WRAPUP2: G7、金融機関も危機対応コストを負担すべきとの認識で大筋合意

2010年 02月 7日 09:09 JST
 
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 [イカルイト(カナダ) 6日 ロイター] カナダ北部のイカルイトで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は6日、金融危機への対応でかかったコストを金融機関も負担すべきとの認識で大筋合意して、閉幕した。国際通貨基金(IMF)が4月に詳細を報告する。為替については、前回声明の文言を変更する必要はないとの認識で一致した。同会合では共同声明の採択が見送られたが、G7は今後、率直な意見交換を重視する観点から、非公式会合の色彩を強めていくことになりそうだ。

 <景気刺激策の継続で一致>

 今回の会合では、共同声明の採択が見送られたことから、議長国カナダのフレアティ財務相が共同会見の冒頭に総括。世界経済については「改善しつつあるものの、回復はまだ確固なものではない」として、回復が確実なものとなるまで刺激策を続ける必要があるとの認識を示す一方で、「出口戦略に目を向けて、より持続可能な財政に向け動き始めるべきだ」とも述べ、財政健全化に取り組んでいく必要性も強調した。

 <ギリシャ財政問題も議論>

 財政問題をめぐっては、ギリシャに対する懸念が高まっているが、欧州側がギリシャの財政健全化計画に関する最新情報を報告した。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は「ギリシャ政府は財政赤字を2012年に対国内総生産(GDP)比で3%以下にするという中期目標を設定し、ECB政策理事会も了承した。ギリシャ政府が目標達成に必要なあらゆる決断を行うと、われわれは想定し確信している」と表明。ガイトナー米財務長官は「ギリシャ経済が直面する問題に対処するための計画について、欧州側から極めて包括的な説明があった。この問題に高度の注意を払って対処すると欧州は明言した」と語った。

 こうした反応に対し、ショイブレ独財務相は「欧州以外のG7メンバーは、欧州がギリシャの問題に対処し解決できるとの強い印象を持った」と述べた。

 バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(ニューヨーク)のシニアカレンシーストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「トリシェECB総裁の発言は、週明け8日の市場に影響を与えることはないだろう。問題は、市場のリスク回避ムードが当面続くだろうということだ。市場を支援するのは、トリシェ総裁の発言でなく、今後でてくる経済指標や株式市場のさらなる持ち直しだろう。必要なのは、ギリシャがデフォルトしないよう、ギリシャに追加支援するEUとしての合意だ」とコメントした。

 <金融規制強化で一致>

 今回のG7では金融規制強化も柱の1つ。ガイトナー米財務長官は「われわれが昨年9月にコミットしたタイムテーブルに沿って、強力かつ包括的な金融改革について合意に達することに、われわれは皆、強いコミットメントを共有している」と指摘。「われわれは皆、やや異なるシステムを持っている。われわれが導入する共通の基準は、各国レベルではやや異なるアプローチで補完されるだろう」と語った。

 ダーリング英財務相も「規制改革と銀行システムの問題については、引き続き協力する必要があるという点で、われわれは極めてはっきりしている。当然のことながら、国が違えば制度も違う。最近の米国の提案は、一定程度において、それを反映している。 われわれは、より長期的な課題として、救済コストを負担させるため、銀行に課税するのが適切なのかについて、議論した。まだ早期の段階だが、これはわれわれが、共に作業する必要がある問題だ」と述べた。

 菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は「銀行の非常に投機的な行動に一定の枠をはめるという考え方は理解できる」と表明。その上で、この問題に対する各国取り組み・現状は違うとして「何らかの制度変更があるにしても、時間的な意味も含め慎重にやってほしいというニュアンスを伝えた」と語った。

 <金融機関はコスト負担を>

 今回のG7では金融機関に対する負担強化も議題にあがった。フレアティ・カナダ財務相は閉幕後の会見で、金融危機への対応でかかったコストについて、金融機関に負担を求めることについて検討することで合意したことを明らかにした。これに先立ち、独政府高官も「銀行も危機対応のコストを負担すべき、とのコンセンサスがある」と指摘していた。

 ショイブレ独財務相は、金融規制と危機対応コストの銀行負担について、トロントのG20首脳会議までに、解決策を見つけなければならないと主張。「米国の提案は、方向性として説得力がある。銀行が危機対策コストを負担すべきだという点では、総じて見解が一致している」と述べた。

 この問題をめぐっては、英政府が既に、銀行の高額賞与への50%課税措置を発表しているほか、オバマ米大統領も1月、大手金融機関に金融危機責任料を課す構想を明らかにしている。

 <為替は前回声明を堅持>

 為替については、最近のG7声明の文言を変更する必要はないとの認識で一致した。ユーログループのユンケル議長は「われわれが最近述べたことを変更する理由はないということで合意した。イスタンブール(会合)で示した見解を堅持する」と語った。

 また、米財務省高官は為替に関する討議の際、中国について特に話はしなかったことを明らかにした。

 <声明なし、非公式会合へ>

 今回の会合は、率直な意見交換をするために事務方を入れずに各国大臣と中央銀行総裁だけで討議し、声明も出さなかった。声明を出さなかったのは、1997年9月開催の香港会合以来、約12年半ぶり。菅財務相は5日、夕食会後に記者団に対し「とてもフランクに話ができて今までの中で一番よかったとの声があった。声明を出さないということで、文書の摩りあわせなどをせず議論が十分できるのはいいのではないか」と感想を語った。

 フレアティ・カナダ財務相は「われわれは7カ国の財務相と中央銀行総裁がざっくばらんに話し合う場という本来のG7に立ち帰ろうとしている」と説明。ショイブレ独財務相も「今回はよい会議だったと皆考えている。共同声明にこだわらない率直な意見交換、これが新たなG7という意味だ」と語った。

 世界的な金融・経済問題を話し合う場としては20カ国・地域(G20)会合の重要性が高まっていることから、G7は今後、率直な意見交換をする場として非公式会合に移行していく方向だ。

G7関連ニュースヘッドラインは[nTK0360697][ID:nTK0360697]でご覧ください。

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