来週のクレジット市場=一般債需給に底堅さ、CDSはワイド化を意識
<対国債スプレッド>
政保債(地方公)10年 2.0─2.5bp 銀行債(みずほ)5年 20─21bp
地方債(都債) 10年 3.0─4.0bp 電力債(東電)10年 9─10bp
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[東京 30日 ロイター] 来週のクレジット市場で一般債は底堅い需給環境が続く
見通し。ベースとなる国債金利が低下基調をたどっていることに加えてスプレッドのタイ
ト化で投資妙味が薄れており、投資家の購入姿勢に慎重ムードがうかがえる。ただ、預貸
ギャップ拡大に伴う潜在的な買い需要が根強い。行き過ぎたスプレッドを修正する局面で
は買いが入りやすいため、需給が崩れる可能性は小さい。クレジット・デフォルト・スワ
ップ(CDS)市場では米景気への警戒などマクロ面での不安材料を背景にワイド化を意
識する展開となろう。円高圧力がかかりやすくなっていることに加え、株価に下値不安が
出ているだけに信用リスクを回避するプロテクションの買いが優勢になりやすい。
一般債市場では、量の確保に動いた4─6月期に比べると強気相場に陰りが出始めたと
の見方も出ている。国債金利の低下トレンドやスプレッドのタイト化で投資家による買い
の勢いが鈍化しているためだ。7月に起債された国内普通社債(SB)や地方債の中には、
投資家にすぐに売れずに「引受証券がいったん在庫として抱えている銘柄もあるのではな
いか」(国内金融機関)との声もささやかれている。
ただ、本格化している4─6月期企業決算が総じて改善傾向を映す内容となっているこ
とはクレジット市場にとって追い風だ。「金利水準が少しでも上がれば、買いを躊ちょし
ている投資家も買ってくるのではないか」(同)という。潤沢な運用資金を抱える投資家
がスプレッドに厚みがある低格付けのSBや証券化商品などを物色する動きも予想されて
いる。
<政地債中心に起債、SBは減少の方向>
起債市場では8月発行の政府保証債・地方債の利率など発行条件が相次いで決まる見通
し。期間10年の政保債は8月4日に、地方公共団体金融機構<0#0906=JFI>(発行予定額
600億円)、高速道路機構<0#0905=JFI>(1100億円)が起債する予定。このほか、
都市再生機構<0#0917=JFI>が6日に入札を行い、期間2年・発行予定額900億円の政保
債の発行条件を決める方向にある。
地方債は4日に埼玉県<0#0110=JFI>(期間10年、発行予定額200億円)、静岡県
<0#0107=JFI>(10年、200億円)など、5日に共同発行市場公募地方債<0#0128=JFI>
(10年、1350億円)など、6日に神奈川県<0#0103=JFI>(10年、200億円)な
どの起債が見込まれている。主幹事方式では名古屋市<0#0151=JFI>(20年、100億円)、
横浜市<0#0154=JFI>(10年、200億円程度)が起債する可能性が出ている。
一方、SBの起債は第1・四半期決算発表が続くほか、夏季休暇を控えて減少する方向
にある。主幹事を指名した電力会社が起債に踏み切る可能性があるほか、現状ジャフコ
(8595.T: 株価, ニュース, レポート)(3年)が起債観測として浮上しているぐらい。「例年に比べて、SBの起債量
は少ないのではないか」(大手証券)との見方があった。
SB以外では、鉄道建設・運輸施設整備支援機構<0#1295=JFI>が鉄道建設・運輸施設整
備支援機構債(5年・350億円程度、10年・100億円程度)の起債を計画している。
<CDS、円高・株安を懸念>
CDS市場は米景気回復に対する懐疑的な見方に加え、円高や株安への懸念が強まって
いることから、ワイド化を意識する取引が多くなる見通し。指標となるiTraxxJa
panシリーズ13ITJJP5Y=GFは今週、一時110ベーシスポイント(bp)台前半に
タイト化したが、米景気に対して弱気の見方が強まったほか、プレミアムの絶対水準が低
くなりすぎたことへの警戒も強まり、その後110bp台後半に上昇する場面があった。
指数について、みずほ証券・金融市場調査部チーフクレジットアナリストの香月康伸氏は
「目先、大きな材料が乏しいうえ、米景気の二番底懸念もあって、この水準からのさらな
るタイト化には慎重にならざるを得ない」と述べた。
マーケットでは、欧州金融機関の健全性審査(ストレステスト)の評価も一巡したこと
で、インパクトのあるタイト化の材料が見当たらないだけに、ワイド化の材料に反応しや
すくなるとみている。日経平均.N225が下値を模索する展開となれば、指数の上昇に弾
みがつく可能性が高いとの見方も出ている。目先の材料は8月6日に発表される7月米雇
用統計。米雇用情勢は当面、厳しいとマーケット関係者の多くが認識しているものの、想
定以上に悪い内容となった場合、信用リスクを回避する取引が勢いを増す可能性がある。
もっとも、スプレッドがワイド化したSBに対する需要が根強く、投資家の購入意欲は
衰えていないほか、4─6月期決算にみられるように企業収益が回復基調をたどるなどタ
イト化の材料もある。株安への警戒がさほど高まらなければ、ワイド化したとしても、そ
の動きは緩やかになるのではないかとの見方もあった。
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