長期金利は1.4%挟み、投資手控えならレンジ切り上げ=来週の円債市場
[東京 18日 ロイター] 来週の円債市場は、10年最長期国債利回り(長期金利)が1.4%を挟んで推移するとみられる。欧米金融機関への過度な悲観論が後退するなか、国内投資家の運用姿勢が相場を左右しそうだ。原油先物相場が連日最高値を更新するなどしており、世界的なインフレ圧力は勢いを増している。投資手控えムードが強まれば、金利レンジが切り上がる可能性もある。
国債先物6月限の予想レンジは138.00円─139.00円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.450%─1.350%。
サブプライムローン問題の深刻化による欧米金融機関への過度な悲観論が後退。金融・資本市場で株高/債券安の流れが鮮明になっている。流動性の高い国債先物は14日以降下落基調をたどり、18日は138円60銭で取引を終えた。引け値ベースでの下げ幅は、14日以降の5営業日で1円30銭に達する。10年最長期国債利回りは2月28日以来ほぼ1カ月半ぶりに1.4%をつけた。
市場では、こうした流れはしばらく続くとの見方が多い。みずほ証券・シニアマーケットアナリストの落合昂二氏は「海外市場で発表された米金融機関の決算が予想より悪くはなかった。総じてポジティブな指標も多かったため、楽観論が強まり、株高/債券安を促した」と指摘する。同氏は「来週予定される3月米中古住宅販売や3月耐久財受注はさほど悪化せず、今週の延長線上での値動きが続きそうだ」とみる。
日興シティグループ証券・チーフストラテジストの佐野一彦氏は「海外金融機関への懸念が一定程度後退したことや、インフレ懸念の強まりで、今後も円債市場を取り巻く外部環境はさえない」と話した。
国内投資家の運用姿勢が今後の相場を左右しそうだ。日興シティの佐野氏は「外部環境の悪化と押し目買いの強さが対立する構図になる。当面、10年債利回り1.4%前後、5年債利回り0.9%台での需要は強そう」とみている。
佐野氏は、本来、期待インフレ率が上昇するなら利回り曲線がスティープ化するが、米国市場では、足元の利回り曲線がフラット化していることを例に挙げ、「インフレ懸念の強まりが米連邦準備理事会(FRB)による利下げを制約しかねないとの思惑や、景気にマイナスになるとの見方から持続的な期待インフレ率の上昇が見込みづらいことを浮き彫りにしている」と指摘。全体として金利上昇余地は限られ、円金利への波及も限定的と予想する。
財務省は22日に20年利付国債(8000億円、2028年3月20日償還)、24日には2年利付国債(1兆7000億円、2010年5月15日償還)の入札をそれぞれ実施する。日興シティの佐野氏は「20年債入札までに国債利回りがスティープしやすい。超長期債入札を終えれば、先物の割高感が修正されるかたちでフラット化する」との見通しを示した。
ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、総務省が25日午前8時30分に発表する3月全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)の予測中央値は前年比1.2%上昇となった。2月(同プラス1.0%)から伸び率が拡大する見込み。これは、食料・石油製品が押し上げの主因。一方、4月東京都区部コアCPIの予測中央値は前年比プラス0.5%。3月の同プラス0.6%から小幅に伸び率が縮小する見通しとなった。暫定税率失効に伴うガソリンの値下げが押し下げ要因だが、食料品の値上げなどがガソリン値下げ分を相殺し、CPIの上昇基調は変わらないとみられる。
みずほ証券の落合氏は「全国コアCPIが1.2%になれば、政策金利は大幅なマイナス金利となる。インフレ懸念が衰える兆しは見えず、こうした懸念がじわりと浸透すれば長期金利は1.4%の壁ではなく、1.5%を意識した金利形成が見込まれる」と指摘する。
外資系金融機関のファンドマネジャーは「新年度入り以降、投資家の債券買いに勢いがみられない。週明け以降の買い出動が期待されているようだが、参加者は疑心暗鬼になっている」と話す。
(ロイター日本語ニュース 山口 貴也記者)
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