〔Executive Talk〕次世代デジタルカメラ投入へ、戦略商品で新市場を創出=ニコン<7731.T>社長

2010年 09月 2日 21:34 JST
 
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 [東京 2日 ロイター] ニコン(7731.T: 株価, ニュース, レポート)の木村真琴社長は2日、ロイターのインタビューで、デジタルカメラの新領域として、従来の一眼レフやコンパクトとは異なるタイプの次世代製品の発売を検討していることを明らかにした。「戦略商品なので発売時期は話せない」としたが、デジカメの新領域として、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)が発売した小型一眼カメラの「ミラーレス」ともコンセプトの異なる製品にするという。

 また、木村社長は、次世代カメラのコンセプトについて「撮影後の写真の使われ方が変化している。プリントで楽しむだけでなく、ネットワークがあってテレビやデジタルフォトフレームがあり、メールでシェアすることもある。それはフイルム時代とは明らかに違うもので、ここでカメラも変わるべきだ」と指摘。その上で「一眼レフともコンパクトとも違う領域を提案したい。ここで新しいマーケットを作っていきたい」と話した。

 従来の一眼レフやコンパクトと違う領域として、ソニーやパナソニックが「ミラーレス一眼」を発売したことについては「コンパクトカメラと一眼レフだけでなく、いろいろな商品が出ることは市場の活性化につながるので、こうした商品が出たことは喜んでいる」と語った。さらに「いろいろなメーカーがミラーレスを提案し、われわれが新世代のカメラを提案していくように、デジカメの市場は次々に新しいものが出るという関心を持ってもらうことが重要だ」と指摘した。

 

 9月21日から世界最大の映像見本市「フォトキナ」がドイツで開催される。ただ、木村社長は次世代カメラの発表時期については「(12年度までの)中期経営計画の期間には出すが、市場投入のタイミングはコメントしない」と繰り返した。

 <円高進行でデジカメ販売数量の積み増し検討>

 さらに木村社長は、為替の円高進行に対応し、デジタルカメラ販売計画の積み増しを検討していることを明らかにした。7月以降の為替レートの前提は、1ドルJPY=91円、1ユーロEURJPY=112円。ニコンの11年3月期の営業利益予想は520億円だが7月以降の1円の為替変動に対し、ドルで7億円、ユーロで8億円の影響を受ける。

 木村社長は、デジカメ販売の9割近くが海外市場であるため「短期的な為替の変動を吸収するのは難しい。1―2カ月でこれだけ変動すれば事業構造ですぐに対応できる手は打てない」と述べた。ただ「取り得る余地は数量でカバーできるかどうかだ。下期に販売数量をどこまで増やせるかを検討している」と述べた。

 通期のデジカメ販売計画は、コンパクトが1350万台(前年同期は1151万台)、一眼レフが425万台(同367万台)。足元の販売については「一眼レフは欧米もアジアも2ケタ以上の伸びで順調だ」と述べた。下期に販売をどこまで増やすかは「内部で検討しているが今の段階でこうなると話すには早すぎる」とした。

 <スマートフォンで中小型液晶露光装置の引き合い活発>

 半導体や液晶パネルの製造工場で使われる露光装置の事業については「引き合いは依然として活発だ」と述べた。特に、液晶露光装置について「液晶パネルメーカーが7―8世代より大型の設備投資の準備を進めていて来年の前半くらいまでの商談は進んでいる」という。足元で液晶パネルの価格低下や、米国市場で液晶テレビ販売が減速しているが「それが影響するのは来年の後半以降ではないか」と指摘した。一方で、米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)のiPhone(アイフォーン)などスマートフォンの販売が拡大していることを背景に「中小型の液晶パネルメーカーから装置の引き合いがかなり強くきている」という。

 液晶露光装置の通期販売台数は62台(前年同期は45台)だが「今期の販売はほぼ固まっているので、今の商談で動いているのは来期」だという。半導体露光装置については、通期の販売台数は54台(新品)。このうち「液浸」と呼ぶ新型装置は27台の計画だが「来期は30台後半を狙いたい」と述べた。

 競合するオランダのASML(ASML.AS: 株価, 企業情報, レポート)が次世代技術の「EUV」を使った最新型の半導体露光装置の開発にいち早く着手して12年に量産機を出荷する見通しになっているが、木村社長は「顧客がEUVを本格的な量産機として使うのは2010年代の最後の方になるだろう」とし、それまでは「液浸」型の技術革新を続けることでASMLのEUV技術に対抗していく方針を示した。

 ニコンは4月に「液浸」型の半導体露光装置の新製品「S620D」の量産拠点として埼玉県熊谷市の新工場を稼働。一方で、熊谷の新工場と同時に計画していた栃木県での新工場建設は昨年2月に凍結した。木村社長は「今はリードタイム短縮を重視して生産の効率化を進めている。これによって同じスペースや人員で生産台数を増やそうとしているので、工場の面積を増やすつもりはない」として、現段階で栃木県の新工場の建設再開の予定はないと説明した。

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