再送:〔株式スコープ〕10年3月期は経常2.3%増益、回復リードする加工産業

2009年 11月 17日 07:31 JST
 
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*この記事は16日午後5時09分に送信しました。

    <東京市場・16日>

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        |     経常利益の増減率     |  業種区分け一覧  │

  関連業種   ┼─────┬─────┬─────┼───────────┼

         |上半期実績|下半期予想| 通期予想 |   <製造業>    │

━━━━━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿素材=繊維、紙パ、化学│

素材産業     |  ─90.2| 黒字転換|  ─19.2|石油・石炭、ガラス土石│

─────────┼─────┼─────┼─────┼鉄鋼、非鉄金属    │

加工産業     |  ─83.8| 黒字転換|   71.0│加工=食品、薬品、ゴム│

─────────┼─────┼─────┼─────┼金属製品、機械、電機 │

製造業      |  ─85.9| 黒字転換|   27.3|輸送機器、精密機器  │

━━━━━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿その他製造      │

非製造業     |  ─16.8|  1303.5|   52.9|  <非製造業>   │

━━━━━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿水産・農林、鉱業、建設│

非製造(除く金融)|  ─29.1|   37.2|   ─8.5|電気・ガス、陸運、海運│

━━━━━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿空運、倉庫、情報・通信|

全産業      |  ─55.7| 黒字転換|   43.7|卸売り、小売り、銀行 │

━━━━━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┿保険、その他金融   |

全産業(除く金融)|  ─61.8| 黒字転換|    2.3|不動産、サービス   │

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*新光総合研究所の算出データをもとに作成。

*単位は%、増減率は前年との比較。

 水野 文也記者

 [東京 16日 ロイター] 出そろった上半期の決算は予想よりも好調で、金融業を

除く東証1部上場企業の2010年3月期見通しは経常利益が前年比2.3%増とプラス

に転換、企業業績の復調がうかがえる。回復をリードしているのは加工産業で、輸出が好

調に推移しているほか、エコカー減税など国内の政策効果も貢献した。ただ、息切れも心

配されており、政策対応が回復持続のポイントになるとの指摘もある。

 内閣府が16日発表した2009年7―9月期国民所得統計1次速報によると、実質国

内総生産(GDP)は前期比プラス1.2%、年率換算プラス4.8%となり、ロイター

の事前調査の予測中央値は前期比プラス0.7%、年率プラス2.9%予想を上回る高い

成長だったが、これを裏付けるかのように決算の集計数値も回復色を鮮明にしている。

 新光総合研究所がまとめた2010年3月期上半期(4─9月、第2四半期累計)決算

集計(東証1部・除く金融)によると、13日までに決算内容を開示した1200社(対

象はデータ取得可能な金融を除く東証1部上場企業、全1201社で開示率は99.9%)

の10年3月期業績見通しは、経常利益増減率は2.3%増、営業利益は6.9%減と

小幅減益にとどまる見通しだ。

 

 きょう発表のGDPは、1)世界経済の改善を背景にした輸出・生産が持ち直し、2)

経済対策効果で個人消費に持ち直しの動きが続いている、3)設備投資の過剰感は高いが

底打ち感が出てきた──などが好調な理由として挙げられている。ミクロ経済の状況は、

世界経済の回復と経済対策の効果によって、製造業のうち電機や輸送機器など加工産業が

前年比71%増益を見込んでいる。

 加工産業からは「本格的に需要が回復した中国に加え、インドネシアなど他の新興国で

も回復の兆しが出ている」(コマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)の木下憲治CFO)「(エコカー減税の効果

について)保有車代替の進展で大きな成果上がっているのは間違いない」(トヨタ自動車

(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の一丸陽一郎副社長)などの声が出ていた。

 ただ、設備投資は底打ち感が出てきたものの、先行きは懸念材料も抱えている。下半期

以降について「足元は堅調だが、各国の景気刺激策によるところもあり、持続性について

不透明感がある。米国のクリスマス商戦の結果で、1─3月の動きがみえてくるのではな

いか」(東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)の村岡富美雄副社長)、「クリスマス商戦の結果次第では、在庫が

増加する懸念が生じる。クリスマス商戦を注視したい」(東レ(3402.T: 株価, ニュース, レポート)の日覺昭廣副社長)

などの声が出ており、こうした慎重な姿勢が設備投資の手控えにつながっているようだ。

 実際、工場建設を担う建設業界からは「民間工場の建設工事が大幅に落ち込み、これが

収益を押し下げる要因になった」(清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)の黒澤成吉専務)との指摘が出てい

る。同社では上半期の受注高のうち、工場関連が前年同期比で80%ダウン。業種別では

電気機械向けが同92.6%減、輸送機器が同75.8%減と輸出関連企業を中心とした

設備投資の動きが冷えている。

 これまでの業績回復には、企業の合理化効果が大きく寄与しており、業績と景気の回復

が連動していない可能性を指摘する声も出ている。博報堂DYホールディングス(2433.T: 株価, ニュース, レポート)

が上半期の決算発表で明らかにした業種別売上高は、自動車・関連品が29.7%減、情

報・通信が28.2%減、飲料・し好品が13.9%減と「これまでシェアが大きい業種

の減少額が目立った」(沢田邦彦専務)という。全体でも14.0%減となり、企業が経

費を切り詰め、利益確保に動いた様子がうかがえる。

 大手生保系投信の運用担当者は「企業が努力したところに世界的な景気対策の効果が加

わり、業績回復の構図が描けるようになった。対策効果が息切れすると、合理化では、吸

収し切れないリスクが生じそうだ」と分析していた。

 一方で「景気低迷の影響は百貨店など付帯事業にとどまらず、比較的影響を受けにくい

とされる鉄道事業にも今回はインパクトを与えた」(小田急電鉄(9007.T: 株価, ニュース, レポート)の早野晃司常務)

とされるなど、内需は依然として低迷から抜け出す様子が感じられない。

 菅直人副総理兼国家戦略・経済財政担当相は、日本経済が依然として厳しい状況にある

として、2009年度第2次補正予算の本格検討に着手することを明らかにしたが、業績

回復をより確かにするために、景気テコ入れや成長分野育成などの政策対応が、今後のカ

ギになるとの見方も出ている。

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(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

 
 

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