社長は16日、ロイターのインタビューに応じ、収益のけん引役となっている中国市場での売り上げの伸びは、中国化粧品市場の伸びの2倍を確保していきたいとの考えを示した。現在6000万人の中国での化粧人口は、2010年に1億人、2020年には4億人に達する見込みだという。
資生堂の海外売上高比率は09年3月期で約38%。2018年3月期には売上高1兆円のうち、海外比率50%超にする計画。そのけん引役となるのは、中国事業だ。現在、中国事業の売上高は連結売上高の11%を占めている。
前田社長は、中国事業について「グループ全体の成長のシンボルであり、成長をけん引するとの位置付けは(2012年3月期から始まる次期中計でも)変わらない」と述べた。中国をはじめとしてアジアでは、中間所得者層が増加し、化粧人口の飛躍的な伸びが期待できるという。
2009年3月期から始まった現在の3カ年計画では、10%で伸びている中国化粧品市場において、3年平均で20%の伸びを計画している。前田社長は、次期中計でも「同程度のパフォーマンスを出していきたい」と述べ、市場の伸びの2倍の伸びを確保したい考えを示した。
<国内低価格帯市場への対応、アジアのマステージと共通展開へ>
国内市場については「失業率が高く、所得環境が改善しない中では、消費マインドの大きな改善はなさそうだ。マインドが回復するのは、2011年度の上期後半か下期になるだろう」との見通しを示した。
厳しい消費環境の中で、化粧品も低価格帯へのシフトが起きている。国内化粧品市場では、低価格帯:中価格帯:高価格帯が5割、3割、2割であるのに対し、資生堂は4割、4割、2割と低価格帯への対応がやや弱い。前田社長は、資生堂が特意とする高価格帯を伸ばし、中価格帯での地盤を固めながら、低価格帯のウエートを徐々に高めていく方針を示した。その際には、単に低価格化を進めるのではなく「グローバルレベルでの手の打ち方がある。アジアでは増加している中間所得層によって、プレステージよりリーズナブルだが、マスよりは付加価値が高い『マステージ』の需要が高まっている。これは、日本では低価格に位置する。共通展開できる」と指摘。例えば、日本で03年に発売を開始した「マジョリカ マジョルカ」は、05年に台湾、08年から香港、タイ、マレーシア、シンガポールで発売し、共通展開の先行例となっている。今後、新しい共通ブランドを展開するかどうかについては「いろいろな選択肢を幅広く考えていく」と述べるにとどめた。
国内化粧品市場は当面厳しいとの認識のなかで、2010年3月期の売上高6500億円(前年比5.8%減)、営業利益は500億円(同0.2%増)の計画を達成するには、下期の国内化粧品売上高で3%増という計画を達成できるかがポイントになると指摘。「昨年は10月に仕入れの抑制をしたほか、リーマンショックもあった。悪過ぎた前年との比較では、3%の伸びは十分に可能だ」と述べた。
ただ、2008年3月期に記録した営業最高益の水準に戻るのは、2012年3月期から始まる次期3カ年計画の早い段階になるとの見通しを示した。また、2011年3月期に目標としていた営業利益率10%以上は達成時期が後ずれし「2012年3月期からの次期中計のなるべく早い段階で達成したい」とした。
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(ロイターニュース 清水 律子記者 西谷 優美子記者)
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